女子アナ問題で危機的状況のフジテレビの取締役に自称「飲み会は絶対断らない女」が就任していた
フジ・メディア・ホールディングス(以下、フジ・メディアHD)の連結子会社であるフジテレビジョンが、中居正広の女性問題を発端にした一連の騒動で、公益社団法人ACジャパンのCMに差し替えた広告費を広告主に対して請求しない方針であることがわかった。中居正広は1月23日に芸能界引退を表明している。
中居正広の女性問題にはフジテレビの幹部社員が関与しており、またフジテレビに対しては長年にわたって同局の女性アナウンサーを接待要員としてアテンドしてきた疑惑が浮上している。1月17日に緊急会見を開いたフジテレビの港浩一社長は関与を否定するも、トヨタ自動車や日本生命などといったスポンサーがCMを差し止めるなど、同局の対応に厳しい意見が集まっていた。港浩一社長は、社員に向けた説明会で会見は「失敗」だったと釈明したようだ。だが、疑惑を払拭するものとは程遠い内容となり、この会見をきっかけにスポンサー離れは一気に加速、港浩一社長の「失態」を晒しただけの会見となった。
今回、フジテレビジョンは1月分の広告費を請求しない方針を示しているが、今後も請求を控える可能性はある。一般的にテレビCMは一度発注したら、キャンセルや返金はできない不文律がある。電通、博報堂に次ぐ大手広告代理店にかつて所属していたテレビ業界に詳しい関係者は、「発注済みのテレビCMに対して、テレビ局が広告費を請求しないという話はこれまで聞いたことがない。前代未聞ではないか」と話す。フジテレビジョンの2024年3月期決算は、売上高は前年比0.3%増の2382億1900万円で、このうちテレビCMによる売り上げは1473億円だ。月間で平均すると約122億円で、1月分の請求取り消しだけで前年の営業利益54億3300万円は一気に吹き飛ぶ。
また、フジ・メディアHDには総務省の天下り問題も浮上している。2021年に発覚した東北新社による総務省幹部接待問題で大きな批判を浴びた内閣広報官(当時)の山田真貴子氏が、フジ・メディアHDの取締役とフジテレビジョンの社外取締役に昨年6月に就任している。現在は戸籍上の苗字である吉田姓を名乗っているが、自ら「飲み会は絶対断らない女」と名乗っていたあの山田真貴子氏だ。同氏は当時、総務省の所管である東北新社から7万4204円の接待を受けたことが明らかになり辞職、その後もNTTから同様の高額接待を受けていたことが発覚している。
今後、フジテレビは女性アナウンサーではなく、「飲み会は絶対断らない女」というこの天下り役員を接待に同席させてはどうか。冗談はさておき、フジ・メディアHDの大株主であるダルトン・インベストメンツからは「深刻なコーポレートガバナンスの欠陥」だと厳しく指摘しており、コンプライアンス問題や総務省天下り問題、さらにスポンサーの大量離脱など、問題は山積している。