映画雑誌「SCREEN」と近代映画社の仕事を振り返る企画展 鎌倉市川喜多映画記念館(4月5日~7月27日)
『マリー・アントワネットの生涯』 『陽はまた昇る』『二十七人の漂流者』『愛情物語』などの名作で知られる俳優・タイロン・パワーと原節子を両面表紙に迎えて雑誌「SCREEN」は、近代映画社から1946年5月に創刊した。
創刊当時は、連合国軍の占領下で限られた作品が公開されたが、外国映画の配給を一手に引き受けていたセントラル映画社が解体されると、外国映画の配給数も増えてきて、ジェームズ・ディーンやオードリー・ヘプバーン、アラン・ドロン等次々と現れるスターを日本の映画ファンに紹介するようになった。「SCREEN」には現在も海外の最新作や人気スターはもちろん、注目の邦画やアニメまで、話題のシネマ・カルチャーや旬な人物の情報が掲載され、映画ファンに定評の雑誌である。
近代映画社の社長になった小杉修造氏は初代のハリウッド通信員として自らアメリカに赴き、映画人の声を届けた。その後もヤニ・ベガキス氏、成田陽子氏など、名物通信員が輩出されている。
本展では、映画雑誌「SCREEN」を取りあげながら、映画ファンの心をつかんできた近代映画社の仕事を振り返る。
本展期間中、『マイ・フェア・レディ』(1964)、『地上より永遠に』(1953)、『エデンの東』(1955)、『ロシュフォールの恋人たち』(1967)、『クレイマー、クレイマー』(1979)、『レナードの朝』(1990)、『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992)(4Kリマスター版)、『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)(4Kニューマスター版)、『許されざる者』(1992)、『パピヨン』(1973)、『小さな恋のメロディ』(1971)、『スタンド・バイ・ミー』(1986)などの名作が上映される。
さらに、5月24日(土)は、『エデンの東』上映後、渡辺祥子さん(映画評論家)のトークイベント、7月12日(土)は、『許されざる者』の上映後、米崎明宏さん(映画ライター)、濵田尚孝さん(国立映画アーカイブ 客員研究員)のトークイベントがある。
▲『エデンの東』(1955) 旧約聖書のカインとアベルの物語をベースに、家族関係に悩み、葛藤に苛まれる青年の姿を描く。若くしてこの世を去ったジェームズ・ディーンの初主演作。公開当時、孤独な主人公のキャルの姿は多くの若者の共感を呼び、演じたディーンは、時代の寵児となった。
▲『小さな恋のメロディ』(1971) パブリックスクールに通うダニエルと少女メロディはお互いに惹かれ、やがて結婚を誓いあう。日本に熱狂的なファンを生み出した純愛映画。近代映画社では1972年に「SCREEN 臨時増刊 小さな恋のメロディ 特集号』を発売するほど人気の作品だった。
企画展 映画雑誌SCREENの流儀 近代映画社の仕事
会期:2025年4月5日(土)~7月27日(日)
会場:鎌倉市川喜多映画記念館(神奈川県鎌倉市雪ノ下2-2-12)
休館日:月曜日(5月5日、7月21日は開館)、5月7日(水)、7月22日(火)
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
お問い合わせ:0467-23-2500
HP : https://kamakura-kawakita.org/