【帯津良一・89歳のときめき健康法】美人は薄命か長命か?
人生百年時代――とはいえ、老いさらばえて100歳を迎えたくはない。
健康で生気みなぎるような日々を過ごせてこそ、ナイス・エイジングだ!
西洋医学だけでなく東洋医学、ホメオパシー、代替医療まで、
人間を丸ごととらえるホリスティック医学でガン治療を諦めない医師、
帯津良一の養生訓は、「こころの深奥に〝ときめき〟あれ」と説く。
連載18回
やはり大事なのは色気なのだ
文=帯津良一
私の誇るべきキャリアの一つとして、文京区本駒込にある「アジア文化会館」で気功に関する講演を年に5回、20年間で100回熟(こな)したという経験がある。100回目を目前にしたときの興奮はいまだに感動ものである。
おかげで、生涯の友人というべき人にも恵まれた。その一人に現在、埼玉県で開業している鍼灸師さんがいる。もちろん私より大分若いが妙に気が合って二月に一回、川越市の鰻屋さんで杯を酌み交わすことにしている。
費用は先輩である私が持つことにしているが、彼はそのお返しとして、いつもスコッチ・ウイスキーを一本と、名画の封切時のパンフレッドか主演女優のブロマイドを持参して来るのである。何処で見つけて来るのか、いずれもきわめて貴重な作品である。
先日もモーリン・オハラのブロマイドを持参して来た。口元はほころばせながら、右上方を見つめている姿を、前やや上方から撮ったものである。当然のことながら胸の谷間がよく見える。間髪容れず、この谷間に顔を埋めたいなぁ!と閃いたものである。
そして、しばらく顔を埋めた状態に浸りながら、ところで彼女は何歳まで生きたのだろうかと考えたものである。というのは、かねて大好きな彼女が何歳まで生きたかを知りたくなって、わが愛用の「世界映画大事典」(日本図書センター)を引いてみたのである。ところが、この事典は2008年刊行なので、モーリンが1920年生まれで生存中となっているのである。かなり長命であることは分かったが、それ以上のことはわからない。そこで、このたび別の方法でしらべてみた。
なんと、彼女は老衰のため95歳で亡くなっているのである。何たる長命!うれしくなるではないか。とすれば、
美人薄命
は絵空事だったのか? そこで、他の美人についてもしらべてみた。
イングリット・バーグマン 67歳
オードリ・ヘップバーン 63歳
グレース・ケリー 52歳
グレースは交通事故だから別格としても、これはまさしく美人薄命だ。
次いで、私が色気を感じている女性は、
アリッダ・ヴァリ(第三の男) 84歳
ダニエラ・ビアンキ(ボンドガール) 83歳で生存中
ソフィア・ローレン(河の女) 90歳で生存中。生涯現役を宣言しているとか。
そこへ、大腸がん、多発肺転移、多発肝転移の女性(53歳)が診察に。外鼻孔の色気に触れたところ、満面の笑み。転移など何処吹く風だ。やはり大事なのは色気なのだ。このことをしっかり肝に銘じよう!
モーリン・オハラは、1920年アイルランド生まれの女優で、40年の映画「Dance Girl Dance」や1946年の映画「Do You Love Me」で男性歌手のディック・ヘイムズと共演、ウェールズやアイルランド民謡などもさらりと歌い、歌手としても幅広いレパートリーと抜群のセンスを誇るモーリン・オハラ。(写真は歌手としてのデビュー・アルバム)
おびつ りょういち
1936年埼玉県川越市生まれ。東京大学医学部卒業、医学博士。東京大学医学部第三外科に入局し、その後、都立駒込病院外科医長などを経て、1982年、埼玉県川越市に帯津三敬病院を設立。そして2004年には、池袋に統合医学の拠点、帯津三敬塾クリニックを開設現在に至る。日本ホリスティック医学協会名誉会長、日本ホメオパシー医学会理事長著書も「代替療法はなぜ効くのか?」「健康問答」「ホリスティック養生訓」など多数あり。その数は100冊を超える。現在も全国で講演活動を行っている。講演スケジュールなどは、https://www.obitsusankei.or.jp/をご覧ください。