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琉球ゴールデンキングスは強豪国オーストラリア遠征中!佐土原遼、脇真大、ヴィック・ローが現地インタビューで語る

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シュート練習をするヴィック・ロー
ドライブを仕掛けるヴィック・ロー=オーストラリア・パース(長嶺真輝撮影)

プロバスケットボールBリーグの琉球ゴールデンキングスが、最新のFIBA(世界バスケットボール連盟)ランキングで7位につける強豪国のオーストラリアに遠征中だ。 9月12日に開幕したプレシーズンゲームの国際大会「Perth Wildcats International Series」に参加している。主催はオーストラリアのプロリーグ「NBL」で10回の優勝を誇るパース・ワイルドキャッツ。同じくNBLのサウスイースト・メルボルン・フェニックスのほか、Bリーグからはサンロッカーズ渋谷も参加している。 キングスは初日の12日にフェニックスと対戦し、75ー90で敗れた。フィジカルの強さや高さのある選手が多い相手にリバウンドで優位に立たれ、3ポイントシュートも高確率で決められた。後半はキングスのプレー強度やボール回しが改善し、一時追い上げたものの、届かなかった。 今年8月の「FIBAアジアカップ2025」で大会3連覇を果たしたオーストラリア。アウェーの地で海外の強豪チームと対戦できる機会は、そう多くはない。試合結果も大事ではあるが、それ以上に、個々の選手やチームにとって貴重な経験となるはずだ。キングスは9月14日午後4時半(現地時間)から、最終戦のパース・ワイルドキャッツ戦に挑む。 試合の中日となった9月13日、普段から日本代表入りへの意欲を語っている佐土原遼と脇真大、エースとしてキングスをけん引するヴィック・ローの3人に現地でインタビューを行った。一問一答で紹介する。

「海外アウェーはアジャスト力が試される」佐土原遼

3ポイントシュートを放つ佐土原遼=9月12日、オーストラリア・パース(長嶺真輝撮影)

ーNBLのチームとして対戦してみて、いかがでしたか? 「試合前にイメージしていたよりも、個人的にはフィジカルや高さはあまり気になりませんでした。次に対戦するワイルドキャッツはさらに強いので、初戦でいい試しができました」 ー初戦は体の強さを生かしたポストアップからの得点もありましたね。 「前半は外国人選手相手にどこまでできるのか模索していた状態で終わったんですけど、『やれそうだな』と感じたので、前半の終わりに隆一さんや颯さんに『ポストアップするからパスを入れてほしい』という話をしました。日本でやってるようなプレーでスムーズに行けたので、感覚的には良かったですね」 ー加入してからプレシーズンゲーム3試合を終えました。チームに馴染んできた感触はありますか? 「練習でも5対5をできる時はやっているので、だんだん成熟してきてはいると思います。多くの選手は昨シーズンから一緒にやっているので、それと比べたらまだ全然ですけど、みんなが自分の良さを分かりつつ、自分もまわりのことを分かろうとしてはいるので、少しずつ噛み合ってきています。もっと成熟していきたいです」 ーチームにとってどんな存在になりたいですか? 「桶さん(桶谷大ヘッドコーチ)とも話していましたが、自分が入ることによって、また新しい武器をチームに作りたいです。みんながお互いに犠牲心を持ちながらやっていくことが、チームにとって次のステップになると思っています」 ー脇選手と一緒に出ることが多いですが、連係はいかがですか? 「自分は脇と一緒のポジションに見られがちではあるんですけど、自分は脇とヴィックを足して2で割ったような選手です。脇はドライブが好きなタイプですが、僕は外で待って3ポイントシュートを打つことや、脇がトランジションでボールプッシュしてる時に並行して走ることもできます。ヴィックがボールを持っている時に、スクリーンに行ってポップするなど、ビッグマンの役割もできます。いろいろなバリエーションができるのが強みだと思っています」

練習中に桶谷大HC(右)と話す佐土原

ークラブで強豪国のチームと海外で試合するということはどう感じていますか? 「日本代表入りを目指していて、ワールドカップやオリンピックにも出たいと思っているので、こういうチームとやり合える経験ができるのは本当にありがたいです。海外のアウェーで試合をするとボールが違ったりもするので、アジャスト力も試されます。代表の試合もこれからアウェーが多いので、それに慣れる意味でも、本当に来られて良かったです」 ーチームの結束力を高める上でも効果はありますか? 「チームメイト同士はもとからすごく仲がいいですし、(新加入の)自分と(小針)幸也も問題なく入っていけています。あと、スタッフとも密にコミュニケーションを取っていかないといけないと思っているので、チームディナーなどでお互いのことを知る上でとてもいい機会だと思っています。選手とスタッフが別々ではなく、同じチームという感覚で関われたら、みんなが『キングスのためにやろう』と思えるとはずので。僕たち選手も普段からスタッフにとてもお世話になっているので、『プレーで恩返しをしたい』という気持ちがより芽生えると思います」 ー2試合目に向けて。 「まずは自分たちのバスケットにフォーカスすることと、個人的にはクオーターごとの得点も意識したいと思っています。レベルの高いチームに40分間で勝ち続けるのは難しいので、クオーターごとで勝つことに集中するのがベストだと思っています」 ーパースの街はいかがですか? 「住めますね。街で買い物もしましたけど、とても便利です。あと、街と緑のある場所が分かれていて、落ち着いた雰囲気もいいです。ウネさん(畝挟孝洋ストレングス&コンディショニングコーチ)と散歩に行ったりもしました。都会より、こういう場所が好きです。合宿地としてとてもいいですね」

「この強度で、もっとアグレッシブに」脇真大

味方にパスを送る脇真大=オーストラリア・パース(長嶺真輝撮影)

ー1試合目の感触は。 「強度の部分は全然違うなと思ったし、ファーストコンタクトのところで結構やられました。ただ、そこさえなければ、僕たちも非常にいい戦いができていたと思います。2試合目は入りをしっかりやっていきたいです。僕自身としては、1試合目の反省として迷いがありました。アグフレッシブにできていなかったです。次はまた違ったゲームになると思うので、もっとアグレッシブにやっていきたいです」 ーファーストコンタクトというのは、ディフェンス面ですか? 「細かいところですけど、見えづらい部分でかなり体を削ってきました。そこは重要な部分だし、僕もやり続けないといけないなと感じました」 ー迷いがあったというのは、自分で行くか、パスを振るか、という部分ですか? 「それもありました。もうちょっと自分の状況判断をしっかりできたらなと思っています。今日の練習はセットプレーの確認などでした。アタックするところはアタックして、パスをする時はパスをして、状況判断をしっかりやれればいいなと思っています」 ー日本代表入りも意識していると思いますが、こういうレベルが高いチームと海外で試合をやることに対してどう感じていますか? 「本当に貴重な経験なので、この強度でもっとしっかりプレーしないといけないと感じています。2試合目はもっとチャレンジしていきたい。そうすれば、自分がもう1つステップアップできると思います」 ーパースでの生活はどうですか? 「涼しくて、とても住みやすいです。人も優しいですし、楽しみながら滞在できています。遠征を通してチームのケミストリーが高まっていくと感じます。去年のイタリア遠征もそうでした。選手同士がお互いのことを知る上でも貴重な機会だと思うので、今年もいいチーム作りにつなげていきたいです」

「いいテストになる」ヴィック・ロー

シュート練習をするヴィック・ロー

ー1試合目の評価は。 「NBLのフィジカルの強さや、長時間の移動後の試合という部分にアジャストしないといけませんでした。後半は自分たちのスタイルが発揮できたと思います」 ープレシーズンゲームを3試合終えましたが、チームの連係は良くなってきていますか? 「まだアジャストしないといけないところは多く残っています。多くの選手が去年から継続していますが、みんなが共通理解を持ってセイムページでやるためには、まだまだ課題があると思っています」 ーシーズン開幕前にフィジカルの強さや高さがあるチームと試合をする意義は。 「Bリーグでは味わえないような高さや強さがあります。NBLはポイントガードでも大きな選手が多いので、いいテストになると思います」 ーパース・ワイルドキャッツにはもともと所属していましたが、当時のチームメイトもいるんですか? 「今シーズンは選手もコーチも新しいチームになっているので、一緒に戦ったチームメイトはいないと思います。もともと知っている選手はいますが。彼らの1試合目は前半だけ観ましたが、得点源を一人の選手だけに頼ることなく、それぞれのポジションでいい選手がいる印象です」 ー久しぶりのパースでの生活はどうですか? 「楽しいです。日本での生活からから少しペースを変えて、友達に会ったり、食事を楽しんだりしています。パースで行くべきところは、まずスカボロー・ビーチとフリーマントルという港町。食べ物はミートワインカンパニーというレストランが美味しいです。今回は新しいお店にもチャレンジしています」 ー1試合目の会場にはキングスファンの姿もありました。ファンにコメントをお願いします。 「パースに来ているキングスファンの方にはパースの街を楽しんでほしいです。いい時間が過ごせていることを願っています。ライブ配信を通して試合を観てくれている方にも感謝を伝えたいです」

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