前田公輝、韓国で社会現象を起こした『ミセン』世界初ミュージカルで主演を務める想いを明かす「歌詞を読むだけでも泣ける」
2025年1月10日(金)~14日(火)に大阪の新歌舞伎座にて世界初演となる、韓国発『未生(ミセン)』の初ミュージカル作品『ミセン』。主演を務める前田公輝による取材会のオフィシャルレポートが到着したので紹介する。
韓国のウェブコミックで累計300万部の大ヒットを記録し、ドラマ版はその年の韓国ドラマ賞を総なめ、「ミセンシンドローム」と呼ばれるほどの社会現象を起こした『未生(ミセン)』。このたび、ホリプロ×韓国のクリエイター陣によりオリジナルミュージカル化され、2025年1月に大阪・新歌舞伎座で世界初演の幕を開ける。
子供の頃から囲碁のプロ棋士になることを目指してきたものの、その夢を諦め、キャリアも技能もないまま知人の紹介で大手貿易会社「ワン・インターナショナル」のインターンシップに参加することとなる主人公のチャン・グレ。演じるのは、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』や日本テレビ系連続ドラマ『私をもらって』に主演中の前田公輝だ。ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(2021年)、ミュージカル『スリル・ミー』(2023年)に続き、3作目のミュージカル作品にして初の主演を務める。
配属先の営業3課の上司であるオ・サンシク課長の指導の下、自分の経験や囲碁で培った戦略的思考を応用し、少しずつ成果を上げていくグレ。「僕は割と感情が表情に出る方ですが、グレは囲碁という勝負の世界で生きてきたこともあって、あまり感情を表に出しません。でも、ミュージカルでは、グレの内に秘めた思いを歌に乗せて、情熱的に歌い上げるシーンもあるかもしれません。それは『ミセン』の実写化作品のなかではすごく新しいと思います」。
オ課長を演じるのは橋本じゅん。「橋本さんは一緒に取材も受けました。もう、オ課長が怒るシーンとか、橋本さんの姿が想像できますよね(笑)」と期待感を膨らませる。また、グレの母とオ課長の同期ソン・ジヨン次長の2役を演じる安蘭けいともラジオで共演した。「ラジオは30分くらいでしたが、そのときすでに親子のような関係性も垣間見られたので、今後が楽しみです」。
清水くるみ、内海啓貴、糸川耀士郎、中井智彦、あべこうじ、東山光明、石川禅がメインキャストに名を連ねる。稽古はこれから本格的に始まる。「稽古と公演を通じて、プライベートでも出演者の間でワン・インターナショナルのようなチームが出来上がったらすごく素敵だなと思います」と笑顔を見せた。
台本を読んだ時点で泣いたと明かす。「その時、歌詞もセリフとして読んだのですが、それでも泣けるというのは、やっぱりミュージカル『ミセン』が魅力的な作品で、心に訴えかけるメッセージがあるからだと思います。これまでいろんな作品に出させていただきましたが、台本を読み終わったとき初めて、じわじわと余韻に浸るような温かい感覚が生まれてきました。その感覚を主演として体現できるよう、また、(碁盤の石が完全に生かされている状態である)「ワンセン(完生)」に近づけられるよう頑張りたいと思います」。
聞き手・文=岩本 和子 撮影=髙村 直希
新歌舞伎座での公演ののち、2月1日(土)~2日(日)に愛知県芸術劇場大ホール、2月6日(木)~2月11日(火・祝)に東京のめぐろパーシモンホール 大ホールでも上演。チケットはイープラスにて販売中。