物流業界の人材不足を解消へ タイミー、スポットワーカー向けフォークリフト技能向上研修を開始
スポットワークのマッチングサービスを提供するタイミー(東京都港区)は10月7日から、利用する働き手に対して、フォークリフト運転技能向上のための研修を開始した。
資格取得から技能向上、求人のマッチングまで、一連の過程をサポートできる体制を構築。いわゆる「2024年問題」で物流業界が抱える、人材不足解消への貢献を目指す、としている。
研修費は無料で研修時間分の報酬を支給、実務経験をサポート
フォークリフト運転技能資格を保有しているものの、実務経験が少ない人に向けて、株式会社ロジテック(東京都港区)の協力のもと、物流倉庫での実務など5日間の研修を実施。研修は、タイミー上でロジテックが公開した求人にマッチングしたスポットワーカーが受講するので参加費は無料。受講者には研修時間分の報酬を支給する。
2023年6月から同社は、フォークリフトの運転資格取得支援を開始していたが、技能向上研修が加わることで、物流倉庫での実務を通じたスキルアップ支援が可能になった。
求められる実務経験、資格取得しても働く機会がない働き手をサポート
背景には、「運転技能資格は取得したが、なかなか働く機会が得られない」という実情がある。同社はこれまでも、物流倉庫内の荷上げ・荷下ろしや荷物の仕分け・検品、ピッキング・梱包(こんぽう)などの軽作業の求人を掲載し、業務の切り分けによる労働環境改善に取り組んできた。しかし、実際に募集されているフォークリフト関連の求人では、実務経験が求められることが多いという。
「フォークリフト運転技能向上研修」では、修練したスキルを生かしてスポットワークに従事してもらうことを目指す。そのため対象者には、「今後フォークリフトオペレーターとして勤務する意思のある」ことが求められる。
参加者は、経験豊富なフォークマンの指示・指導の下、実際にフォークリフトを操作してピッキングや積み替え、格納作業などを経験。さらに、ロジテック監修のテキストと解説動画を使った予習・復習を繰り返すことで、フォークリフトの技能向上を支援する。研修修了後には、タイミーを通じてロジテックのフォークリフト求人を紹介する。同研修は毎月開催予定。ロジテックは3PL(サード・パーティー・ロジスティックス)事業者で、これまでも独自で「フォークリフト運転技能向上研修」を行っていた。
フォークリフトの操作業務には講習修了資格が必要
労働安全衛生法により、「フォークリフト運転技能講習」の修了資格がないと、最大積載荷重1トン以上のフォークリフトの運転業務に従事できない(道路走行を除く)。
技能講習は、都道府県ごとに労働局に登録した教育機関が実施する。講習時間は35時間で、普通自動車免許取得者は31時間、大型特殊免許などを有する場合は、実技講習の一部が免除される。
タイミーは6月、スポットワーカー活用を前提とした物流センター運営に向けた実証実験を行うと発表。同社サービス利用者への調査では、約7割が「タイミーを通じてよい職場に出会えたら長期就業したい」と回答している。
同発表の詳細は同社の公式リリースで確認できる。