岩手県出身・大谷翔平選手&菊池雄星選手のMLB公式マンホールを訪問! 胸アツだがここだけは改善求む
連日盛り上がるMLBこと米国メジャーリーグ。「仕事だったら絶対起きない」みたいな時間にバッチバチと目を見開いている人も多いことだろう。
MLBではリーグで活躍する日本人選手12名を讃え、それぞれのルーツの地にデザインマンホールを設置することを発表。中でも岩手県は大谷翔平選手、菊池雄星選手、佐々木朗希選手の出身地。
ひとつの県に3つもマンホールがあるのはもちろん異例! 東北地方ながら東京にも負けない暑さに包まれた夏の日、現地を訪ねてみた。
・静かな熱気ただよう大谷翔平マンホール
やってきたのは岩手県奥州市。世紀のスーパースターとなった大谷翔平選手の出身地(旧水沢市)だ。とはいえ、県庁所在地の盛岡や、世界遺産のある平泉と比べると知名度はそこまで高くないかもしれない。
市街地を少し離れると田園風景の広がる、のどかな地方都市だ。マンホールが設置されているのは新幹線の停まる水沢江刺駅。在来線の水沢駅も近くにあるので間違えないよう注意。
なんと駅には、観覧者専用の臨時無料駐車場が設けられていた。地元の期待や熱量を感じるし、路上駐車などの迷惑行為を予防できるのでとてもいいと思う!
すでに時刻は夕方に近いが、駅の前にはちょっとした人だかりができていた。誰が言い出すでもなく写真を撮るための列が自然に生まれ、5分ほどで筆者の番が来た。
これが、大谷翔平選手のマンホール! 12選手それぞれ制作者が違うので、絵柄もまったく異なるテイストになっている。大谷選手のものは、レトロポップなデザインが人気の小鈴キリカさん作。どうりで、どこか昭和のポップカルチャーっぽい素朴感!
本来は下水管などへの出入口にフタをするのが目的のマンホールだが、そこは大谷選手。人が歩く道路上ではなく、駅舎沿いの広場のようなスペースに設けられている。遠くからも目を引く鮮やかなカラーリングや球団名、見慣れたMLB公式アイコンなど、胸が熱くなるポイントが満載だ。
スマートフォンのカメラをマンホールにかざすと、それぞれの選手にちなんだARショートムービーを視聴できる。彼らがMLB進出までに歩んできた道のりを表現した “ヒーローズ・ジャーニー” だという。
……が、多くの人が順番待ちをしている中で、ムービー再生中ずっとマンホールにカメラを向け続けるのはかなり迷惑な気がする。マンホールを撮りたい人だけでなく、マンホールと自分とで記念撮影をしたい人もいるだろうし。QRコードを読み込んでサイトにアクセスし、ブラウザのカメラ・マイク使用を許可して……と手順もいくつかある。
ただでさえお互いの影が写真に入らないよう、場所を譲り合って待機している。ここはさっと撮影して、さっと離れるのが正解だろう。そんな中で、さすがに筆者はコンテンツを視聴できなかった。ここだけは改善して欲しい!
・設置場所にも注目したい菊池雄星マンホール
日を改めてやって来たのは、奥州市から70kmほど北上した盛岡市の都南図書館。正確には図書館前の歩道だ。まだ図書館もオープンしていない早朝だというのに、見学者がちらほら。
大谷選手のドジャーブルーとは対照的な鮮やかなレッド。菊池雄星選手のマンホールだ。制作者は盛岡市出身のイラストレーター、森優さん。
よく練習したグラウンドとかではなく、図書館前という設置場所がまたユニーク!
「投げる本の虫」というコピーが添えられているが、読書家として知られる菊池選手は、ここ都南図書館を頻繁に訪れていたという。運動部のイメージとはかけ離れた読書習慣は、現在の頭脳派プレーにも反映されている。
盛岡市は人口も多く、奥州市よりも大規模な都市なので「メジャーリーグ一色」という感じにはなっていないが、図書館内には菊池選手のコーナーもあるとのこと。同選手もきっとこの道をよく通っただろうと思うと、ファンなら感無量だ。
・マンホールは全国12か所
岩手県といえばもうひとり、佐々木朗希選手がいるが、同選手は陸前高田市という沿岸部の出身。東北新幹線や東北自動車道からは少し遠く、今回は訪問が叶わなかった。
岩手県は異例の3か所設置だが、ほかにダルビッシュ有選手の大阪府羽曳野市や、ラーズ・ヌートバー選手の埼玉県東松山市、鈴木誠也選手の東京都荒川区、山本由伸選手の岡山県備前市などあり。マンホールを訪ねると同時に、練習場所や行きつけの店など、ゆかりの地を巡るのがめちゃくちゃ楽しそうだ。
参考リンク:MLB公式サイト
執筆:冨樫さや
Photo:PR TIMES、RocketNews24.