区長×工業会×横浜信用金庫 官民連携や区の未来語る 三者鼎談で交流深める
神奈川区役所と神奈川工業会、横浜信用金庫による鼎談が9月11日に行われた。工業会は来年度に80周年、神奈川区は2027年に区制100周年を迎える。節目に向けて、地域貢献のための連携をさらに深めようと企画。各区工業会とも親密な連携を取り、様々な地域貢献活動も行う横浜信用金庫を交えて、「神奈川区の未来」について、意見を交わした。
80周年と100周年
--神奈川工業会について。
桐ケ谷修幸神奈川工業会会長(以下桐ケ谷)「神奈川工業会は、戦後の京浜工業地帯の復興を目指し発足。横浜市内で一番歴史のある工業会で昭和35年に『神奈川工業会』の名になりました。
当初は製造業が中心でしたが、現在は、多様な業種が揃います。青年部を中心に若返りも進め、クリーン大作戦などの地域活動も実施。『会員同士の力を合わせてお互いが繁栄し、地域社会の発展に寄与する』をモットーに地域とともに歩んできました」
目黒豊横浜信用金庫営業統括部地域連携課マネージャー(以下目黒)「神奈川工業会は大口支店に事務所を設置。市内11の工業会のうち6つが事務局を置いてもらって、長く深く連携させてもらっています」
--区長に就任して半年。神奈川区の印象は。
鈴木茂久神奈川区長(以下鈴木)「京浜工業地帯に加え、都市部や商店街、緑の多いエリアなど特色豊か。21の連合町内会や商店街、工業会等の活動が活発で、多くの方々の支えでまちづくりが成り立っていると実感しています。区政運営方針『笑顔でつながる神奈川区』のとおり、いろいろなつながりを大切にしていきたいです」
--工業会と区政の、つながりについては。
鈴木「まちのにぎわいづくりが一つ。また、すでに協力いただいている街の美化も一緒にやっていきたいです。あとは、防災。区民や来街者を守るために、地元企業との連携は必要だと思っています」
桐ケ谷「マナー違反一掃作戦など、会としてだけでなく、企業単位での参加も増えています。
また、臨海部が一般住居も増えて、まちが昔と大きく変化しています。今後のまちづくりにおいても、工業会として何か力になれることがあれば、一緒にやっていきたいですね」
鈴木「地元に住んでいる人や働いている人の協力は不可欠。地域からの声や要望はいつでもお聞かせください」
桐ケ谷/「ものづくり企業では人材不足が課題です。一方、若者や女性の働き口の課題もあります。身近な地域で働きたいという人とつながる機会をつくりたいです」
鈴木「就労支援などの仕組みと連携することはできると思います。これまで福祉と経済は別のイメージでしたが、今後は分野を超えて連携していくことが必要ですね」
--2027年に神奈GREEN×EXPOも開催されます。
鈴木「EXPOの勢いをうまく区制100周年につなげていきたい。工業会をはじめ、地域の方々と一緒に盛り上げたいですね」
桐ケ谷「工業会としても何かお役に立てることがあれば、全力で応援させていただきます」
脱炭素や社会福祉
--脱炭素の取組について、これからできることは。
目黒「LEDの導入など身近な省エネ活動で取得できる『脱炭素取組宣言』(横浜市の制度)などもある。まずは、意識を持つことから始めてもらえれば。横浜信用金庫では、IDEC横浜・横浜市信用保証協会と連携した企業向けセミナーも行っています」
鈴木「工業会の企業が取り組んでいることを子どもたちに知ってもらえるように、出張授業など、学校教育とも連動できれば嬉しいですね」
桐ケ谷「子どもたちとの関わりは大歓迎。工場見学など、一緒にできることがあれば進めていきたいですね」
--社会福祉の取組については。
目黒「横浜信用金庫では、横浜市社会福祉協議会とも協定を結んでいる。地域全体で福祉を支えていくことが重要ですね」
桐ケ谷「工業会でも社会福祉施設の見学や障害者雇用について話し合っている。少しづつ形にしていきたいですね」
鈴木「『誰一人取り残さない』ために、経済・社会・環境のバランスを取り、いろいろなつながりを大切にしていきたいですね。
区民のつながりの集大成である『区民まつり』がもうすぐ開催されます。地域一体で楽しみたいですね」