【京都銘菓】茶道裏千家お好み菓子「ふのやき」をスリル満点の裏口潜入で購入
裏千家は高名な茶人・千利休を流祖に頂く三千家の一つで、最も開かれた流派といわれています。そんな裏千家のお好み菓子「ふのやき」を裏口からの潜入で購入してきました。その時のスリル満点の様子をご報告します。
茶道の聖地・小川通寺之内で不意に看板を発見
京都市上京区小川通寺之内周辺は「表千家会館」「裏千家茶道会館」など、茶道の中枢が集まる茶の湯の一大拠点です。
そして小川通りには「表千家不審庵」「裏千家今日庵」と表裏千家にとって拠り所とされる茶室があり、聖域といっても過言ではない重要な通りです。
そんな小川通りで不意に一枚の看板に出会いました。
看板には「株式会社ミリエーム」「今日庵お好み「ふのやき」」と書かれています。
看板には矢印があり「「ふのやき」はこちらにて販売いたしております」とのことですが、そちらを見てみると、広い駐車場が広がっているだけで、お菓子を販売している気配はまったくありませんでした。
それでも勇気を出して立ち入ってみようかと思いましたが、直後にこのような看板があり、二の足を踏んでしまいました。
それでも最初の看板を頼りに勇気をもって先へ進みましたが、やはりここは駐車場のようでお菓子を販売している気配は微塵もありませんでした。
しかし、諦めかけたその時、さらなる看板を発見しました。
駐車場の中央にあるシンボル的な大木の足元に看板があったのです。
内容は「「ふのやき」はミリエームで販売している」というものでした。
周囲を見渡してみるとひと際大きな建物が駐車場に隣接していました。
恐る恐る近づいてみると、なんとそこに「お客様入口」の案内が掲示されていました。
ほっと胸を撫でおろしたものの、ここに辿り着くまでに凡そ半数の人は引き返したに違いないと思い、なぜもっとわかりやすく案内を掲示しないのかと不思議に思いました。
それと同時に、ここまで来たら最後まで見届けたいという思いが強くなり、意を決して先へと進むことにしました。
が、しかし、その意思を挫くかのように「お客様入口」が指し示す矢印の道は細く、本当にこっちであっているのかと不安になる道でした。
それでも気力を振り絞って先に進むと、確かに扉がありました。
しかしその扉には「お客様入口」との案内はなく、どこから見ても「裏口」でした。
しかし通路はここで行き止まりで、他に行く当てもないので意を決して扉を開けました。
開けた中はこのような感じでした。
どうやら会社のエントランスのようでした。
そう。ここは紛れもなく「株式会社ミリエーム」さんのエントランスで、裏口から入ったところだったのです。
日本の文化を現代生活に提案する
「株式会社ミリエーム」は裏千家家元の坐忘斎千宗室(ざぼうさいせんそうしつ)氏の弟で、今日庵副理事長を務めた故・伊住宗晃(いずみそうこう)氏が昭和59年に設立した会社です。
日本の文化を現代生活に提案すべく、茶の湯で培った美意識やおもてなしの心を広く伝えようと「茶美会(さびえ)」という言葉を理念に「ものづくり」を進めておられます。
その活動範囲は広く、茶菓子、和菓子のプロデュースや、茶道の発展に寄与する茶器、茶道教材はもちろん、「茶美会」の理念に基づいた不動産や内装の施工もてがけておられます。
ちなみに表玄関はこちらで、駐車場からの入り口は、本当に「裏口」だったようです。しかし「表千家不審庵」「裏千家今日庵」からは表玄関に回らず、裏口から入った方が近道なので、表裏千家を問わず、裏口から入られる方がほとんどだそうです。
茶道裏千家お好み菓子「ふのやき」
「ふのやき」は裏千家お好みの茶菓子で、千利休の孫・千宗旦が手植えしたと伝わる「宗旦銀杏」の葉が刻印された麩焼き煎餅です。
麩焼きのサクサクと軽い触感で優しい甘さが口に広がります。そして後から追いかけるようにほのかな味噌の香りが楽しめ、お茶請けにはもちろん贈答用にも喜ばれる銘菓です。
「ふのやき」を買われる際は、表玄関から訪問するのも良いですが、着物姿の茶道の門下生の皆さんと一緒に、ぜひ裏口に回られて買われることをお勧めいたします。
基本情報
<株式会社ミリエーム>
◇営業時間
・9時〜17時
◇定休日
・土、日、祝祭日
アクセス
◇所在地
〒602-0006
京都市上京区小川通寺之内上る2丁目禅昌院町648-1
tel:075-451-5111
◇電車
・市営地下鉄:鞍馬口駅より 徒歩10分