極寒の海…北の伝統神事のピンチに高校生が決断!「自分を変えたい」17歳が果たす役目
毎年1月に行われる北海道南部、木古内町の『寒中みそぎ祭り』。
以前、“担い手がいない”ピンチをお伝えしました。
▼思わぬ反響!極寒の海に飛び込む伝統神事が担い手不足でピンチに?【北海道・木古内町】
担い手募集の末に、果たして、無事に行われたのでしょうか。
しんと冷え込んだ神社。訪れた人の視線の先は、“行修者(ぎょうしゅうしゃ)”と呼ばれる若者たちです。
豊漁や豊作を祈る、北海道木古内町の伝統行事『寒中みそぎ』は200年近い歴史を持つ、大切な地元のお祭り。
ご神体を清める行修者は、4年連続で務め、毎年1人ずつ入れ替わる習わしです。
しかし、前の年に4人の行修者のうち1人が辞退。
今年の分と合わせて2人足りず、初めて“公募”に踏み切るも難航していました。
そんな悩ましい状況について、去年11月『今日ドキッ!』が取材し、放送すると、7人の応募があったのです(Sitakkeの記事掲載後さらに2人が応募)。
このうち、2人が新たな“行修者”に選ばれました。
“弁財天” を務める、札幌の 谷口生貴斗さん(23)。
「継承が厳しい状況にあるというのは報道で初めて知って、こうした“地域の力”に自分自身が貢献できたらという思いに駆られた」といいます。
放送を見た母親に勧められ、「自分を変えたい」と決断した高校生もいました。
“山の神”を務める 、函館の 西谷潤紀さん(17)。
「もともと人前に出ることが得意ではなかったので、こういうのって大勢人が来るじゃないですか。そこを変えられたら…」
木古内町まで息子の雄姿を見に来た母の麻紀さんは感無量の様子。
「子どもの成長を感じて涙なしにいられなくて…」
真冬の海へ勇ましく
そして、極寒の津軽海峡でご神体を清める『寒中みそぎ祭り』のクライマックスが訪れました。
4人の行修者が真冬の海を前に、勇ましく浜辺に立ちます。
そして、身体がこわばるほどの冷たい海で無事、役目を果たしました。
“山の神”を務めた、函館の西谷潤紀さん(17)の父・潤さんは「息子ながら誇りに思います」と一言。
西谷さんも今回の自分の挑戦を「やらないと自分の甘さが見られなかった。本当にやってよかった」と締めくくりました。
“別当”を務めた齊藤亘さん(26)はことしが最後。
「次の世代に、この祭りを残す気持ちで今年取り組めて、最後4年目が終わってよかった」
まもなく200年を迎える「みそぎ祭り」。伝統は次の世代につながっていきます。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年1月15日)の情報に基づきます。