現役高校生の視点から 「日本の性教育を変えたい」 公文国際学園 生徒3人
公文国際学園(戸塚区小雀町)3年の男子高校生3人が運営する性教育団体「セクテル」。それぞれが海外にルーツを持っており「日本の性教育を、日本に合ったより良いものに変えていきたい」という思いで、活動している。
きっかけは違和感から
3人は、具体的な避妊具の使い方や生理の知識など、性をタブー視する日本の風潮に違和感を覚えていたという。アメリカ人の父を持つ瀬戸真明空(マーク)さんは「授業としての性教育も、一方通行に教えられることがほとんど。自分事として捉えている人は少ないと思う」と話す。
きっかけは昨夏、同校で行われた性教育の第一人者・岩室紳也氏の講演。失敗談や人間関係におけるマナーから、性教育を展開する岩室さんの講演に瀬戸さんは心を動かされた。
そこで、「まずは学内の性教育を変えたい」とボランティア活動を企画。友人の福田大治郎さんと本久碧さんにも呼びかけると、海外在住経験のある2人も賛同し、メンバーに加わることに。
本久さんは「海外の性教育とは質や量が全然違う。国民全体の意識の問題なのではないか」と分析する。
「大人も改めて考えて」
今夏にはクラウドファンディングで制作費を募り、痴漢防止キーホルダーを制作。また9月末には札幌市に赴き、高校生に、ディスカッションなどを交えた性教育を実施するなど多方面に活動の幅を拡大している。
瀬戸さんは「現役高校生が話すと、同じ世代が耳を傾けてくれる。僕たちだから伝えられることがある」と話す。その上で、福田さんは「若い人が持つ情報は常に変化する。性教育の教材をどう扱うか、大人も改めて考えてほしい」と訴える。
海外の大学進学を考える3人は今後、国外の性教育の実態調査などにも取り組むという。瀬戸さんは「自分たちの卒業後も、現役高校生の視点で活動してくれる後輩をつくることも目標の1つ」と語った。