小田原市が懸案検証 「問題なし」も課題指摘
小田原市は2月4日、守屋輝彦前市長時代に進められた施策等の経緯や執行プロセスについて行ってきた検証の結果を公表した。検証作業は2024年7月から25年1月に実施され、市企画部が主管し、大学の法学部教授や弁護士ら外部専門員が懸案とされた各事案の評価を行った。
検証対象としたのは、【1】清閑亭活用事業の業務執行プロセス、【2】市政広報事業の業務執行プロセス、【3】病院再整備事業の関係者の事前訪問、【4】市議会に対する政治倫理に関する申立、【5】市の業務に関する内部情報の取り扱いの5事案。
【1】清閑亭活用事業では、市の行為が相手事業者に対し便宜を図るものであったのかという疑念を調査。裁量権の逸脱や濫用はないと評価されたものの、事務手続きや意思決定段階における認識の甘さが指摘された。
【2】市政広報事業では、市が広報紙等を使い市長の選挙活動を支援したのか、また政策監が市の意思決定プロセスに関わったのではないかという疑念の検証が行われ、法的な問題はないと結論付けられた。
【3】病院再整備事業では、事業者選定委員会の開催直前に市長と市幹部が参加事業者を訪問したことが選考に影響を及ぼしたのか、また、その後の情報公開請求に対し、不当に公開を拒否したのではないかという点について調査。訪問による影響はなかったとされたものの、情報公開制度の運用が形式的であったと指摘された。
【4】市議会に対する申立では、市が議長に提出した申立書が病院再整備事業の疑惑追及を行う市議への圧力では、またそのプロセスが不適切だったかという懸案を調査。市が虚偽の申し立てを行ったとまでは言えないが、内部手続上の問題があったと指摘された。
【5】市の内部情報の取扱いでは、内部情報を特定の者に漏らした、または市が内部情報の管理を怠り、何らかの意図を持つ者に不用意に利用せしめたのではないかという疑念に対し、各情報は秘密に当たらず、職員は守秘義務に違反しないと結論付けられた。