山戸穂乃葉「新鮮な気持ちを忘れないように演じています 」~黒田光輝らも出演する、ミュージカル『魔女の宅急便』東京凱旋公演が開幕
2025年6月19日(木)より新国立劇場 中劇場(東京・初台)にて、ミュージカル『魔女の宅急便』が開幕した。この度、初日公演に先駆け、同日初日前会見&公開ゲネプロが行われた。
ミュージカル『魔女の宅急便』は、原作40周年となる記念すべき年に5度目の上演を迎えるとともに、東京公演に先駆けカンパニー初となる海外公演が実現。毎年世界中から様々なエンターテイメントが集まる一大イベント「マカオ芸術祭」(マカオ政府観光局主催)にて5月16日(金)から18日(日)の3日間、マカオ文化センター 大劇場で全4公演を上演、チケットは全公演ソールドアウトでおよそ4,000人が観劇、全公演でスタンディングオベーションが起こる程の大盛況で幕を閉じた。
そして、ミュージカル『魔女の宅急便』は、マカオ公演の熱狂をそのままに東京公演が開幕。主演のキキ役は2024年公演に引き続き山戸穂乃葉、そしてキキの相手役となるトンボ役には新キャストとして黒田光輝が出演。キキの母であるコキリ役には生田智⼦、キキが居候するコリコの街のパン屋のおかみさんおソノ役は白羽ゆり、おソノの旦那さんフクオ役には、お笑いコンビ「ライセンス」の藤原一裕が、前作に引き続き出演する。そしてキキの父オキノ役は神田恭兵が初挑戦する。
【会見コメント】
■キキ役:山戸穂乃葉
キキを演じるのは2回目ですが、新鮮な気持ちを忘れないように演じています。
おソノさん(白羽ゆり)とも相談して、これまでの決まり事を忘れて演じるようにお稽古しました。
前回から成⻑したのは、舞台に出ていく前に、(お客さんから⾒えない)舞台袖でもお芝居をするようになったところです。例えば、パン屋さんの場面ではパンを売ってみたり、フライングの後の場面では直前までジジとホウキに乗っておいたり、見えない部分でも気持ちを切らさないようにしています。
■トンボ役:黒田光輝
5代目のトンボ役ですがプレッシャーはありません。トンボを演じた先輩方の思いを受け継いで僕らしいトンボを演じられたらと思っています。先輩トンボ役の那須雄登・深田竜生(ACEes)からは「頑張って」と応援のメッセージや「観に行くね」って言ってもらったりしました。いつ観られても恥ずかしくないようにトンボを演じて行きたいと思います。
(那須さんや深田さんが演出家からそれぞれ「歴代1位のトンボ」というお墨付きをもらったことに対して)演出家さんにはマカオ公演終了後に「黒ちゃんは一生やっていける!」と言われました。トンボは毎回パワーアップしていて、これまでの要素も引き継ぎながらも、その人なりのトンボを演じてきて「みんなが歴代1位」とおっしゃっていました。僕も⾃信を持って「歴代1位」だと思ってトンボを演じます。
■おソノ役:白羽ゆり
8年前の初演から藤原さんと夫婦役ということで、ほかの作品にはない感慨深さと安心感の中で演じさせていただいています。
これまでキキを演じた皆さんは、ほとんどがミュージカル『魔女の宅急便』が初舞台だったので、慣れないながら必死に役と向き合っていらっしゃいました。そんな彼⼥たちのピュアな姿を見ていて、先輩として導き見守りたいという思いがあり、その気持ちが自然とおソノさんの役作りにつながっていると思います。今回、穂乃葉ちゃんはキキ役としては初めて2回⽬の出演となるのですが、稽古では相変わらずピュアでまっすぐです。その純粋さにうたれて、役者人生で初めて稽古中に歌えなくなってしまったんです。キキが寝ているシーンで穂乃葉ちゃんが涙を流していて、それを見て思わず私も思わずもらい泣きをしてしまい初めて歌えなくなってしまいました。そのくらい私たち大人も心を動かされる作品になっているとおもいます。
■コキリ(キキのお⺟さん)役:生田智⼦
穂乃葉ちゃんとは⼀年ぶりの共演ですが、ものすごい成⻑を感じています。去年初めて会ったときはまだ高校生になりたてで、しかも初めての舞台だったこともあり心配していました。それでも、かわいらしく堂々と演じきっていましたが、今回はその何倍もキキになりきって、キキの思いを伝える芝居をしていると思います。私も毎回新鮮な気持ちで親⼦を演じられていますが、少しお芝居に変化を加えてもしっかりとお芝居で返してくれるので、とても心強いなと思い私も演じています。本当に毎回新たな発見があるので是非観に
来ていただきたいと思っています。
■フクオ(おソノさんの旦那さん)役:藤原⼀裕(ライセンス)
(公演中、セリフは咳払い1回だけという、しゃべらない男フクオを演じていることに関して)僕は新国⽴劇場に“咳払い”だけで⽴ち続けている男です!初演から8年、セリフが⼀⾔もなく咳払いだけの役なのでギネスにもうそろそろ申請してもいいんじゃないでしょうか(笑)もう、ここまで来たらしゃべりたくない、変にしゃべって滑るのはいやですから!
フクオはキキとトンボを見守るような役ですが、この2人のコンビネーションも世界観もとても合っています。
これは毎回⾔ってます(笑)ただ2人は、肝の据わり方が過去イチすごい!初めての海外公演だったマカオ公演も全然緊張しているようには見えず常に堂々としていて、本当に大物感を感じさせます。でも実は、、黒田くんは稽古場で小さい虫が肩にとまっただけでギャーーー!って大騒ぎしている男なんです(笑)。黒田君が「肝の据わった男」か「小さい虫でビビる小さい男」なのか、公演を観に来ていただければ分かるかと思います!
■オキノ(キキのお父さん)役:神田恭兵
このカンパニーには初参加で、僕自身、父親役を演じるのも初めて、本当に初めて尽くしです。長年築き上げられてきた「家族のようなカンパニー」の中に入って、稽古では右も左もわからないような状態でオキノという父親像を模索し、本当に皆さんに育ててもらっていることを実感する日々でした。公演を通してオキノという役がどう変わっていくのか自分でも楽しみですし、舞台上でその瞬間を味わっていきたいとおもいます。