10人の総代がご神体をお戻しする夜。128年ぶりの遷座祭【長崎県壱岐市】
壱岐市芦辺町にある貴船(きふね)神社のご神体をお戻しする遷座祭(せんざさい)が2024年9月24日に行われました。昨年12月に貴船神社の社殿の老朽化により改修工事を開始。貴船神社のご神体は、同じく芦辺町の壱岐神社を仮宮としていました。貴船神社が前回社殿を改築したのが明治28年で、128年ぶりのことでした。
遷座祭はあたりが暗くなった午後7時ごろ開始。神社関係者や宮司らが壱岐神社に集まりました。祝詞(のりと)奏上やお祓(はら)いなどの神事が行われ、いよいよご神体の移動です。
白い衣をまとった宮司を先頭に、神社関係者が松明(たいまつ)を持って明かりを灯し、道を照らします。ご神体は貴船神社と壱岐神社の総代が各5人ずつ計10人でお運びします。ご神体は絹垣(きぬがき)といわれる白い布で覆われているので、どのような形状なのかは周りの人には見えません。ほとんど誰も言葉を発することなく、静かに約400㍍の道のりをお運びになりました。
貴船神社の後藤宮司は「遷座歳を執り行うのは自分自身はじめてのこと。お社(やしろ)が完成し、安心して10月の大祭を催行できます。次世代に引き継いでいきたい」と語り、総代長の木下さんは「この記念すべきときに総代長になれたのも神様のお導き。光栄です」と話しました。
写真はすべて2024年9月24日に筆者が撮影したもの