落とし物が必ず見つかる世界へ!チャットで探せる「落とし物クラウド find」
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。
新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
東京ドームで、水筒を忘れてしまったジェーン・スーさん。
見つからないよなー、と思いつつ、調べてるみるとLINEのチャットに誘導され、
ストレスなく簡単に見つかった!あまりの便利さと快適さに感動・・・!
そんな、スーさんが感動したシステムが、「落とし物クラウド find」
キャッチフレーズは「落とし物が必ず見つかる世界へ」。
改めて、どのようなシステムなのか、どのようないきさつで誕生したのか、運営会社の方に聞いてきました!
お話を伺ったのは、株式会社findのCOO・和田龍さんです。
以前は電話での問い合わせが一般的でした。
例えば、東京ドームの場合、「東京ドーム落とし物」で検索してすぐにラインで友達登録。
フォームに従っていつなにを落としたか申請すると、オペレーターが検索。結果をチャット。
その後はラインでお友達と話す感覚でやりとりできる。
写真を送ることもできる。落とし物の写真を添付すると探すときの参考に。
4割の方が添付してくれる。インターネットで検索してキャプチャーしたもの。
添付ができない方でも、イメージ画像・イラストを用意しているので、そこで認識を合わせる。
実際にどのようなやりとりで探せるかといいますと・・・
①findを導入している施設で落とし物をした場合、まずfindの公式LINEアカウントを友達追加します。
②すると、落とし物がどのようなものか登録できます。
③モノの画像があれば、画像を登録。画像がなくても、あらかじめ用意されたイメージ画像、イメージイラストを選ぶことができます。
④その後、オペレーターとLINE上でやりとり。
⑤「傘の持ち手は何色ですか?」「貼ってあるシールの特徴を教えてください」など、詳しく聞いてくれて、自分が探しているものにたどりつくことができます。
ちなみに、落とし物をされた方の4割が写真を添付してくれるそう。・商品の名前がわかっていれば、インターネットで検索して画像をキャプチャーして添付できますよね。(これまでの電話のシステムではできなかったことです)
画像がなくても、「イメージ画像、イメージイラスト」が用意されています。
例えば「帽子」の欄を選択すると、さまざまな帽子の形のイラストが出てきて、すぐにコレ!と選択できます。(メガネ、マフラー、手袋、鍵、ピアスなど)これらのものって、電話で文字情報で伝えても難しいですよね。
さらに、アップルのワイヤレスイヤホンAirPods。
これを落としたら、自分のものを見つけるの難しいですよね。。。
Findでは、このような商品の場合、シリアルナンバーの調べ方も教えてくれるんだそうです。そのシリアルナンバーが一致すれば返却もスムーズなんです。
そして、極め付けは、自分の落とし物が見つかったあと。受け取りに行く際に、落とし物を受け取れる場所をマップで送ってくれるです!超便利!
返却率は?
では、このfind導入によって返却率が変わったのでしょうか。
落とし物の問い合わせに対し、返却された割合。Findの調査では、以前は8%。問い合わせが100件あったら8件だけ。これが、導入している企業の平均で「33%」にアップしたそうです。返却率が最も高かったのが東京モノレールでは、42~3%。現在の落とし物登録数 およそ111万件。落とし物返却数 356,895件
使える企業
もちろん、世の中のすべての施設が導入しているわけではないですが、現時点で使える施設は全国2,323箇所。企業でいうと、京王電鉄、京急電鉄、JR九州、ゆりかもめ、東京モノレール、東京ドームシティ、日本交通、ヤマト運輸、新宿高島屋、などなど。ちなみに、東京ドームシティでは、去年12月2日に導入されたばかり。最高のタイミングで落とし物しましたね!
誕生のいきさつ
この「落とし物クラウドfind」。和田さんたちが会社を立ち上げたのが2021年。当時、CEOの高杉さんが落とし物をして困った経験から、サービスを思いついたそう。
高杉さんは、落とし物をした日に会食に使った飲食店や、電車にバスとホテルと何カ所も電話をして確認しましたが、見つからず。電話もなかなかつながらず、とても焦ったそうです。忙しい時に落とし物の問い合わせに対応するのは大変だということも理解できますが、落とし主に対する扱いを冷たく感じ、悲しく思いました。これを解決できるサービスを、ということで、開発にとりかかりました。
開発の中で、和田さんとCEOの高杉さんが、京王電鉄の「お忘れ物取扱所」で体験働かせてもらたったことも。その後、実証実験などを経て、いまのレベルの形ができたのが、2024年夏前ぐらいだそうです。
企業側のメリット
ここまでは、落とし主のメリットでしたが、もちろん企業側にメリットがあるんです。
再び株式会社findの和田さんによると・・・
施設側は、落とし物の特徴を入力する際もAIを使っている。
写真をスマホでとると、写真から色や特徴、文字を自動的に抽出。
いままで登録作業がすごく大変で10分→AIなら30秒~1分。
業務中にできなかったものが、即座に登録できるので、すぐに対応できる。
すばやく検索できて問い合わせにも、良い循環に。
落とし物の管理コストが半減、三分の1になったところも。
実は企業側にもさまざまな便利な点があって、
落とし物があったら、いままでは特徴を手入力していました。これがfindを導入すると、落とし物の写真をスマホで撮影すると、AIが自動的に特徴を抽出してくれます。1件あたり10分かかっていた作業が、30秒~1分に減ったそうです。管理コストが半減、3分の1になったところも。「電話が9割減ってラインになった」という声も。
※JR九州では、1ヶ月に寄せられる感謝の言葉が200件→400件に増えて、その増えた分は落とし物にかんするもの。駅全体がよろころんでくれて、導入を決めた担当者が出世したとか。
今後の展望
findのシステム、これで完成ではなく、次を目指しているそうです。落とし物で難しいのが、どこでなくしたか?ですよね。電車でなくしたのか、飲食店でなくしたのか、ホテルでなくしたのか。これまでだったら、施設ごとに電話で連絡して確認してましたよね。
そんなときに使えるシステム「ファイドチャット東京」(仮)の構想があるそうです。Findを利用している企業を“横断”して検索できるシステム。今年の10月ぐらいの実用を目指しているそう。
また、大手空港まわりの施設はすでに網羅されており、近いうちに「空港のどこかでなくした!」という場合に横断して検索できるようになるとか。
もし、落とし物をしたときは、その施設がfindを利用しているか確認すると、スムーズに発見できるかもしれません。ぜひ使ってみてください!
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)