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リタイア後に「投資できる金額」の見極め方【60歳からの賢い投資術をFPが解説】

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リタイア後に「投資できる金額」の見極め方【60歳からの賢い投資術をFPが解説】



「貯蓄から投資へ」という流れの中で、60代になり「お金の貯め方・増やし方」だけでなく「賢い運用法」に悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。書籍『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』(KADOKAWA)は、そんなシニア世代に向けた一冊。ライフプランニングと投資に精通した著者が、これからの時代に合った資産運用、年金の最適な受け取り方、そして大切な資産を長持ちさせるための「取り崩し方」を分かりやすく解説します。単に増やすだけでなく、人生を豊かにするための「賢いお金の回し方」のバランスを見つけるヒントが満載です。セカンドライフを安心して、そしてより豊かに過ごすために、ぜひご一読ください。


※本記事は横田 健一(著)による書籍『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』から一部抜粋・編集しました。


リタイア後に投資できるお金を見極める


リタイア後はお金を改めて四つに分ける


リタイア後は改めて資金を分類します。なぜなら、収入の柱が勤労収入から年金収入に変わることで、確保しておくお金も変化するからです。


65歳でのリタイアを想定すると、65歳以降のお金の分け方は、下の図のようになります。



「ふだん使うお金(日常生活費)」「使うかもしれないお金(医療・介護準備金)」「プールしておくお金(ダム資金)」「運用し続けるお金」 です。


「ふだん使うお金」は現役時代と同じですが、ほかの三つは変わります。


現役時代にはとっておくお金(生活防衛資金)がありましたが、リタイアすると、その必要はなくなります。病気やけがなどで休養しても年金は受け取ることができ、収入には影響しないからです。


とはいえ、介護や医療でお金がかかりやすい年齢にさしかかっているので、その分は「使うかもしれないお金(医療・介護準備金)」として用意します。車の買い替えや自宅リフォームなど、今後20年ぐらいに使う可能性があるお金の一部もキープします。


三つ目は「プールしておくお金(ダム資金)」です。これは生活費やゆとり費として使っていくお金で、運用資産から定期的に取り崩していく金額の5年分程度を確保しておきます。


そして、以上三つを確保した残りが、四つ目の「運用し続けるお金(運用資産)」です。


四つに分けるのも意外と難しいものです。年間生活費を把握していなければ、ふだん使うお金や「プールしておくお金」がいくらあればいいかがわからないからです。またリタイアすると基本生活費も変わってきます。それも踏まえて年間支出がどれぐらいなのかを把握し、1.5カ月分程度を「ふだん使うお金」として現金や預貯金にしておきます。


また、「プールしておくお金」や「運用し続けるお金」をいくらにするか、その考え方についてはのちほど説明します。


では、お金を四つに分けるポイントをみていきましょう。



【リタイア後のお金】ふだん使うお金


リタイア後は生活費が減るもの


一般的に生活費は高齢になるほど下がっていきます。現役時代と同じ額がかかる想定をしてしまうと、過度に見積もることになり、結局は使い残す、ということにもなりかねません。


現役引退すると交際費が減るといわれています。スーツも買う必要がなくなりますし、ランチ代も削減できます。具体的にリタイア後の生活をイメージしてみてください。


リタイア後は大手キャリアから格安SIMにして通信費を月数千円節約するなど、影響のない範囲、ストレスにならない内容で、支出を見直してみるのもよいと思います。


ここでは簡易的に60歳時点より1割程度減る想定をしておきましょう。


たとえば60歳時点で生活費が30万円なら、リタイア後は27万円で、「ふだん使うお金」は約41万円(1.5カ月分)、となります。



・本書の記載内容は、2025年4月時点の情報に基づいています。
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