新しい橋は「上長瀬大橋」 橋名板を地区唯一の小学生が揮毫 名張市
三重県名張市上長瀬の国道368号のバイパス工事に伴って架け替えられた、名張川に架かる新しい橋の名前が「上長瀬大橋」に決まった。5月17日に命名式があり、地区に住む唯一の小学生が揮毫した橋名板が取り付けられた。
県伊賀建設事務所によると、国道368号は上長瀬地区で幅員約5メートルの狭く見通しが悪い区間があり、車のすれ違いが困難だった。2007年に事業化された同市長瀬から上長瀬まで2キロ区間の2車線化の中で、上長瀬でのパイパス工事が計画された。
橋の架け替えは、バイパス工事の一環。1927(昭和2)年の完成から90年以上が経って老朽化し、車の通行ができなかったつり橋「昭和橋」(全長33・4メートル、幅1・8メートル)を2021年に撤去した後、全長49メートル、幅約10メートルの鋼橋が建設された。
架け替えに関する工事費は、昭和橋の撤去を含めて約4・8億円。橋の名前は、地区住民が話し合って決めたという。
雨の中で開かれた命名式には、行政関係者や地区住民ら約30人が出席。揮毫した真鍮(しんちゅう)製の橋名板を自ら取り付けた市立比奈知小6年の羽後里美さん(11)は「字は何度も書き直した。ずっと残るのがうれしい」と話し、上長瀬区の羽後秀喜区長(70)は「橋ができたことで、工事の進捗が早まるとありがたい」と期待した。
事業区間のうち1・1キロ区間は供用済みで、今後はもう1か所の橋の建設を含む0・9キロ区間の工事を進める。事業の完了時期は未定で、上長瀬大橋は当面、工事用の道路として使われる。
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