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20代の生命保険はどう選ぶ?失敗しないポイント4つ

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20代の皆さん、生命保険には加入していますか? 既に生命保険に加入している方も多いと思いますが、ご自身がどんな保険を契約しているかご存知でしょうか?また加入を検討している方は、どのような保険に加入するのか検討にまよってここにたどり着いたのではないでしょうか。生命保険と一言でいっても、死亡保険や医療保険、介護保険、養老保険など種類はさまざまです。

今回は身近な金融商品である生命保険の種類と、加入するメリットとデメリットを分かりやすく解説していきます。

1. そもそも生命保険の加入って必要?

1-1    私たちの身の回りにあるリスクを考えてみましょう
私たちの身の回りには、いろいろなリスク(偶然起こる予期せぬこと)が存在しています。不測の事態が起きてしまったときに経済的に守ってくれるのが保険の最大の機能です。保険は大きく3つに分かれており、その中で死亡やケガ・病気などによる経済的リスクに備えるものが生命保険です。ですので、何らかのアクシデントが発生した際に金銭的な手当てができるのであれば生命保険は必要ありません。もし手当てが難しいということであれば生命保険が必要ではないでしょうか?

1-2 生命保険の加入率はどのくらい?
日本人は貯金と保険が大好きといわれています。生命保険文化センターが調べた生命保険の平成30年度の加入状況は下記のようになっています。

 

*生命保険文化センターH30年調べ 
「平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」(平成30年12月発行)」

かんぽ生命や共済などを含むと9割程度の家庭で何らかの生命保険に加入していることになります。また同じ調査では20代の加入率は8割。多くの方が何らかの保障を準備しているという結果が出ています。思った以上に高い加入率ではないでしょうか?

2. 生命保険の種類は4つ

さて一口に生命保険といっても、どんなとき・どんなリスクに備えるかにより加入する生命保険が異なります。

2-1 死亡保険
この保険は字の通り、被保険者(保険の対象者)が亡くなった場合に保険金受取人に保険金を受け取ってもらう保険です。残された遺族の生活費や教育費などさまざまな経済的なリスクに備えるものです。もしあなたが20代の独身であれば最終整理資金(葬式代・奨学金や車のローンなどの借入金相当)程度の備えで十分ではないでしょうか?ただし、結婚して子供がいる場合など、扶養する家族がいる場合は生活費や教育費が必要ですので必要保障額が上がります。

2-2 医療保険・疾病保険
病気やケガによる入院時の費用に備える保険が医療保険です。皆さんも「入院日額1万円」などの文字を見たことがあると思います。また、がんを患った際に一時金や医療費の補助をしてくれるがん保険などの疾病保険も保険会社から数多く販売されています。医療保険は保険期間を一生涯にした終身タイプの商品が主流です。

2-3 介護保険
公的な社会保障として、病気やケガなどで障害・介護状態になった場合に支給される障害年金や、主に老年時が対象の公的介護保険という制度がありますが、これだけでは不足する部分を補うための保険が、民間の保険会社が販売している介護保険です。要介護時や保険会社の定める所定の状態になった際に給付金が受け取れます。死亡保険の特約や介護に特化したものなど長寿化の影響で注目されている保険です。

2-4 養老保険や個人年金など死亡保障付きの生存保険
生命保険の商品の中には貯蓄性が高い商品があり、養老保険や個人年金保険などがその代表的なものです。どちらも掛け捨てではなく支払い満了時まで保険料を支払うと、その保険料の一部を積み立て、支払い満了になると満期保険金や老後の年金として払い戻しを受けることができます。また満期までに亡くなった場合は死亡保険金を受け取ってもらうことができます。

金利が高い時代は人気の高い商品でしたが、現在のような低金利の場合はお金を増やすメリットが薄れてきています。また、満期前の早期解約は支払った保険料が返ってくる金額より少なくなります。ただし「自分で貯金ができない」という方には知らないうちに貯金ができているということで根強い人気があるタイプです。

3. 生命保険料ってどのくらい支払うのが適切なの?

【画像出典元】「iStock.com/Damir Khabirov」

3-1 20代が支払う保険料ってだいたいどのくらい?
生命保険がどのようなリスクに備えるためのものかはお分かりいただけたでしょうか?備えていれば安心の生命保険ですが、やはり気になるのは毎月の保険料です。特に20代の新社会人など、働き始めて日が浅く、収入がそれほど多くない場合だと保険料負担はかなり大きくなると思います。生命保険文化センターの平成30年度の調査では、20代が1年間に支払う生命保険料の合計は個人年金を含め平均値で23万3000円でした。一カ月当たりに換算すると約2万円です。筆者の経験上、20代が加入している個人年金は一カ月当たり1万円程度が多く、死亡保険や医療保険に使われている保険料は1万円程度だと推測されます。

3-2 将来の展開次第で保険料も変わる ライフステージ別 支払保険料
20代という区分で考えても、社会に出てすぐの20代前半と、20代後半で結婚や子育てなどが始まっている人では生命保険で準備する金額が大きく異なります。生命保険でまず大事なのは経済的アクシデントが発生したときに必要な金額がいくらであるのかを知ることです。

就職・結婚・出産・住居の購入など人生の中で環境が大きく変化するときがあります。その際には積極的に必要保障額を確認し、それに合わせて生命保険の見直しを行った方が良いでしょう。下記の表で見ても50代前半までは加入している死亡保険金の上昇が続いており、ライフステージの変化に合わせて変化していることが伺えます。

 

*生命保険文化センターH30年調べ

生命保険を見直す際の注意点ですが、生命保険の商品の性質上、契約年齢が上がると同じ保障内容であれば必ず保険料も上がります。この点に注意しながら保険を選ぶ必要があります。
また下表は世代ごとの個人年金を含む年間の保険料です。

*生命保険文化センターH30年調べ

この表を見ても50代~60代で見てみると20代の2倍程度の保険料を払っていることが分かります。ちょっとびっくりですね。

4. 生命保険ってどうやって選べばいい?選び方のポイント4つ

【画像出典元】「iStock.com/takasuu」

4-1 公的な社会保障の保障範囲を知っておく
リスクに備える生命保険ですが、その生命保険が選んだ目的に適しているかが重要です。どんなリスクに備えるのか、まずは公的サービスでどこまで準備できるかを確認してから選ぶことが重要です。ここで代表的な公的サービスを上げてみましょう。

(1)遺族年金・障害年金・老齢年金など公的年金
老後2000万円問題など何かと話題に上る機会が多い公的年金ですが、万が一のときや障害を負った場合にも年金が支給されることをご存知でしたか?国民年金は保障がそれほど手厚くはないのですが、厚生年金適用事業所にお勤めの被保険者であれば、報酬比例の遺族年金や障害年金をしっかりと準備できます。

(2)健康保険・国民健康保険など公的医療保険
毎月保険料を支払っている健康保険・国民健康保険などの公的医療保険も非常に優れたサービスです。いわゆる現役世代であれば窓口での支払いは3割負担で済み、入院をしたとしても高額療養費制度があるので、それほど過剰な負担にはなりません。また最近の民間医療保険で少しずつ採用されている通院特約は退院後の通院に適応という内容ですので、入院中の過剰な補償は不要なケースが多いと思います。

(3)傷病手当金制度
病気やケガで会社を休むことになり、お給料をもらえない場合の生活を保障するために支給されるのが傷病手当金。こちらは厚生年金適用事業所にお勤めであれば、会社を連続して3日間休んだ場合、4日目以降の休職期間に関して傷病手当金が支給されます。

4-2 目的にあわせて生命保険の種類を選ぶ
生命保険の選び方のポイントは重要なポイントは4つです。
何のために(目的)
家族の生活資金?医療費?老後の資金? 
いつまで(期間)
死亡保険であれば、家族が何歳まで払うか? 医療であれば一生涯払うか?
必要な金額はいくらか?
死亡保障であれば遺族年金を考慮。医療であれば日額だけではなく一時金も要検討
保険料はいくらか?
必要以上の保険料にならないように検討を。保険料は掛け捨てか、解約金ありか

4-3 押さえておきたい、生命保険のメリット・デメリット
<メリット>
(1)万一の保障ができる
遺族の生活費を貯金で準備するには長い時間が必要なことが多いのですが、保険であれば加入時から必要な金額を準備することができます。

(2)所得税・住民税を軽減できる
生命保険料を払うことで、保険料の一定額を所得から控除できる「生命保険料控除」があります。対象になるのは所得税と住民税で課税される所得を減らす=節税することができます。

<デメリット>
(1)保険料がかかる
生命保険に加入すれば安心できる保障を手に入れることができますが、保険契約で定めた保険料が必要です。

(2)貯蓄性の商品の場合はすぐに解約すると損をする
契約から短期間で解約したときは、受け取れる解約返戻金が払い込んだ保険料を下回る場合があります。

(3)貯金ができない
必要以上に高額な生命保険に加入してしまうと支払いが厳しくなりがちです。生命保険は通常は長い期間の支払いとなりますので要注意です。

4-4 分かりやすい!生命保険選びのための種類一覧​
それではこれまでの情報を踏まえて、分かりやすく生命保険を選んでみましょう。

保障の目的により選ぶ保険が変わってきます。以前はあらゆる保障が一体になったパッケージ型の生命保険が主流でしたが、近年では死亡保障と医療保障を分けて必要なものだけを準備する方向に変わってきつつあります。

一般的には20代~30代の独身であれば、過剰な死亡保障は不要なことが多いと思います。医療保険と少額の死亡保障で十分ではないでしょうか?独身の間は県民共済やこくみん共済などの活用で保険料を抑えながら、余裕分は貯金や運用に使うと、給料の使い道としてのコストパフォーマンスが良くなると思います。

5. まとめ

保険と貯金は車の両輪の関係で、どちらかが大き過ぎても真っすぐに進むことができません。経済的なリスクに備える保険は、安心な人生を歩むためには必要な金融商品です。生命保険は長い期間の支払いを伴うことが多く、トータルでの支払いが高額になりがちです。生命保険に加入するときは、何のために保険が必要なのかをよく考え、生命保険各社の比較をしながら選びましょう。また、加入後も年齢や家族状況を考えながら、その時々にあった保険の内容や契約期間などにリフォーム(見直し)することが重要です。

選択を間違えて高い買い物にならないように、生命保険だけでなく一般の共済や職場の福利厚生制度を活用しながら、何を目的に加入するかを十分に考えて選びましょう。

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