相模原市で百日せき感染報告が過去6年で最多に 国立感染症研究所が耐性株を警戒
全国的に流行している百日せきの感染者が、相模原市内で5週連続で報告された。相模原市感染症情報センターが5月9日に発表した感染症週報によると、2025年第14週(3月31日〜4月6日)に2人、第15週(4月7日〜13日)に1人、第16週(4月14日〜20日)に4人、第17週(4月21日〜27日)に2人、第18週(4月28日〜5月4日)に2人の感染報告があり、第18週の時点で市内の百日せきの報告数は過去6年間で最多となった。
乳幼児は重症化リスクあり死亡例も
百日せきは、百日せき菌によって引き起こされる急性の気道感染症。けいれん性のせきが特徴で飛沫感染によって感染する。小児に多いとされるが、成人でも報告がある。特に乳幼児の場合、せきによって呼吸困難を引き起こし、チアノーゼやけいれんを起こすことがある。窒息や肺炎などの合併症が致命的となる場合もあり、4月には東京都で生後1カ月の乳児の死亡例が報告された。
百日せきの予防にはワクチンが有効で、予防接種法に基づく定期予防接種が行われている。
全国的な流行の背景に薬剤耐性株か
今年、百日せきが全国的に流行している要因の一つとして、薬に対する耐性を持つ百日せき菌の出現が考えられている。国立感染症研究所による4月22日時点の発表では、百日せきの治療に一般的に使用されるマクロライド系抗菌薬の耐性株が24年に国内で報告されており、流行、増加の可能性があるとしている。
同センターでは「手洗いやせきエチケットなどの感染症対策を徹底するとともに、予防接種を適切に受けることが重要」と呼び掛けている。