【4/25OPEN】青紅葉に包まれて心も整う、今熊野観音寺の茶所『閑坐』<京都市東山区>
こんにちは、デジスタイル京都のエンドウです。
新緑が気持ちいい季節になってきましたね〜。
東福寺の紅葉といえば京都を代表する絶景スポットとして有名ですが、そのすぐ近くに、知る人ぞ知る『紅葉の穴場』があるのをご存じでしょうか?
今回ご紹介するのは、今熊野観音寺の敷地内に、新しくオープンした茶所『閑坐(かんざ)』。
喧騒を離れ、自然の中でただ静かに、自分と向き合う時間。
今回は、内覧会での様子とともに、建物に込められた想いをたっぷりとレポートします。
■禅語から名づけられた『閑坐(かんざ)』とは?
「閑坐聴松風(かんざして、しょうふうをきく)」という禅語を、ご存じでしょうか?
「静かに座って、松の風の音を聴く」という意味をもつこの言葉が、茶所『閑坐』の名前の由来です。
「ここでは街の喧騒を忘れ、鳥の声や木々のさざめきに身をゆだねてほしい」
そんなお寺の方の想いが込められています。
紅葉の名所・東福寺にほど近い『今熊野観音寺』は、平安時代からの歴史をもつ寺院。
かつて参拝者の休憩所として使われていた建物は、昭和52年に建てられたもの。
長らく閉鎖されていましたが、世代交代を機に、約20年ぶりに息を吹き返しました。
■青紅葉と水面鏡に包まれる、開放的な茶室
再オープンにあたっては、空間全体を改修。
床はコンクリートから、ぬくもりのある漆塗りの板張りに。
新たに設置された『水面鏡(すいめんきょう)』には青紅葉が静かに映り込み、まるで宙に浮かぶような幻想的な景色が広がります。
紅葉といえば秋を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実は初夏の青紅葉こそ、自然の静けさを最も美しく映し出してくれる季節なのです。
■お抹茶と季節のお菓子。静寂とともに味わうひととき
『閑坐』では、拝観志納料(2,000円)を納めることで、茶所での滞在とお札、お抹茶・お菓子の提供を受けられます。
お茶を点ててくださったのは、裏千家の准教授でもある店主さん。
使用されているのは、福寿園の上質な御抹茶『青仁乃白(せいじんのしろ)』です。
お菓子は日によって異なり、この日はなんと手作りの生菓子が登場!
ふんわりとした甘さが、静かな空間と相まって、心をそっとほぐしてくれました。
■建物にも感じる、世代を越えた『手のあと』
室内に描かれた紅葉の絵は、昨年の紅葉を型取りし、京都の美大生が仕上げたもの。
炊事場の壁には、伝統的な「火灯窓(かとうまど)」の意匠を現代風にアレンジして取り入れています。
「伝統を守りながら、今の人たちが楽しめる場所にしたい」
そう話す店主さんの言葉から、この茶所がただの『再開』ではなく、『新しい挑戦』であることが伝わってきました。
■静けさを届けたい。広がる可能性とこれから
茶所『閑坐』は現在、予約なしで利用可能。
開館時間は《10:00〜16:00(15:30最終受付)》です。
今後はイベント利用や地域との連携も視野に入れており、スペースを使いたいという相談も歓迎しているそう。
気になる方はぜひお気軽に、問い合わせをしてみてくださいね。
また、公式Instagramでは最新の情報や美しい風景が更新されています。
→ @kanza_kannonji
■京都にまだ、こんな静けさがあったなんて
「今熊野観音寺には『静かに自然や自分と向き合える場所』があるんだということを、多くの方に知ってほしいです。
心を静かにすれば、普段は気づかない『自分の声』にも耳を傾けられるかもしれません。」
そんな店主さんの言葉に、深くうなずきながら茶所を後にしました。
もしあなたが、
せわしない日々にちょっと疲れていたり、
SNSで話題のスポットに少し距離を感じていたり、
静かに心を整えたいと思っていたなら…
この『閑坐』は、きっと心に残るひとときをくれるはずです。
もうすぐゴールデンウィーク。
穏やかな自然に包まれて、自分自身を見つめ直す時間を過ごしてみませんか?
■スポット情報
店舗名:今熊野観音寺 茶所『閑坐』
住所:〒605-0977 京都市東山区泉涌寺山内町32
電話番号:090-4011-8170
営業時間:10:00~16:00(15:30最終受付)