猫が急に『爪とぎをバリバリ』始めたら…ストレスサイン?考えられる3つの理由
1.飼い主の注意を引こうとしている
猫は一見クールに見えて、実は人の感情を読むのが得意です。
たとえば、飼い主がスマホばかり見ているときや、かまってくれないとき、「ねえ、もっと遊んでよ!」とばかりにバリバリと爪をとぐことがあります。
猫用の爪とぎではなく、いつもは爪とぎしない場所で突然行う場合は、「わざと」の可能性も考えられます。
飼い主さんの見えるところの壁やソファーなどで爪とぎをすることで、飼い主さんの注目を集められると学習してしまっているのかもしれません。
対策としては、悪さをしているときに反応しないことを意識しましょう。そして普段から、猫に合った遊び時間を確保してあげることが大切です。
2.環境の変化に不安を感じている
猫は環境のちょっとした変化にとても敏感です。引っ越しや模様替え、新しい家具が増えただけでも「ここは本当に安全?」と不安になり、急に爪とぎを始めたくなります。
爪とぎは猫にとって、気持ちを落ち着かせる「自分なりのストレス解消法」です。安心できるニオイを残す目的もあるので、「ここは自分のテリトリー」ということを感じて自信を取り戻そうとしている場合があります。
もし急に爪とぎの回数が増えたら、最近の生活環境を振り返ってみましょう。「カーテンや家具の位置を変えた」「ここ最近来客が多かった」などの思い当たることがあるかもしれません。
3.爪や体調の変化によるもの
猫が頻繁に爪とぎをするのは、健康チェックのサインでもあります。
古い爪を落として新しい爪を出すために爪とぎは必要ですが、急に執拗になった場合は「爪に違和感がある」「痛い」「何かがひっかかる」と感じている可能性もあるでしょう。
猫は、運動不足などの何らかの原因で爪が変形したり違和感を感じると、自分でも気になって何度もとごうとします。たとえば、人間がささくれや爪の引っかかりが気になって、つい触ってしまうのと似ています。
一度、爪の状態を観察してみて、伸びすぎていないか、割れていないかチェックしてみましょう。少しでも不安があれば、動物病院で診てもらうのが安心です。
まとめ
猫が突然バリバリと爪をとぐようになったとき、それはただの困った行動ではなく、「ストレスサイン」かもしれません。
「飼い主へのアピール」「環境への不安」「身体の違和感」といった理由があり、猫なりのSOSのようなものです。だからこそ怒る前に、「どうしたの?」と気持ちに寄り添ってあげることが大切になります。
愛猫との信頼関係を深めるためにも、ちょっとした変化を見逃さず、猫との毎日を快適に過ごせる環境を作ってあげたいですね。
(獣医師監修:葛野莉奈)