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雪かきも担い手不足!外の力をどう巻き込む?

TBSラジオ

この季節、雪深い地域では高齢化に伴う雪かきの担い手不足や、雪かき中の事故が多発するなど、ニュースにもなっていますが、雪かきを楽しみながら地域の問題に取り組むユニークな活動も各地で広がっています。

「国際雪かき選手権」競うほど街が歩きやすくなる!

まずは札幌学院大学、非常勤講師の松代 弘之さんに伺いました。

「札幌学院大学」非常勤講師、「国際スポーツ雪かき選手権」実行委員会 松代 弘之さん

「国際スポーツ雪かき選手権」というイベントをですね、毎年2月の中旬に行っています。

まず1チーム3~5人で申し込んでいただいてですね、地域の住民が通る坂道を大体平均すると30メートルぐらい、最初10分間、道幅を広げるんですよ。

それで、今度はその整地されたその坂道を、町内会の役員の皆さんにコースを見てもらってですね、どれがいいかと、ちゃんと歩きやすいかっていうのを採点してもらうんですね。

5つの会場で一番出来栄えが良かったチームを表彰してくださいということで、町内会長賞ってのがあるんですよ。いやもう汗だくですね。

<雪かきイメージ>

「国際スポーツ雪かき選手権」は毎年2月に北海道小樽市で開催されるイベントで、競技として楽しみながら、実際そこに暮らす人の生活の役に立てています。

実際の道路、それも除雪車が入れない坂道や細い道をスコップを使って雪かきしていくのですが、70~80センチの雪を最初の10分で脇に移動。そして残りの20分間で、歩きやすい道に整えることが求められます。

審査は、高齢者でも安全に通れるかどうか町内会長がチェック。さらに参加者は、特殊なセンサーがついたグローブを装着して雪かきしますが、このグローブをはめて計測した競技中にかきだした「雪の重さ」も、評価の対象になるそうです。

2014年から開催しているイベントで、名前に「国際」とつくのは、海外の旅行者にも参加してもらいたいという意図ですが、今年は中学生や高校生や大人が25チームの参加を予定しています。

「越後雪かき道場」初心者OK!本気の雪かき講座

高齢化が進んで、自力で雪かきするのが難しい人が増える中、この大会は街の除雪も兼ねるため、一石二鳥な取り組みと言えそうですが、一方新潟県では、不足している雪かきの担い手を補うため、県外の人材を育成する取り組みが進んでいます。中越防災フロンティアの田中 康雄さんに伺いました。

中越防災フロンティア・田中 康雄さん

「越後雪かき道場」という活動をやっておりまして、基本的には講座ですので、「正しい道具の使い方ができる」とか、「安全な作業ができる」という知識を入れていただくものです。

「はしごを設置し屋根に登る場所の確保ができる」とかですね、「安全帯を着用してアンカーを繋ぐことができる」とか、グレードが上がってくると、中級、上級、師範ってなってくるんですけども。

平成18年がとくに大雪だった年でして、県外からですねボランティアの方が入っていただいたんですけれども、雪かきに慣れてなくてですね、スニーカーできたりとかですね、スコップの使い方がわからなかったりってことで、なかなか実際に機能しなかったっていう経験がございまして。

そこで、ボランティアの方々に対する正しい雪かきの仕方っていうのを教えていく必要があるだろうということで始めたのが道場なんです。

この辺ですと、今2メーター超えてますね。かなりしんどいですよ。

「越後雪かき道場」は2006年の大雪をきっかけに始まった取り組みで、毎年2月に1泊2日で開催。今年は2月4日に予定しています。

初級から上級、師範代とスキルアップできる講座で、実践的な雪かき技術を学びます。講師は雪かきの経験豊富な地域住民が担当。こちらも実際に民家を除雪していくのですが、1階の窓が雪で埋まっているお宅を窓が開くように雪かきしたり、にスクワットの要領で雪を持ち上げるコツや、安全帯の付け方などを、実際に体験して学んでいき舞う。

ドカ雪で 雪かき依頼が殺到!「雪かきマッチング」が頼りに

人手不足の中でスキルを効率よく体系的に継承できるのがポイントですが、さらに、この道場で身につけた技術を活かして、修了生たちが各地で大活躍しているそうです。

上越防災フロンティア・田中 康雄さん

実際に集落の雪下ろし作業に入っていただくということで、集落側から依頼があった場合に、道場修了者でライン登録していただいてる方に情報を流してマッチングしていただまして、集落の方に派遣するっていうことをやっております。

元々ですね、数ヶ月前に「どこどこ地区に入って、除雪作業しますよ」っていう計画的派遣だったんですけれども、昨今「ドカ雪」が多くてですね、予定したときに雪がなかったりとかですね、ちょっと多く降りすぎてそこまで待てずに地元の方でも作業しちゃったとかですね、そういったことがありましたので、マッチングアプリの方ではですね、必要なときに必要な人を派遣したいっていうことでリアルタイムに近づけたいなっていうところがありまして。

地元の人数は減っていきますんで、我々としてはいかに「外の力」を借りて機能を維持していくかというところだと思いますけれども。

気候変動で急な「ドカ雪」も増えて計画的な派遣が難しくなっている中で、「雪かきマッチングサービス」は、必要なときにリアルタイムで人員を派遣できる仕組みです。

例えば「今週末4人 人手が欲しい」といった要望に手を挙げた人が派遣されるようですが、現在200人登録していて、定員オーバーの依頼もあるということです(雪かきの報酬が行政から出ている場合は、手当が支給される)。

高齢化や空き家が増える地域にとって、いかに外の力を取り込むか試行錯誤しているようですが、雪かきができないと、救急車が通れなくなったり、郵便物が届かなかったりと、日常生活に困ることが増えるだけでなく、場合によっては命に関わる深刻な問題にもなりかねません。それだけに、住民同士の助け合いだけでなく、行政も支援の仕組みをしっかり考えていくことが大切です。

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材:田中ひとみ)

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