2025年度から、神戸市内の「保育所・認定こども園」は原則として『新設なし』。保育需要の減少により
神戸市は2025年度から、公私立を問わず、原則として保育所や認定こども園の新設を認めないという考えを明らかにしました。
市は「就学前の児童数」や「保育利用の希望率」を利用して「保育の量の見込み」というのを毎年推計していますが、その数字が2025年度には前年度の実績を下回り、さらに2029年度まで減少し続ける見通しなんだそう。
認定こども園の普及などで待機児童解消を目指す「子ども・子育て支援新制度」が始まったのは2015年度。それ以降、保育需要が減少傾向を見せるのは初めてのことです。
保育利用希望者の数は、育児をしながら働く女性が増えたことを背景にして、2015年度から2020年度まで毎年1000人ほど増え続けました。その後2021年度からは横ばいとなり、2024年度は3万490人に。
市が将来的な保育需要を試算したところ、2025年度の保育利用者は3万144人となり、初めて前年度を下回る結果となったそう。さらに2029年度には約2万8千人と、減少していく見込みです。
これまでは保育需要の増加に伴い、民間施設の新設や幼稚園の認定こども園への移行で保育定員を拡大してきた神戸市ですが、今後は利用定員が「量の見込み」を上回ることから、新たな施設整備は計画しないという方針を決めたみたい。
ただし、大規模マンションの建設や大規模住宅の開発などによって保育需要が激増するなど、局所的に新たな保育ニーズに対応する必要がある場合や、経済動向などにより保育ニーズが大きく変動する場合などは、その影響を十分検証のうえで柔軟な対応が行われます。
特に、保育ニーズの高い年齢層(1~2歳)については、定員を維持するとともに、必要に応じて定員にある程度の融通を利かせることで受け入れに努めるとのこと。
これまで同様、幼稚園から認定こども園への移行には対応していくそうですよ。
既に空きの多い市立幼稚園については再編も協議されていて、2028年度末までに32園のうち13園を閉じることが決定済み。
これまで保育の受け皿確保のために施設の整備が推し進められてきましたが、今後は少子化などの影響によって流れが変わっていきそうです。