上大島キャンプ場 11月「全日」営業を視野 昨年試行実施 利用は夏場敬遠
猛暑影響大きく
緑区大島にある上大島キャンプ場の今年度の営業がスタートした。昨今の利用状況や今年度の展開など、管理をする大島観光協会の吉村幸弘会長に話を聞いた。
同キャンプ場は今年開設70周年を迎える、市営の施設。相模川沿いの立地で、四季の花々が楽しめる点などが特徴で年間3万人以上の利用がある。コロナ禍によるアウトドアブームも一段落する中、吉村会長は昨年度、新たな試みをした。
それまで3月から10月までだった営業期間について、ブームでの需要を見込んで2022年度から11月の土曜、日曜、祝日も営業することにした(宿泊期間は7月から9月)。昨年度はさらに平日まで拡充し、全日営業とした。理由について吉村会長は「猛暑の影響が大きいです」と話す。
夏イメージ古い?
キャンプといえば「夏休み」のイメージも強いが、同協会が昨年実施した利用者アンケートでは「最もキャンプをしたい月」は10月が最多。8月は最下位という結果だった。気温が高いとテントの中に熱がこもり居心地が悪く、外にいても熱中症のリスクが高くなることから夏のキャンプを避ける人が増えているという。「お盆の時期は例年、ひと月前には予約が埋まる状況でしたが、昨年度は7月末になっても空きがあり、暑さを理由にキャンセルされる方もいました」。吉村会長によると、昨年の熱中症警戒アラートの発令回数は前年と比べて増加していた。「これは異常と感じ9月、利用者のため、施設の持続的な運営のために11月の全日営業を決めました」と振り返る。試行的に始めた昨年度だったが、今年度も継続する方向で検討している。
ソロは急増
利用者層にも変化が見られるという。19年度は1組あたり平均8・2人だったが、昨年度は5・8人に減少。その一方で、ソロキャンプの利用者は19年度の6人から徐々に増え昨年度は388人になった。「コロナ禍による生活様式の変化や一人利用の浸透が背景にあります。女性のソロキャンパーや外国人利用者も増えています。今年度も『また来たい』と思ってもらえるキャンプ場を目指していきます」と吉村会長は話した。