実は最強の子育て家電 「水拭き機能付きロボット掃除機」BEST3 ハイハイ期や花粉対策にも!〔専門家が厳選〕
子育て家庭で役立つ便利家電を紹介するシリーズ「子育て家電」。第8回は、汚れがちな家の床を、吸引・水拭きしてくれる1台2役型「ロボット掃除機」について、家電ライターの田中真紀子氏に聞いた。
【写真➡】ベビーのゴハンが超簡単に「離乳食向き調理家電」BEST3を見る吸引と水拭きを同時に行う1台2役のロボット掃除機が増えています。それも、2万円台で購入できる高コスパモデルも登場。花粉対策にも使えるロボット掃除機の選び方を、子育て経験を持つ家電ライターの田中真紀子さんに教えてもらいました。
ロボット掃除機は水拭き機能が大進化!
ロボット掃除機に水拭きができる種類が増えているって、いつからなのでしょうか?
「ロボット掃除機とは、自動で家の中を走り回り、掃除機がけしてくれる掃除機ですが、2018年ごろからは水拭き機能を搭載したものが徐々に増えています。
主に円形の掃除機の裏側に、掃除機の吸い込み口とモップがついていて、ゴミを吸った直後にモップで床拭きをしてくれるものです。1台で2役をこなすため、『2in1ロボット掃除機』とも呼ばれています」(田中さん・以下同)
水拭き機能はどれくらい優秀なのか、床のベタベタ汚れもきれいに落ちるのかが気になるところですが?
「確かに、2020年ごろまでのモデルは、掃除機にモップを貼りつけたような簡易的なつくりでした。しかし今出ている最新モデルは水拭きの機能が格段にレベルアップしていて、物足りなさを感じさせません」
ハイハイ期や花粉対策にも◎
田中さんは、子育て世代こそ2in1ロボット掃除機を使ってほしいと熱く語ります。
「小さいお子さんは床で過ごす時間が長いですし、ハイハイし、その手を口に入れたり、床をなめてしまったりする赤ちゃんもいるかもしれません。裸足で過ごすことが多いなら、皮脂汚れによるベタつきも気になるでしょう。
また、花粉の飛散が特に多い季節は、重くて床に落ちやすいという花粉の性質上、花粉が床に広がっていることもありえます。そのため床掃除は必須ですが、もし時間がなくてできないなら、2in1ロボット掃除機を利用することでストレスフリーになります。
花粉対策は寝てる間にタイマー起動
便利な使いかたとしては、夜中に落ちたホコリや花粉を、家族が起きてくる前の早朝にタイマー予約で掃除してしまうこと。家族が起きて活動を始めると、またホコリや花粉は舞い上がってしまうので、ベストなタイミングといえます」
一方で、こんな注意点も。
「水拭き用のモップは洗い忘れると雑菌が繁殖して異臭を放ちます。全自動ゆえにモップを取り外すことをついつい忘れがちですが、そのまま掃除をすると雑菌を床にこすりつけることに。
都度洗って乾かす自信がない人は、モップ自動洗浄や乾燥機能が搭載されたものを選びましょう」
モップの手入れに水の補充・排水まで自動化!!
2in1ロボット掃除機を選ぶ基準は、「水拭き機能によって、自分の手間をどこまで省略したいか」だと、田中さんは話します。
「近年増えているのが、充電台に清水タンクと汚水タンクを備え、水拭きモップを自動的に濡らすうえに、掃除後にモップを洗ってくれるタイプです。
これで汚れたモップで家中を掃除するような心配はなくなります。モデルによっては途中でモップだけ洗いに戻る機能も備わっているんですよ。
モップ洗浄後は乾燥させないと雑菌が繁殖し、異臭の原因になりますが、面倒な人は乾燥機能付きを選ぶのがおすすめです」
さらにタンクの補充と排水まで行ってくれるタイプも出ています。
「清水タンクと汚水タンクには水の補充と排水が必要ですが、それすらやってくれる自動給排水機能がついたものも出ていますよ! 多くの手間がすべておまかせできるのです」
床の汚れ重視ならモップの圧力をチェック
汚れの落ち具合も大きなポイントに。とくに、子どもの食べこぼしなどで床の汚れが気になる人は、水拭きの清掃力を重視しましょう。
「水拭きの方法には、2つの円形ブラシを回転させゴシゴシ拭き取るもの、モップを床にしっかり押し付けて掃除するものなどがあります。
モップの圧力の強さをうたうものであれば、汚れのこびりつきや食べこぼし、皮脂汚れに期待できます」
また、赤ちゃんがいる家庭で、お昼寝中などに使いたい場合は静音性、あるいは静音モードの有無も要チェックです。
とくに、吸引したゴミをダストボックスに自動収集する機能があるモデルには、収集時の静音性をうたっている機種もある一方で「想像以上に爆音で夜は使いづらい」と不評の機種もあります。心配な方は、レンタルでお試しするのもおすすめです。
さて、田中さんのおすすめの2in1ロボット掃除機は? 購入しやすい高コスパなモデルから、高機能モデルまで教えてもらいました。
シンプル機能でOKなら3万円以下のエントリーモデル
お手頃さでおすすめなのは、「Roomba Combo Essential robot」(アイロボット/¥29,400税込※)。
「水拭きも同時にできるのに2万円台と高コスパで、基本的な機能を搭載したエントリーモデル。ダスト容器にモップパッドをつければ掃除機がけをしながら水拭きもしてくれ、モップパッドを外せば掃除機がけのみ行う、というシンプルな使いかたで迷う必要がありません。
エントリーモデルながら吸引力も備え、ロボット掃除機初心者にはピッタリ。ゴミ捨ての手間を省きたい人には、ダストステーション付きの『Roomba Combo i5+』(¥59,200税込※)もあります」
ただし、カーペットを敷いている家では、カーペットの上を避けられず水拭きしてしまうという難点も……。ルンバシリーズでカーペットを避けて水拭きもしてほしい人は、
『Roomba Combo 10 Max ロボット + AutoWash 充電ステーション』(¥148,200税込※)、あるいは『Roomba Combo 10 Max ロボット + AutoEmpty 充電ステーション』(¥99,800税込※)を検討してみるといいでしょう。
なお、2025年3月に事業継続困難との報道がありましたが、アイロボット社は【現時点において一部の報道にあるような「企業としての存続不可」といった状況には全くございません】と発表。「近々、新製品の発表もあると聞いていますので、私も楽しみにしているところです」と田中さん。
対応部屋数は3~4部屋。動作音を抑える「サイレントモード」も搭載。 写真提供:アイロボット
モップの洗浄・乾燥にタンクの給排水まで全自動
手間を省きたい人は、モップの洗浄・乾燥、ゴミ収集、さらにタンクの給水や排水まで、とことん自動で行ってくれる「お掃除ロボットS10」(SwitchBot/¥119,820)をチェック。
「モップ洗浄機能がついたロボット掃除機は、清水タンクと汚水タンクを備えていますが、数回に1回は水の補充と汚水の排水が必要です。その手間まで省いてしまったのが、このモデル。
洗濯機などの水道管を分岐させてつなぐことで、給水・排水・洗浄液の投入まで自動で行ってくれます。モップはロボット掃除機には珍しいローラー式。
回転させながら汚れをこそぎ取っていくので、汚れがついたままのモップで掃除をするのに抵抗がある人におすすめ」
タンクの水を自動で給水・排水するため、置き場所は洗濯機周りがベスト。家の洗濯機周りにスペースがあるか、上下水道の接続口とつなげられるか、確認を。 写真提供:SwitchBot
最強クラスの吸引力で床汚れや壁際もしっかり清掃
吸引力、水拭きともに徹底的にきれいにしたいなら、「DEEBOT T30 OMNI」(エコバックス/¥94,800)を。
「一般的なロボット掃除機の吸引力は2500~3000Pa(パスカル)といわれていますが、本製品は業界の中でもパワフルな1万1000Paを備えており、吸引力は抜群。水拭きは、2つの円形モップが床を加圧しながら回転することで、こびりついた汚れもごっそり落とします。
さらに壁際まで近づくと、モップがせり出し隅(スミ)を掃除する『エッジクリーニング機能』で、今まで届きにくかった場所にもアプローチ。
雑菌が気になるときは、70℃の温水でモップを洗う『自動温水洗浄』モードも搭載されているので、ラクをしつつもとことんきれいにしたい人に最適です」
超音波でカーペットを認識するとモッププレートが自動で持ち上がり、吸引モードにチェンジ。カーペットを濡らす心配もなく、カーペットに潜むゴミもパワフルに吸引。 写真提供:エコバックス
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エントリーモデルから使うもよし、最初から価格高めの高機能モデルを使って全部おまかせにするもよし。いずれにしても、ラクすぎて手放せなくなるはず。
ちなみに筆者は某社の2022年発売モデル2in1ロボット掃除機を購入して以降、ほぼ毎日吸引と水拭き掃除ができるようになり、かなり助けられています。
付属のモップは洗濯機&乾燥機対応可のものを選択し、汚れたら、モップをネットに入れ、ドラム式洗濯乾燥機で乾燥まですませています。購入前にはモップの洗濯機対応もチェックしてもいいかもしれません。
●PROFILE田中真紀子(たなか・まきこ)
家電ライター。子育てと仕事の両立に悩む中、家事をラクにしてくれる白物家電、自宅用美容家電に魅了され、家電専門ライターに。最新家電を200以上所有し、常に生活者目線で情報を発信。
※価格は2025年3月25日調べ
取材・文/桜田容子