全国高校選抜大会 ハンドボール女子 地元の誇りを胸に全国に挑む大分 【大分県】
全国高校ハンドボール選抜大会が大分県で開催される。女子の代表・大分が、地元開催の舞台に挑む。全国への出場権を懸けた九州高校選抜大会では、思うような結果を残せず、自力での出場を逃した。しかし、開催地枠での出場が決まり、再び全国大会へ駒を進めることができた。滝元泰昭監督は「(開催地枠での出場は)不本意だったが、本選ではしっかりと戦いたい。地元開催ということで、多くの方が応援に来てくれると思う。まずは1勝を目指したい」と、悔しさを胸に秘めながらも次なる戦いを見据えている。
チームが思うような結果を残せなかった要因の一つに、新チームの立ち上げの遅れがある。昨年10月末に国スポ(国民スポーツ大会)があり、その直後にはサニックスカップU-17国際ハンドボール交流大会に出場した。強豪チームとの対戦経験を積めたことは大きな収穫だったが、その影響で新チームの始動が遅れたのも事実だ。(11月の)県新人大会の時点で、わずか1週間しか練習できなかったという。さらに追い打ちをかけるように、全国選抜の県予選では主力選手が左手を骨折。戦力ダウンを強いられ接戦となったが、何とか乗り越えてきた。
立ち上げが遅れたが、チームの調子は上向き
今年のチームは、例年の実績あるチームとは異なり、経験豊富な選手が少ない。加えて、小柄な選手が多く、実力的にもまだ発展途上だ。「ここ数年、九州選抜大会では上位進出が続いていたため、『九州では楽勝』というイメージを持たれているかもしれない。しかし、決してそんなことはない」と滝元監督は言う。
だが、今年のチームには「伸びしろしかない」。監督はそう断言する。「やればやるだけ力が付いてきている。他のチームは早い段階から準備を進めていたので、現時点ではまだ追いつけていない部分もあるが、夏までには勝負できるチームにしたい」と力強く語る。
キャプテンの野村穂(2年)とエースの井上心暖(1年)を中心に、横一線の陣形となる0-6ディフェンスでしっかり守り、速攻につなげる戦術を磨いている。しかし、まだ十分に走る展開をつくれておらず、現時点ではロースコアの試合展開が予想される。滝元監督は「守って、守って、守る戦い方になる」と厳しい戦いを覚悟している。
初戦で対戦するのは兵庫県の神戸星城。これまでも幾度となく対戦してきたなじみのある相手だ。もし勝ち上がれば、次の相手は第1シードの白梅学園(東京都)。全国屈指の強豪が待ち構えている。「厳しい組み合わせだが、こうした壁を乗り越えなければならないと感じている」と滝元監督。課題は多いが、それ以上に可能性を秘めたチームだ。地元の声援を背に、全国の舞台で躍進を目指す。
全国選抜は一戦必勝で戦う
(柚野真也)