【ダルバート行脚】個性派 “ゴルベラコアチャール” が衝撃美味! モモのラインナップも超充実 / 大久保「東京セクワバー」
相も変わらず大久保・新大久保エリアのネパール料理店の出店ラッシュが止まらない。同エリアを訪れるたびに新店がオープンしているから取材しても取材しても追いつかない、といったところ。
・タパリモモのご近所に新ネパール料理店が誕生
というわけで今回訪れたのは大久保駅北口から徒歩30秒もかからない超駅近に1月9日にオープンした「東京セクワバー(Tokyo Sekuwa Bar)」。ネパール人が行列をなす「タパリモモ」のご近所でもある。
メニューをチェックしていく。
こちらはネパール人経営のインド料理店「インネパ」でもあり、インドカレーとナンのセットも推しているが、それ以上にダルバートをはじめとしたネパール料理が充実している。
ネパールのインスタントヌードル「ワイワイ」を使用したスナックや焼きそばや汁そば系も取り揃えている。
ネパール風蒸し餃子「モモ」は6種類もラインナップ(タンドリーモモはまだ提供していないとのこと)。「C MOMO(シ モモ / 700円)」はスパイシーなソースをかけた「チリモモ」だという。
荏原町の「マナンカフェ」には「Tモモ(チベットモモ)」があったが、ネパールではモモの前の単語をイニシャルにするのが慣例なのだろうか……。
カトラリーケースは和食系ファミレス風だ。
・肉も野菜もたっぷりなネパールの国民食「ダルバート」
まずは瓶ビール(600円)で喉を湿らせていく。
ツマミにパパド(豆から作られた煎餅のようなもの)と黒豆を出してくれる心遣いが嬉しい。ちょっとした節分気分だ(ちなみにこの黒豆、かなり堅いので歯が弱い人は注意しつつ食べた方がいいです)。
注文したのはカナセットのマトンカレー(ランチ900円 / ディナー1200円)。インネパ店らしく辛さも指定できるので「スパイシー」でお願いした。
内容は左上から時計回りにマトンカレー、ダルスープ、パパド、トマトベースのピリ辛ソース、キュウリのスライス、ダイコン・ニンジン・キュウリのピクルス(アチャール)、青菜炒め、野菜のおかず(ジャガイモ・ナス・ブロッコリーなど)、そして中央に香り高いライスが鎮座ましましている。
ダルスープには複数種の豆が使用されている。黒い豆も使っているからか色はかなりダーク。粘度が高く、スパイス感は薄めな一方で塩気は強め。ビールにもライスにも間違いなく合う味だ。
パパドを砕き、ダルスープをライスにかけて「ネパール式ねこまんま」にして堪能していく。ダルスープとパパドの塩気でライスが進む。
カレーには骨付きマトンがたっぷり。どこをすくってもスプーンに肉が乗ってくる──かなりの大サービスだ。
マトンはいい意味での羊の臭みとうま味をたたえている。カレーはほどよい辛さで量も多め。カレーだけでライス2周はイケそうだ。
ピクルス(アチャール)はしっかりとマスタードのビシッとした辛さが嬉しい大人仕様。酒の肴にも最適。
野菜のおかずにはなかなかに珍しいナスが入っていてさまざまな食感や季節感を楽しむことが可能だ。
・トマトソースではなく「ゴルベラコアチャール」と呼びたい
特筆すべきはこのトマトベースのピリ辛ソース。一見しただけではトマトソースだとは認識できず、店員さんに「これは何ですか?」と確認してしまった。
よくあるトマトベースのピリ辛ソースはこんな感じなのだから。
「東京セクワバー」のそれはトマト以外にもニンニク・タマネギ・ショウガ・パクチー・唐辛子などが使用されており、サルサソースの進化系と言ったところ。どんな料理でもエキゾチックに変貌させてくれる辛さと美味さをたたえている……。
今まで本連載ではわかりやすく「トマトベースのピリ辛ソース」と記載してきた筆者だが、これはネパール語でしっかりと「ゴルベラコアチャール」と呼びたい(ゴルベラはネパール語でトマト)。それほどインパクトがあり個性的なソースだ。
亀有の「ガンディジー」や
新大久保の「バンブーチェ」もフレッシュタイプのゴルベラコアチャールを提供していたが、今後はゴルベラコアチャールで店の個性を出していくネパール料理店が増えていくのかもしれない。
・初めましての「ククリラム・ホワイト」をソーダ割りで
日本のネパール料理店の未来に思いを馳せていたらビールがなくなってしまった。
というわけでネパールのサトウキビやカラメルを原料とした蒸留酒「ククリラム(500円)」を追加。こちらではノーマル、スパイス、ホワイトの3種のククリラムを提供している。
ノーマルとスパイスは見たこと、飲んだことがあるがホワイトは初めまして。店員さんも「この店に来て初めて見た」と言っていたので、ホワイトをソーダ割りで注文。
ノーマルやスパイスよりもスッと喉を通ってくれて飲みやすいかも。
というわけでククリラム・ホワイトをちびちびとやりつつ、ダルバートにすべての味を重ねてスプーンを進めていく。やはりゴルベラコアチャールの存在感が際立つ。
ライスやダルバートはおかわり可能だが、ダルスープとカレー、おかず類を贅沢に使用して一気に完食。腹パン。
・今回訪問した店舗の情報
店名 東京セクワバー(Tokyo Sekuwa Bar)
住所 東京都新宿区百人町1-20-16 B1F
営業時間 オープン直後でまだ未設定(※店に要確認)
定休日 オープン直後でまだ未設定(※店に要確認)
執筆:ダルバート研究家・田中ケッチャム
Photo:RocketNews24