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<選ばれない息子>「悔しくないの?」チームメイトとのスキルの差に……母モヤモヤ!【まんが】

ママスタセレクト

写真:ママスタセレクト

私(40代、ナナコ)は、夫(40代、トモヒロ)と小5の長男(ユウキ)、小3の次男(ショウタ)との4人暮らしです。長男は小1のときからクラブチームでサッカーをしています。長男が低学年のときは、同学年はみんな同レベルで半分遊びのように楽しく取り組んでいました。しかし学年が上がるにつれてメンバーのスキルに差ができ、長男はいま、ほぼベンチ要員です。同学年の子たちが自主練もして頑張るなか、長男は自主練しようとしません。

クラブチームには長男と同じ学校の子も何人か在籍していて、タケルくんとマサトくんは同じクラスの友だちでもあります。 自分だけ出られない長男の気持ちを思うと不憫だし、私自身もモヤモヤした気持ちになります。

でもこんな気持ちになるのははじめてではありません。むしろここ最近はずっとこんなふうに、落ち込む日が多いのです。

試合中、レギュラーの親で盛り上がっていても、私はなかに入れません。なんだか自分がいたたまれなくなって、レギュラーの親の集団から離れています。

私だって長男が出ていない試合で優勝しても心底よろこべませんが、長男やほかの親の手前、よろこぶ素ぶりをしているだけです。

大会の翌週、サッカーの練習がない日、長男は帰ってくるなり動画三昧です。

長男の隣で、小3の次男はコーチに教えてもらった筋トレをしています。 次男は野球をしていて、長男とちがって積極的に自主練をするタイプ。チームやプロに憧れの選手がいて「XX選手みたいになりたい!」と練習を頑張っています。

長男がどうなりたいのか、どうしてサッカーを続けているのかさっぱりわかりません。

そして翌日の練習日も冴えない顔で帰ってきました。 タケルくんやマサトくんがレギュラーになってから、毎回こんな感じです。

「こんなふうに言わない方がいい」「人と比べちゃいけない、ましてや長男に一番近い存在と比べるなんて」とわかっていてもつい口から出てしまいます。

長男がやりたいと言ってはじめたサッカー。今も「サッカーが好き」と言いますが、進んで自主練しないのは、なぜなのでしょうか。 大会に出られないと落ち込んだり、悔しがったりするぐらいなら頑張ればいいのにと思ってしまいます。それに、努力してこその楽しさもあると思います。だからこそ、私も時間とお金を費やしてフォローしているのです。息子自身がもっと楽しく取り組むためにも、息子に強くなってほしい私はワガママでしょうか。

非レギュラーだと親の肩身が狭い?ギクッ……私の気持ちを見抜く夫

私が「ぜんぜんうまくならないのよ」と言うと、夫は「本人が楽しんでいるならそれでいいんじゃないの」と言います。でも、レギュラーの子とそうでない長男との差を見ていると、長男が楽しんでいるように思えないのです。

「悔しさだってあるでしょう? 仲良しはみんなレギュラーになったんだから。それなのに自主練もしないし、いったい何を考えているんだろう」私は夫に気持ちをぶつけました。うまくなりたい。負けたくない。そういう気持ちはないのでしょうか。

夫は「たかだか子どもの習い事ぐらいで」といった感じで言ってきました。「私はこんなにも長男のために一生懸命考えているのに!」と言おうとしたら、

夫の言う内容には一理あります。 保護者のなかでいつも肩身のせまい思いをするのはイヤです。長男がレギュラーだったら私自身も楽しめるのに、という気持ちはゼロじゃありません。

熱心な親は、自主練にも付き合うし、練習後にマッサージをしてあげたり、子どもの食事も徹底管理したりとすごいのです。

長男の習い事に付き合っているのだから、私にも何かやりがいがほしい……。もしかしたら私はそう考えているところがあるのかもしれません。

夫は強豪校での野球経験があるので、「俺はいろんな選手を見てきた」とよく言います。親が深く関与して成功した事例もあるけど、そうではない例もたくさん見てきたそうです。結局、プレイするのは子ども自身。親は関与しても、一定の距離感は必ず必要だとも言います。それに「小学生のうちはスポーツを楽しむべき」と夫は言いますが、長男は楽しそうにしていません。 私は親として、長男のために何をすればいいのか答えが出ません。

「続けることも才能!」サッカーを楽しんでいるなら……心境に変化

目下、長男のサッカーへの悩みが晴れない私。会社でのランチどき、先輩にも話を聞いてもらいます。先輩の息子さんはもう成人していますが、学生時はバスケットボールをしていたそうです。

「うちの子はさ、ずっとゆるーくバスケを続けていたけど、正直ぜんぜん上手じゃなかったの」先輩の話は、目からウロコでした。

「でも体育の授業では、ちょっとしたヒーローになれてうれしそうだったな。今も社会人サークルみたいなのに所属してバスケを続けているみたい。好きなことがあるから仕事も頑張れるみたいだし」先輩の話に、そういう楽しみ方もあるんだ、と気づいて私は感動しました。

「そうそう。人生の楽しみとしてサッカーは考えればいいんじゃない? いくつになっても、わが子が楽しそうなのが親としてはうれしいよ」私とは違う視点を持った言葉に、学ぶものが多い話でした。さらに先輩は私の気持ちにも寄り添ってくれます。

確かに「続ける」というのも1つの能力です。私は上達することばかり考えて、長男の頑張りに目を向けていなかったのかもしれません。

「長男が楽しいならそれでいい」とシンプルに割り切ろうと考えなおしました。たとえ親の目に頑張っていないように思えても、本人がやめたくないなら応援しようと気持ちを切り替えていきたいと思っています。

その後、長男の様子は劇的に変わったわけではありません。あいかわらず自主練もほぼやらず、レギュラーにも選ばれていません。でも私が口うるさく言わなくなったからか、楽しそうに帰ってくる日も増えました。私自身も「長男が楽しいなら続ける」とサッカーに対する方針を決めたら、不思議なほど気持ちがラクになりました。 まさか子どもの習い事を通して、こんなにも悩み、私自身も成長の機会をもらうとは思ってもいませんでした。

【長男の気持ち】お母さんうるさい!サッカーが好き、じゃダメなの?

僕は小5のユウキです。家族は、お母さん(40代、ナナコ)とお父さん(40代、トモヒロ)、弟(小3、ショウタ)です。僕は小1のときからクラブチームでサッカーをしています。サッカーを始めた頃、同学年はみんな同レベルで半分遊びのように楽しんでいました。しかし学年が上がるにつれて自主練をしたり、試合の動画を見返したりして、うまくなろうとする同級生が増え、メンバーのスキルに差ができました。僕は今、ほぼベンチ要員です。

同級生のタケルとマサトが選ばれているのに……という残念な気持ちもあります。タケルとマサトも僕と同じときにサッカーをはじめたのに、どうして僕は選ばれないんだろう? とも思います。

僕だって、ベンチでいいやなんて思っていません。それなのにお母さんはイライラした様子で僕にいろいろ言ってきます。

そしたらお母さんは、「だったらもっと練習したら」「ベンチで悔しくないの?」「タケルくんやマサトくんは自主練しているよ」とかイヤなことを言ってきます。そんなの全部わかっているのに。

お母さんが言っていることを聞いていると、苦しくなります。僕だって悔しい。でも、わかってもらえません。

レギュラーには選ばれたいけど、選ばれないからってやめたくありません。小さい頃からやっているし、チームを卒業する6年生まではやり続けたいのです。レギュラーに選ばれないのは悲しいし悔しいけど、それだけでもない。

おまけに、弟と比べたり、弟と同じ野球に挑戦してはどうかとか言ってきます。お母さんは自分がサッカーをしているわけじゃないのに、どうしていろいろ言ってくるのか僕にはわかりません。

僕がレギュラーに選ばれないから心配してくれているのだとも思うけど、苦しくなるからあんまりいろいろ言わないでほしいのです。 コーチたちもお母さんも、友だちの親も、いつも「レギュラーレギュラー」ってうるさいけど、レギュラーのためにサッカーをやっているわけじゃない。

お母さんは「今までいろいろ言いすぎてごめんね」と言ってくれました。毎日のように言われていたお母さんからのレギュラーや自主練の話がなくなると、前みたいな暗い気持ちがなくなりました。スッキリした気持ちで、サッカーをまた楽しめるようになりました。そんな僕を見るお母さんの顔も優しくなったので、うれしいです。 同じ学年の仲間はみんな6年の最後までサッカーをやるって言っているから、僕も頑張ろうって今は思っています。


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