神戸市東灘区は利便性と伝統が調和する街!住民が伝える実際の住みやすさ
神戸市東灘区は、住吉川や岡本梅林公園など自然と文化が調和する人気のエリアです。JR摂津本山駅から神戸駅までは15分、大阪駅までは約30分と良好なアクセスを誇ります。お洒落なカフェや国際色豊かな六甲アイランドなど、多彩な表情をもつエリアです。
私は生粋の神戸っ子で、神戸市中央区から東灘区へ住み替えて15年が経ちました。
本記事ではそんな神戸大好きな私が、実体験をもとに住みやすさの理由やおすすめのスポットを詳しく紹介します。引越しや住み替えを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
神戸市東灘区の基本情報
まずは、神戸市の中でも東灘区はどんな街なのか、基本情報を見てみましょう。
東灘区の基本情報
神戸市東灘区は、多様な魅力をもつ文教地区として知られています。東灘区は六甲山地の南麓から大阪湾まで広がる地形が特徴です。山・川・海がバランスよく共存し、自然に囲まれた環境で、洗練された住宅地として人気があります。
2025年8月15日時点での人口は約21万人で、市内で3番目に多いです。区内にはJR神戸線・阪急神戸線・阪神本線に加え、六甲ライナーが通り、神戸市中心部や大阪方面への移動も快適です。また、白鶴・菊正宗・福寿などの灘の酒蔵や、神戸ファッション美術館といった文化施設も点在しています。駅前にはスーパーや商店街、人気のベーカリーが集まる、暮らしやすさを実感できる街として注目されています。
東灘区の歴史
東灘区は、神戸の中でも歴史が深い地域だったことはご存知でしょうか。
東灘区は縄文時代から人々が暮らしやすい場所として知られ、本庄・北青木・西岡本では遺跡が発見されています。平安時代には源平の戦いが起こりました。江戸時代には酒造業が盛んになり、現在も「灘の生一本」として知られる酒文化が受け継がれています。そしてもうひとつの名物が「だんじり」。華やかな飾り幕に山形の提灯がついた“神戸型”と呼ばれるスタイルで、毎年5月のゴールデンウイークには地域ごとに巡行が行われ、街全体がにぎわいます。
また、文化や教育の土壌が豊かな東灘区は、実は数多くの著名人とゆかりのあるエリアでもあります。
たとえば『細雪』で知られる文豪・谷崎潤一郎は、関東大震災をきっかけに関西に移り住み、魚崎にある「倚松庵」で名作を執筆しました。
さらに、楽天グループの創業者として知られる三木谷浩史さんも、東灘区の出身です。教育熱心な家庭が多い地域で、多くのビジネス界を代表する人物がこの地から育っています。
このほかにも、講道館柔道の創始者・嘉納治五郎や、洋画家の小磯良平など、東灘の空気に影響を受けた偉人は数多くいます。今も昔も、文化と挑戦心を育む地域です。
古い歴史と、今も続く文化が息づく東灘。今の暮らしやすさは、こうした積み重ねがあるからこそなのかもしれません。
神戸市東灘区で暮らす魅力
東灘区に住んだきっかけ・選んだ決め手
私たち夫婦は、生まれも育ちも神戸です。住まいを決めるときも「やっぱり東灘区がいいよね」と自然に話がまとまりました。暮らしてみて改めて感じることは、仕事にも子育てにもぴったりな場所だということです。
まず、仕事面では交通のアクセスが良好です。大阪にも神戸の中心地にも電車でスムーズに出られるため、通勤のストレスがありません。複数路線が使えるのも魅力です。
子育てを見据えて選んだ私にとって、買い物環境や公園の多さや、子育て支援施設の充実ぶりは想像以上でした。日々の買い物も徒歩圏で済み、休日には近くの公園や川でのんびり過ごすのがわが家の定番です。
さらに、灘の酒蔵が並ぶこのエリアは大きな魅力のひとつでしょう。お気に入りの蔵で試飲を楽しんだり、酒蔵併設のレストランで食事をしたりと、夫婦で酒蔵巡りを楽しむ時間も増え、暮らしが豊かになりました。日常にさりげなく“楽しみ”がある街、それが東灘区の魅力です。
東灘区の魅力(1)自然と景観(住吉川・六甲山麓)
都会のすぐそばにありながら、自然の潤いを日常の中で感じられるのが東灘区の大きな魅力です。
区内を流れる二級河川の住吉川は、透き通った水が特徴で、夏には子どもたちが水遊びを楽しむ姿があちこちに見られます。川には、天然記念物のオオサンショウウオも生息し、6月頃には、幻想的なホタルの舞が川沿いをやさしく照らし、季節の風物詩となっています。
北側には六甲山系が広がり、週末に軽いハイキングや森林浴、犬の散歩を楽しむ人の姿も見られます。日常の延長で、すぐに自然とふれあえる距離感がうれしいポイントです。
一方、南側の神戸市東灘区六甲アイランド地域には、ヤシの木が並ぶ「ハワイ公園」など開放感あふれる地域もあり、海風を感じながらゆったり過ごせます。
また、岡本梅林公園やバラ公園では、春や初夏に花々が咲き誇り、四季の彩りを感じながら暮らせるのは、東灘区ならではの魅力です。
東灘区の魅力(2)文化・芸術とスイーツ
東灘区は、日常に文化と芸術が自然に溶け込む街です。神戸ファッション美術館や白鶴美術館、小磯記念美術館など、ジャンルの異なる美術館が点在し、気軽にアートを楽しめます。毎年秋には「神戸東灘アートマンス」が開催され、区内の美術館をめぐる文化イベントとして親しまれています。
さらに、東灘はスイーツとパンの激戦区というもうひとつの顔を持っています。洋菓子文化は阪神間モダニズムの時代に花開き、今も高品質なスイーツ店が数多く並びます。毎年恒例の「神戸ひがしなだスイーツめぐり」では、限定メニューやスタンプラリーなどが楽しめ、子どもから大人までイベントを楽しんでいます。
また、パン好きにはたまらないベーカリーの充実ぶりも東灘の魅力でしょう。岡本や住吉エリアには、素材やメニューにこだわったパン屋さんが多く、週末には家族連れやカップルが朝の散歩がてらお気に入りのパンを買いに訪れる姿が見られます。日常の朝が、少し特別に感じられる街です。
東灘区の魅力(3)伝統と酒蔵
「ほのかに香る酒の風が、街の空気をふんわり包みこむ」そんな風景に出会えるのが、ここ東灘区です。灘五郷の一角をなすこの地域には、今なお複数の老舗酒蔵が息づき、日本文化の1つである日本酒を守り続けています。
たとえば「白鶴酒造資料館」や「櫻正宗記念館」では、酒づくりに使われていた道具の展示や、酒造りの工程を学ぶことができます。試飲も楽しめるので、日本酒好きにはたまらないスポットです。観光だけでなく、地元の人にとっても身近な存在で、週末にふらっと訪れてお土産を選ぶのも楽しみのひとつです。
また、散策するだけでも風情が感じられ、酒造りに適した水と気候を活かした、地域ならではの“文化の香り”が残っています。
さらに、毎年5月に開催される「だんじり祭」では、地域の人々が一丸となって山車を引き、街中が活気にあふれます。絢爛な装飾が施された“神戸型だんじり”が威勢よく練り歩く姿は迫力満点で、見る人の心をぐっとつかみます。
祭りの日には、だんじりの鳴り物が遠くから聴こえてくるだけで、大人も子どもも自然と足を止めて見物に集まり、だんじりの後を一緒に歩くのを楽しみにしているご近所さんも多くいます。地域全体で盛り上がるこのお祭りは、東灘区の大切な風物詩になっています。
神戸市東灘区の生活施設情報
東灘区の公園・レジャースポット
東灘区は文教地区として知られ、子育て世代に人気の高いエリアです。自然とふれあえる公園や、親子で楽しめるレジャースポットも充実しており、日常の遊びから週末のおでかけまで、暮らしの楽しみが広がります。以下が主要な公園・レジャースポットです。
〈東灘区内にある主な公園〉
長子公園
野寄公園
野寄南公園
本山親子遊園
本山北町公園
五反田公園
中野北公園
中野南公園
小寄公園
手水公園
中之町公園
福池公園
川井公園
岡本梅林公園
ハワイ公園
〈東灘区内にある主なレジャースポット〉
東灘図書館
東灘だんじりミュージアム
バラ園
住吉川河川敷
室内型ふわふわドーム
ウォーターパークデカパトス
神戸スーパースタジアム
神戸ファッション美術館
キッズランドUS
サンシャインワーフ神戸
東灘区の街なかには大小さまざまな公園が点在し、子育て世代はもちろん、朝夕にはストレッチや体操を楽しむ大人の姿もよく見かけます。中でも住吉川沿いは、散歩やランニングコースとして人気です。全長約5kmの住吉川ジョギングコースは、幅広い世代に親しまれており、川辺の生きものを眺めながら気軽に運動を楽しめるスポットです。日常の中に自然が寄り添って、心地よい時間が穏やかに流れています。
東灘区の病院
東灘区には、安心して医療を受けられる総合病院が複数あります。
〈東灘区内の主な総合病院〉
甲南医療センター
東神戸病院
宮地病院
住吉川病院
六甲アイランド甲南病院
駅から徒歩圏内の病院が多く、地域に根ざした医療体制が整っています。急な体調不良や検診など、日常的な通院もしやすい環境です。
また、子育て世帯にとってうれしい病児保育施設も充実しています。
〈東灘区内の病児保育施設〉
MolaMola
KupuKupu
かけっこ
KIBOKO YAO
病児保育施設は4箇所あり、保育園や学校に通う子どもが急に熱を出しても、安心して預けられるサポート体制が整っています。共働き家庭にとっては、大きな心の支えとなる環境です。
さらに、小児科の数も充実しており、日常の体調管理から専門的な診療まで対応しやすいのも魅力的です。加えて、神戸市が運営する「東部療育センター」では、子どもの発達や障害に関する相談・診察・リハビリテーションを受けることができ、特性のあるお子さんを育てるご家庭にも安心の支援が整っています。子ども一人ひとりの個性を大切にしながら、のびのびと子育てできる環境が整っているのが東灘区の大きな魅力です。
東灘区の教育施設
東灘区は、子育て世代にとって非常に心強い教育環境が整っている地域です。区内には保育園や幼稚園が約75施設あり、2025年8月現在、待機児童はゼロです。保育の受け入れ体制が充実しており、働く保護者にとっても安心して子どもを預けられる環境が整っています。
また、子育て支援の一環として「おやこふらっとひろば」や「こべっこあそびひろば」など、親子で過ごせる交流の場では、孤立しがちな子育て期をサポートしてくれます。
学齢期には、私立の名門・灘中学校・高校をはじめ、甲南大学、神戸薬科大学、神戸国際大学といった高等教育機関も集まり、文教地区としての側面もあります。地域全体に教育への関心が高い人が多く、学習塾や音楽教室、スポーツクラブなどの習い事施設も豊富にそろっており、子どもたちの個性を伸ばせる機会にあふれています。東灘区は、安心して学び、遊び、成長できる“学びの土壌”がしっかりと根付いた地域です。
神戸市東灘区の住まい事情
東灘区の家賃相場
東灘区では、六甲山系を望む山側か、海沿いのエリアかによって相場に差があります。さらに、神戸三宮や大阪方面へのアクセスがスムーズな駅の近くは、家賃がやや高めになる傾向があります。
〈1R~1DKの家賃相場〉
・東灘区:6.25万円
・灘区:5.78万円
・中央区:6.80万円
一人暮らし、カップル向けの間取りの家賃相場は、近隣の灘区とほぼ同水準ですが、中央区と比較すると、比較的リーズナブルな傾向にあります。
〈2LDK~3LDKの家賃相場〉
・東灘区:13.93万円
・灘区:11.82万円
・中央区:17.15万円
東灘区の2LDK〜3LDKの家賃相場は、近隣の灘区とほぼ同じくらいです。中央区と比べると、かなり手頃な家賃相場となっています。
東灘区の間取り別家賃相場は以下のとおりです。
・ワンルーム:5.86万円
・1K:5.96万円
・1DK:7.13万円
・1LDK:10.80万円
・2LDK:13.93万円
・3LDK:15.03万円
東灘区のエリアの特徴と魅力
ここでは、東灘区のおすすめエリアとその特徴を紹介します。
閑静な住宅街を望むファミリーには岡本・摂津本山駅周辺
神戸市内でも「おしゃれで落ち着いた街」として人気が高いのが、阪急岡本駅とJR摂津本山駅周辺エリアです。石畳の坂道や街路樹の緑が美しいこの界隈は、街全体にゆったりとした空気が流れており、朝夕の散歩を楽しむご夫婦や親子連れの姿もよく見かけます。個人経営のベーカリーやカフェ、雑貨店が点在し、歩くたびに新しい発見があります。
阪急とJRの2駅が徒歩圏内にあるため、通勤・通学の選択肢が広く、大阪方面にも三宮方面にも出やすいのがポイントです。「仕事も子育ても両立しやすい」と話す共働きのご家庭からも支持を集めています。
駅の近くはにぎわいがありながら、一歩奥に入ると閑静な住宅街が広がり、子どもたちが安心して暮らせる環境が整っています。利便性と子育て環境を両立したいファミリーは住吉・魚崎駅周辺
子育ても仕事もどちらも大切にしたいという方に人気なのが、住吉・魚崎エリアです。JR住吉駅と阪神魚崎駅は、六甲ライナーとの接続駅でもあり、海側の六甲アイランド方面へも電車一本でアクセスできます。バリアフリー設備が整っている駅も多く、ベビーカーでの移動も安心です。
周辺には神戸市東灘区役所や東灘図書館と総合病院がコンパクトにまとまっていて、「子どもが急に熱を出してもすぐに対応できる」と、共働き家庭やシニア世代から信頼が厚いです。
また、自然環境も魅力のひとつです。春には住吉川沿いに満開の桜が咲き、川辺の散歩やピクニックを楽しむ親子の姿が見られます。特に住吉川公園は、広々とした芝生や水辺のせせらぎが気持ちよく、小さなお子さんを思いきり遊ばせたいご家族にぴったりのスポットです。
利便性の高い都市機能と、心地よい自然のバランスが取れた住吉・魚崎エリアは、「暮らしやすさ」と「安心感」の両方を求めるファミリーにぴったりの場所です。開放的な暮らしを求める人には六甲アイランド
空と海に癒やされる暮らしがしたいと考えている人におすすめなのが、海上都市・六甲アイランドです。三方を海に囲まれ、視界いっぱいに空が広がるロケーションは、日常にリゾートのような開放感をもたらします。
六甲アイランド内はゆったりとした設計で、歩道も広く、公園や緑地が各所にあります。車道と分離された遊歩道が多いため、小さなお子さんを安心して遊ばせられる環境が整っています。インターナショナルスクールもあるため海外の方もよく見かけます。
また、神戸市が運営する無料のコワーキングスペースが駅直結で利用できるのも大きな魅力です。リモートワークの拠点として活用する人も多く、働く場所に自由度があるのはうれしいポイントでしょう。未就学児がいる家庭には、コワーキングスペースに併設されたキッズルームで、保育士さんによる無料保育サービスもあります。たとえば「午前中の2時間だけ仕事がしたい」といった希望にも柔軟に対応してもらえるため、私もよく利用しています。子どもが安心して過ごせる環境があるのは、親として本当にありがたいです。
神戸市東灘区は、穏やかな時間が流れる上質な暮らしが叶う街
東灘区は、自然と都市のバランスが心地よく、子育てや日常生活を大切にしたい人にとって、安心できる環境が整っています。住吉川の川沿いや六甲山のふもとでは四季の移ろいを感じながら散歩やジョギングができ、日々の暮らしに癒やしと心地よいリズムをもたらしてくれます。
また、交通アクセスも良く、JR・阪急・阪神の3路線が利用できるため、通勤・通学にも便利です。地域にはおしゃれな雰囲気のカフェやパン屋、充実した教育や文化の場が身近にあり、日々の暮らしのなかでちょっとした楽しみや新しい発見に出会えるのも、この街ならではの魅力です。
これから住まいを探す方は、東灘区での暮らしを想像しながら、今回の情報を参考に検討してみてはいかがでしょうか。
この記事では画像に一部PIXTA提供画像を使用しています。