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iri、新作EP『Seek』リリースインタビュー!刺激的な2年間の振り返りや新曲への想い、名古屋公演への意気込み

日刊KELLY

2025年5月21日(水)、シンガーソングライター・iriが最新EP『Seek』をリリース!

前作『PRIVATE』から約2年ぶりとなる本作には、「出会いと別れ」「旅立ち」など、春の空気をまとったテーマのもと、国内外のプロデューサーと共に作り上げた全4曲を収録。それぞれの楽曲に散りばめられた想いや風景が、聴く人の心にそっと寄り添ってくれます。

今回のインタビューでは、2年間の活動を振り返りながら、制作過程や音楽との向き合い方の変化、さらに6月13日に控える名古屋公演への意気込みまで、たっぷりと語っていただきました。

武道館やタイアップ。刺激的だったこの2年を振り返って

――前作『PRIVATE』から約2年が経ちましたが、この間に昨年の日本武道館でのライブ、ドラマのタイアップなど、様々な出来事があったと思います。振り返ってみて、iriさんにとってどのような期間だったと思いますか?

そうですね。タイアップで書き下ろしさせていただいた曲もあったり、他のアーティストさんと楽曲を一緒に作る機会も多かったり、自分のプロジェクトとして作っている作品とはまた異なる発見があって、刺激的な期間でした。

――あっという間でしたか?

あっという間でした。それでも、その期間に自分の作品のリリースもしていたので、常に何かしら活動していたと感じています。

――今作は、国内外のプロデューサーと作り上げた作品ですが、制作を通して、ご自身の中で“音楽との向き合い方”に変化はありましたか?

これまで自分がやってこなかったことや、やってみたかったけどタイミングが合わずにできなかったことに、今回ようやく挑戦できたかなと思っています。

今回のEPでは、自分が試してみたかったサウンドやリズム感のある曲にも挑戦できました。たとえば、「river」でキッズコーラスを取り入れてみるとか。自分の楽曲に他の人の声をコーラスとして入れるというのはこれまであまりなかったのですが、どうなるか分からないからこそ面白い、そういう実験的なことにもトライできた作品になったと思います。

やりたかったことに挑んだ「harunone」と変わりたい気持ちを込めた「Butterfly」

――人と作ることの面白さや楽しさを、以前よりも実感されたのではないでしょうか?

そうですね。はじめましての方と一緒に楽曲を作るということ自体、ずっと気になっていたし、最近は打ち込みやダンストラックのようなサウンドに乗せて歌うことが多かったのですが、「harunone」では、ギタリストの西田修大さんとドラマーの石若駿さんというプレイヤーのお二人とご一緒して、“人間らしい”というか、“生きている”音に仕上がったのではないかなと思います。

実際にプレイヤーとして活動している方が作るトラックは、トラックメーカーさんのサウンドとはまた違う質感があって、一音一音に“息づかい”のようなものを感じられるんです。今回、まさにやってみたかったことだったので、それが実現できたのはすごく刺激になりましたし、レコーディングの過程もとても勉強になりました。またぜひ、こういう形での制作にトライしてみたいなと思いましたね。

――「harunone」は“トラックに歌を当てていく”というより、“一緒に呼吸している”ように聞こえました。“歌”として成立させるのが難しそうなサウンドにも感じたのですが、iriさんご自身は、この曲に歌を乗せるとき、どのような意識で臨まれたのでしょうか?

いただいたトラックを聴いたときに、「難しい、どうしよう」っていうのは全くなく、むしろ、「まさにこういうのがやりたかったんだ!」っていう感覚でした。その興奮のまま、メロディーと歌詞を書いた記憶がありますね。

もともと、こういう“生音”というか、ちょっとマイルドで丸みのある音色がすごく好きで一音一音が踊ってるというか、生きているような感じがする。そういう音に包まれていると、自然と歌詞も湧き上がってくる、そういう感覚があります。作っていて本当に心地よかったですね。

――「Butterfly」では、聞く人それぞれの物語にリンクする曲になっていると感じます。iriさんはこの曲に、どんなご自身の心の風景を投影されましたか?

誰かと一緒に曲をつくったり、いろんな人と出会って話したりする中で「もっといろんな場所に行ってみたいな」と思うようになったんです。それまでは、変わらない状態が心地良いというか、“今のままが心地いい”という感覚が強かったんですけど、“変わってみたい”という気持ちが芽生えてきました。私はもともと人見知りなので、あまり人とたくさん会ったりしなかったのですが、あえて苦手なことにも挑戦してみることで、自分がちょっとずつ解放されていく感覚があり、チャレンジすればするほど、自分の世界が広がって、心が楽になる。そういう実感がありました。

Butterfly」をつくっていた頃、自分の環境をガラッと変えたいと思って、それまで地元の神奈川で制作していたのですが、東京で制作をするようにしたんです。東京って、私にとってちょっと緊張する場所でもあるんですけど、あえて苦手だと思う場所に身を置くことで、自分の中に何か変化が起きたらいいなと思いました。
東京の街を歩いてて、「私、東京のこと何も知らなかったな」って気づきました。よく見ると、地元にも通じるような美しい場所や、安心できる場所がある。そういう発見の連続のなかで、「Butterfly」の歌詞を書いていました。

「いろんな人に会ってみたい」転機は、永積タカシさんとの出会い

――変わりたいと思った、きっかけのようなものはあったんですか?

昨年末、ハナレグミの永積タカシさんにお会いしたことが大きかったですね。ミュージシャンの友達って実はそんなに多くないんですけど、自分の中で迷っていることとか悩んでいることを話せるような、ミュージシャンの先輩みたいな存在が、これまであまりいなかったんですよね。

そんななかで、永積さんにお誘いいただいて、「雨上がりのGood Day(feat.iri)」という曲に参加させてもらって。そのときに、お話しする機会をいただいて、永積さんからアドバイスをもらったり、いろいろな言葉をかけてもらったことで、力んで作っていた“壁”みたいなものが、少しずつほぐれていくような感覚がありました。

その瞬間、「なんか気持ちが楽だな」と感じて、そこから自然と「もっといろんな人に会ってみたいな」って思えるようになって。そこから新しい出会いが次々にありました。

――iriさんは普段、誰かにアドバイスを求めたり、相談したりしますか?

したい気持ちはあるけど、なかなかできる相手がいなかったというのが正直なところで…。それもやっぱり、ずっと地元の逗子にこもっていたのが大きいかもしれません。逗子はすごく好きな街で、「ずっとここにいたい」って思っていたのですけど、その反面、居心地が良すぎて、こもってしまうような感覚もあって。だからそこから少し出てみようかなって気持ちが芽生えてきました。

“一本の映画”のようなMVが完成するまで

――先ほどもちらっとお話がありましたが「river」では、キッズコーラスが印象的ですよね。取り入れた理由や意図を教えてください。

きっかけは、SNSで見た「リトル・ドラゴン」という海外のバンドの映像です。子どもたちと一緒に歌っている様子がすごく素敵で、その子どもたちの声にものすごく感動してしまい、その瞬間に「自分もやってみたい!」って思いました。

ただ、合唱団みたいに綺麗に整っている歌声というよりは、ひとりひとりが自由に、自分の気持ちをまっすぐ声に乗せている感じで、それが重なって、自分の楽曲と一緒になったら、すごくエネルギーのある曲になるんじゃないかなって思ったんです。ある意味、子どもたちに背中を押してもらっているような感覚でしたね。

――5月21日に公開されたMVは、『Faster than me』に続き、再び小島央大監督が手がけています。完成したMVを初めて見たとき、どんな感想を持ちましたか?

撮影時間が16時間くらいあって、すごく長かったんです(笑)。いろんなシーンを撮影したので、私の作品の中でも特にたくさんのシーンが詰まったMVになっていると思います。

仕上がった映像を見たときに、“MV”というか、一本の映画を観ているような感覚になったんですよね。この曲を一緒に作ったKotaくんとも、レコーディングの時にそういう話をしました。「誰かと一緒に曲を作るとき、どんな風に進めてるんですか?」って聞いたら、彼はリファレンスでこの曲作りたいとは言わず、映画のワンシーンや映像を共有しながら、そこから曲のイメージを膨らませていくって言っていて、その話を聞いてすごくしっくりきたし、実際に「river」が完成したときも、音楽だけど映像が浮かんでくるような感覚がありました。だから今回、すごくリンクしたMVになったと思います。

――MVの後半では、iriさんの幼少期の写真が映し出されていましたね。ご自身は、どんな子どもだったと思いますか?

とても元気な感じです。でもすごく恥ずかしがり屋でした。表に出てキラキラしたいけど、シャイだからできないみたいな(笑)。それは今も変わってないですね。

そっと寄り添うように。EP『Seek』に込めた想い

――EPの最後の楽曲「otozure」のプロデューサーはこれまでに何度も共作されているTAARさんですね。この楽曲をラストに置いた理由を教えてください。

もともと最後の曲は、ヒップホップっぽさや、ダンストラック的な雰囲気、とにかく“踊れる曲”で締めたいというイメージがあり、最後はスッキリした気持ちで終わるような流れにしたいと考えていました。

最初の3曲は、初めてお仕事する方々と制作していたんですけど、4曲目の締めは、信頼しているTAARくんとやりたいと思っていました。「間違いないよね」っていう気持ちだったのですが、今回の「otozure」は、今までのTAARくんとの楽曲とはまた全然違ったテイストになり、これまでとはまたひと味違う、新しい曲ができたなと思っています。

――EP『Seek』は、音や歌詞にとても丁寧に向き合って作られた作品だと感じました。iriさんご自身は、この作品をどんなふうにリスナーに届けたいと思っていますか?

1枚を通して、音作りも歌詞もすごくシンプルなんですけど、そのぶんすごくこだわって作った作品になっています。聴いて「面白いな」とか、「ワクワクするな」って思ってもらえたらすごくうれしいです。

あとは、日常のなかでふと耳に入ってきたワンワードが、誰かの気持ちを少しでも軽くしたり、心が穏やかになるきっかけになったらいいなと思います。

名古屋公演はツアー初日。「一緒に楽しんでほしい」

――武道館やタイアップなど、様々な経験を経てきましたが、お仕事でもプライベートでも、今後挑戦してみたいことや興味を持っていることがあれば教えてください。

そうですね…。高速道路に乗れるようになりたいです。

――えー!(笑)

運転は頻繁にするのですが、高速道路にはまだ乗れてなくて(笑)。運転するのはすごく好きで、それこそドライブ中に製作途中の楽曲を聴いて、イメージを膨らませたり、歌詞を書いたりすることもあります。

――「ニューヨーク旅行」に行ったとお聞きしたのですが、今、行ってみたい旅先はありますか?

メキシコとベトナムが気になってます。あとイタリアも。イタリアには一度だけ行ったことがあるんですけど、もっと知りたいなって。食べ物も好きだし、街の雰囲気やデザインの感じも好きで。それに、人もすごく陽気であったかくて、また行きたいなと思ってます。最近は、そういうちょっと“あたたかい場所”に惹かれますね。

――最後に、6月13日の名古屋公演を楽しみにしているファンの皆さんへ、一言メッセージをお願いします。

名古屋はホールツアー初日なんですよね。なので、初日ならではのエネルギーや勢いがあると思うし、「Butterfly」以外の新曲はまだライブで披露していないので、名古屋が初披露の場になります。きっと特別な一日になると思います。

「river」みたいに静かで緊張感のある曲もあれば、これまでの踊れるような楽曲も。ホールツアーとはいえ、ただ座って聴くというよりは、ライブハウスと変わらないテンションで、一緒に楽しんでもらえるようなライブにしたいなと思っています。

――ありがとうございました!

iri New EP『Seek』
2025.5.21 RELEASE

AICL-4747/ 2200円

[Track List]
01. Butterfly
02. harunone
03. river
04. otozure

▼予約はこちらから
https://iri.lnk.to/VKhuWl

▼各店舗特典
●Amazon:メガジャケ
●楽天ブックス:「Seek」JK絵柄ポストカード
●セブンネット:「Seek」JK絵柄缶バッジ
●応援店:「Seek」JK絵柄ステッカー
●iriオフィシャルファンクラブ“Wavy Club”特典:「Seek」ポスター
※各特典数に限りがあります
※特典絵柄は後日公開となります

『iri Hall Tour 2025 “Seek”』
6月13日(金)愛知県・Nittera日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
6月16日(月)東京都・東京国際フォーラム ホールA
6月20日(金)大阪府・梅田芸術劇場メインホール
6月21日(土)香川県・レクザムホール小ホール(香川県県民ホール)
6月29日(日)広島県・JMSアステールプラザ 大ホール
7月1日(火)埼玉県・大宮ソニックシティ 大ホール
7月3日(木)宮城県・仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール
7月10日(木)北海道・札幌市教育文化会館(大)
7月18日(金)福岡県・福岡市民ホール 大ホール
<追加公演>7月21日(月・祝)東京都・LINE CUBE SHIBUYA

一般販売
https://www.sma.co.jp/s/sma/music/iri_Seek#/?ima=0000

公式サイト
https://www.iriofficial.com/

※価格はすべて税込み表記
※掲載内容は2025年6月時点の情報です

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