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安全をファッションに!反射材を広める逆転の発想

TBSラジオ

11月も後半に入って、すっかり日が暮れるのが早くなりました。暗くなると危ないのが、「歩行者」と「車」の事故ですが、そうした事故を防止するためのイベントが、週末、千葉の成田市で行われたので行ってきました。

いまの服装の「見えやすさ」をチェック

この取り組みを全国で展開している、JA共済連の農業地域活動支援部、和泉 崇之さんに伺いました。

JA共済連・農業地域活動支援部 和泉 崇之さん

体験者の方には、写真を撮っていただきます。その日の服装と、反射材をつけた、2パターンの写真を撮らせていただきます。

昼、夕方、夜間のそれぞれで、「ドライバーからどのようにその方が見えるか」というのをシステムの方で解析をして、服装の見やすさを診断できる。

実際、暗闇って見えない、本当にどこにいるかわからないんですよね。だから「見えにくいんだろうな」とは思いつつも、「ほぼ見えてない」っていうのが改めて見えるので、実際に画像を見ていただくと、「これはちょっと危ないよね」っていう感想を持たれる人が多いですかね。

<JR共済連が全国で実施している、服装“見えやすさ”診断「見えチェック」>

簡単にいうと写真撮影なんですが、まずは「普段着」でパシャリ。つづいて「反射材のベスト」を着用してパシャリ。この2種類の恰好がドライバーからどう見えているのか、その場で、時間帯ごとの合成写真を作って、教えてくれます。

<グリーンバックで撮影して、あとで景色と合成してくれます>

<時間帯によって見え方が変わることがわかります>

「反射材アリ」の状態はバッチリ見えますが、「反射材ナシ」だと真っ黒のジャンパーを着ていたこともあって暗闇に溶け込んでしまいました。

ただ、事故が起こりやすいのは、真っ暗な「夜」よりも、薄暗くなってくる「夕暮れ時」。クルマの側は、ライトを付けるか付けないか判断に迷う時間帯。いまの時期は、夕方4時すぎにはライトを付けておきたいところですが、全部のクルマが点灯しているわけではありません。

眩しすぎる?オーロラに光る服

やはり自分の身を守るためにも、明るめの服装を着たり、「反射材」をつけるのが効果的ですが、そうした中でアパレル業界が注目する「オーロラに光る服」が開発されたそうです。福井県の素材メーカー、 株式会社 丸仁(まるじん)の代表、雨森 研悟さんに伺いました。

株式会社 丸仁・代表 雨森 研悟さん

「オーロラリフレクター」っていう商品があるんですけど、通常は反射材っていうと、「白く」光るんですよ。でも僕らの作ってるオーラリフレクターは、オーロラみたいに「虹色」に光るといいますか、もうギラギラになっちゃう。

例えば僕ら福井県なんで、夜とか、本当に真っ暗なところが多いんですけど、車から見ると、その人はめちゃくちゃ光って見えるという商品なります。

普段皆さんが着られるようなパーカーだったりとか、レインウェアとかそういうやつが、全部光るものになってたりとか。それ着てるだけでも本当に200メーターぐらいだったら普通に見えちゃうと思います。

もともと、スポーツのユニホームなどに文字やマークを貼り付ける「転写」を得意とする会社ですが、「反射材」の研究も長年続けてきた中で、オーロラに光る服を開発。特許も取得しています。

<"LIGHT FORCE" オーロラリフレクターポンチョ(税込39,800円)。強い光が当たると虹色に反射します:丸仁のオンラインストアより>

<通常時の見え方:丸仁のオンラインストアより>

ジャケットやTシャツ、帽子など、さまざまなアイテムを開発。普段は、黒や白など、一見「普通の服」なのですが、強烈なライトが当たると、その方向にだけ七色の輝きを放ちます(オンラインストアで購入可。洗濯もできます)。

オシャレ反射材で身を守る

これが若者の間で「映える」と話題になって、さまざまなアパレルブランドで「この生地を使いたい!」という問い合わせがきているそうです。光り方が特殊なので、ドライバーから目立つこと間違いなし!こうした商品の開発には、素材メーカーならではの思いがあるそうです。

株式会社 丸仁・代表 雨森 研悟さん

通常は、作業服にライン上で付いてたりとか、「黄色」とか「赤」とか、それはそもそもが安全のためのものだったんで、反射してない状態でもなるべく目立つ色にしようというので、そういった色が多いと思うんですけど、それだと普通に街中を歩いてる人たちは、ほとんど身につけられない。

なので、普段はできるだけ目立たなくして、いざクルマから夜、見たときだけ光って見えるものが、反射材としては理想じゃないかなと。

警察の方とか反射材を普及させるためにすごくやられてるんですけど、どうしてもそれだけでは届かない人もいる。届かない人にも着させるにはどうしたらいいかなっていうところで、僕らはそっちの、安全じゃなくて面白い方から行こうと。

いろんな方法で反射材を普及させていけば、結果的にすごい普及率になれば、交通事故、絶対減ると思うんで、そういうところを目指していってます。

先代のお父さんが会社を創業した背景には、「反射材を広めることで交通事故を減らしたい」という思いがあったそうです。でも、おしゃれじゃないと着てくれない。そこで、「普段は目立たず、いざというときにしっかり目立つデザイン」を採用し、多くの人が身につけられる工夫をしたそうです。「安全」と「おしゃれ」を両立させることで、結果として多くの人の命を守ることにもつながりそうです。

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材:田中ひとみ)

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