水分補給にも注意が必要!?ペットボトル症候群とは
この暑さで呼びかけられているのが、水分補給。人のカラダは、汗をかいて血液の中の水分が減少すると、体内で、カラダに支障を来さないようにいろんな調整が行われます。ただ、水分補給を行わないと、脱水で血液うまく循環せず、酸素や栄養素の運搬ができなかったり、体温調節にもうまくできず、熱中症を起こすことがあります。
ですので、水分補給はカラダにとってとても重要!!
その水分補給の時に注意してほしいのが、「ペットボトル症候群」です。
水分補給が重
要だからと言って、手あたり次第飲んでいいわけではないようで、飲み物の中には、脱水症状や糖質疲労を招き、体に大きなダメージを与えるものもあるそう。それをペットボトル症候群というそうなんですが、詳しいお話を、火曜日の月イチレギュラー、きょうも「スーさんコレいいよ」のコーナーにご出演頂く医療ジャーナリストで医師の森田豊さんに伺いました。
ペットボトル症候群とは?
ペットボトル症候群とは、甘い飲み物を大量に飲むことによって起きる「急激な血糖値の上昇」=急性の糖尿病の状態のことです。どんな人に起こるのか? 特に10代から30代の若い年代に多く見られ、肥満傾向にある方、あるいは血糖値がもともと高い傾向にある方に発症のリスクが高いとされています。
ペットボトル症候群の原因は?
ペットボトル症候群の原因ですがジュース、スポーツドリンク、炭酸飲料、甘い紅茶やコーヒーなどの飲み物を多く摂取することが原因。特に、夏の暑さが厳しい今、ブドウ糖、砂糖が多く含まれている飲み物を多く摂取する時に、発症しやすい。
多くのブドウ糖、砂糖が含まれている飲み物は、体に吸収され、血糖値が急上昇し高血糖の状態になります。高血糖の状態が続くと、インスリンという血糖値を下げるホルモンが、膵臓から分泌されます。ただ、あまりにも高い血糖値が続くと、インスリンが働きにくくなり、高い血糖値は改善されず、むしろさらに、高血糖を引き起こしてしまう。これがひどくなると意識障害や昏睡を引き起こすと。
ペットボトル症候群の予防方法は?
では、どうやって予防すればいいのか。
脱水傾向にある場合には、糖分を含む経口補水液の摂取が重要ですが、普段の水分補給には、糖分を多く含む飲み物は避けるようにして、水やお茶など糖分の含まれていない飲み物を選ぶことが大切です。というのも、カラダは「呼吸」や「尿」、「肌からの水分蒸発」によって、1日に失われる水分がおよそ2.5リットル程度あるそう。また、汗をかいた場合にはさらに多くの水分が失われるので、食事からおよそ1.5リットル、飲み物からおよそ1.5リットルの水分を摂る必要が。1日3食、通常の食事をしていればおよそ1.5リットルの水分が含まれることになる。
森田先生もこの1日3食の食事が重要だと、強く推してらっしゃいました。
水分補給のポイントは?
最後に水分補給のポイントについて。
・喉が渇きを感じたときは、すでに脱水になりつつあると考えられています。
・ですので、できたら時間を決めてこまめに水分を補給することが大切。
・のどが渇く前に飲むことで、多量の水分をとることを避けることができ、ペットボトル症候群の予防にもつながります。
また、アルコールを控えることも重要。
・アルコールには利尿作用があり、体の水分を外に出してしまう働きがあります。
・お酒を飲む際、あるいは飲んだ後には、お水などでしっかり水分補給をしてほしいと。
・コーヒーなどのカフェイン飲料にも利尿作用が報告されていますが、
・普段から飲みなれている人であれば、基本的には問題なく、
カフェイン耐性というものができているので、利尿作用はほとんど問題ならないです。
そしてスポーツドリンクの選び方。
・汗をたくさんかいたり、脱水になりつつある場合には、塩分の含まれているものを取りましょう。
・そうでない場合には、塩分が少ないものが基本です。
・そのほか、糖分に関しては、ペットボトル症候群の予防という点から、過剰に取り過ぎないように注意が必要です。
みなさんも、「ペットボトル症候群」にならないように気を付けながら水分補給してください。
(取材:TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』)