南区市議補選 候補者4人にアンケート タウンニュース社企画 山中市政の評価、物価高対策など聞く
南区選出の遊佐大輔氏(自民党)が辞職したことに伴う市会議員補欠選挙(2月9日投開票)に立候補した立憲民主党新人の佐藤啓治氏(42)、日本維新の会新人の小西大貴氏(31)、共産党元職の荒木由美子氏(65)、国民民主党新人の熊本千尋氏(30)(届出順)の4人に対し、タウンニュース社はアンケート調査を行った。
質問は▽当選後、最初に取り組みたい施策▽山中市政の評価▽物価高騰対策▽子育て世代への支援策▽南区の課題と解決への施策―の5問。4人の回答は以下の通り(紹介は届出順。原則として候補者の回答に基づいて掲載しています)。
◆設問1当選後、あなたが最初に取り組みたい施策を具体的に1つ教えてください。
【佐藤啓治氏】敬老パス75歳以上の無償化の実現など、地域交通の課題解決に取り組みたい。
【小西大貴氏】ムダな税金をゼロにする。公認会計士・税理士として、私たちが頑張って働いた給料から徴収されている税金の使われ道について、専門家の知見からつぶさに、しっかりとチェックしていきます。
【荒木由美子氏】山坂が多い地域で、堀ノ内・蒔田・中里・別所・六ツ川などの地域を回るコミュニティバスを実現する。
【熊本千尋氏】24時間保育や義務教育までの子どもを夜間預かれるシステム作り。共働きで宿泊勤務や夜勤を伴う仕事をしている人たちの助けになりたい。近くに両親や頼れる人がいないと仕事が続けられなくなる現状があるため、ライフスタイルが変わってもやりたい仕事が続けられるまちづくりを目指したいと思います。
◆設問2−1現在の山中市政について、あなたが評価できる施策1つあげ、その理由を教えてください。
【佐藤啓治氏】子育て施策理由...令和8年度からの中学校給食の全員実施、中学3年生までの小児医療費無償化等、子育て施策の充実により、若い世代・子育て世代の流入につながり、人口増をもたらしたため。
【小西大貴氏】医療・福祉については一定程度評価できる。中学生まで一律に医療費ゼロとするなど、子育て世帯としては非常に助かっている。一方で、出産費用ゼロと謳っているが、各病院の出産費用が不透明であり、実際には手出しが必要となっている。
【荒木由美子氏】小児医療費無料化を所得制限なしで15歳まで拡充したこと。所得にかかわらず、制限をなくしたことが評価できる。
【熊本千尋氏】パパの育児休暇取得率の向上、家事・育児促進事業理由...女性活躍推進がされる中、まだまだ育児や家事の負担は女性の比率が多い。その中で男性が育児に参加しやすい環境を作ることは女性活躍推進にも繋がると思うから。仕事、育児、家事と女性の負担が多すぎる。
◆設問2−2現在の山中市政について、あなたが評価できない施策1つあげ、その理由を教えてください。
【佐藤啓治氏】100%ではないが、マニフェストを着実に実現してきており、全体的に評価している。
【小西大貴氏】財政改革を断行する決意が感じられない。長期財政推計における一般会計の収支不足は2065年に2,000億円へ迫る想定であるものの、市長が取りやめたIRに代わる財源確保策が未だに示されていない。市民税に依存する税収構造を打破し、多極分散型社会における一極を横浜市が担えるよう成長戦略を明確に描くべき。
【荒木由美子氏】中学校給食をデリバリー方式にしたこと。できたての給食が食べられる自校調理方式が一番良い。
【熊本千尋氏】敬老パスの0理由...元鉄道従事員としてこれで電車やバスで働く人たちの設備環境や待遇面での環境が整っていれば良いが、そうではない現状から高齢者ばかりを優遇して、働く現役世代を苦しめることは違うと思う。今後高齢者が増えていくのに将来性がない政策だと思う。
◆設問3物価の高騰が続いています。横浜市として市民・事業者に向けてどのような施策が必要か、あなたの考えを教えてください。
【佐藤啓治氏】食料品の消費税0%、燃料価格(電気・ガス料金)の高騰対策拡充、緊急地域経済対策と生活支援の拡充。
【小西大貴氏】短期的な施策、中長期的な施策を両輪で進める必要がある。トリガーとなる価格水準を予め設定し、迅速に補助を行う。中長期的には、物価高を上回る手取り額の増加が必要。
【荒木由美子氏】市の収入が増えた分を還元するために、国民健康保険料の引き下げ・介護保険料の減免措置の拡充に充てる。
【熊本千尋氏】会社に勤務する労働者という立場だけでは厳しい。これからはAIにはできない自分の価値を売っていくことが大切である。ただ補助金を出すのではなく、将来性のあるノウハウを提供できることに税金を使いたい。
◆設問4横浜市は「子育てしたいまち」を目指していますが、あなたが考える子育て世代への支援策を教えてください。
【佐藤啓治氏】給食費および小児医療費18歳までの無償化と所得制限の撤廃、義務教育費の軽減と学びの格差の是正、子育て手続きのオンライン化推進。
【小西大貴氏】出産から巣立ち後のキャリア支援まで、行政として包括的にサポートする必要がある。また、出産費用について、無痛分娩や夜間休日加算が算定の基礎に含まれておらず、市の9万円助成では不十分なケースが見られるなど、より一層、安心して子育てのできる環境づくりが必要。
【荒木由美子氏】学校給食費の無償化と保育料の負担軽減。安心してこどもを預けられる環境のさらなる向上を図る。
【熊本千尋氏】インフラや不規則な頑張りで働く子育て世代を支援したい。24時間保育の拡充や、義務教育までのこどもたちを夜間も見守れる体制を作っていきたい。
◆設問5南区の課題を1つあげ、その課題解決へ向けてどのような施策が必要か、あなたの考えを教えてください。
【佐藤啓治氏】災害対策の強化(がけ地対策、土砂警戒区域の点検・修繕など安全確保、狭隘道路の電柱地中化や緊急輸送路の確保)。
【小西大貴氏】人口密度が横浜市トップ。街路が狭いからこそ、これからは街の余白を豊かにすることが重要。他の区民と同様にみどり税を納めているが、緑が極めて少ない区となっており、不公平感がある。緑のある公園の魅力化、桜並木などの街路樹を一層充実させ、経済的にも精神的にも豊かな環境を整備する。
【荒木由美子氏】木造住宅が密集し、崖地の多い清水ケ丘・三春台・庚台など緊急車両が入らない地域への防災対策の強化に力を入れる。
【熊本千尋氏】南区は坂道も多くまた高齢者が多いため、地域交通の充実をスピード感を持って進めていきたいです。山の上の団地まで小さいバスを走らせてほしいという声を聞きました。また、病院へ行く途中の坂道で転んでしまい一人で起き上がれなくなっていたところを助けたこともあります。気軽にお手軽に乗れる交通手段を増やす。