地域をつなぐ念仏講 厚木市の養徳寺で
厚木市中荻野の養徳寺で5月10日に金毘羅大権現の大祭が行われた。
大祭では金毘羅大権現の本尊や版画を飾り、地元念仏講の女性が集まり、りんを鳴らし「念仏攝益文」を唱え、写経を行う。
当日は6人が茶菓子などを持ち寄り集まった。参加者の中村碩子さんは「この集まりはいわば地域コミュニティーの場。曾祖母、祖母と代々、その家の家をしている」と話す。
現在残っているのはここ養徳寺の念仏講だけだが、「この地域には昔は上講中、中講中、下講中があり、それぞれ10軒近くの家の集まりがあった」という。
かつて金毘羅大権現の社殿は鳶尾山の山頂近くにあり、江戸時代に同寺の心外悦禅師によって創建された。しかし戦後の1951年に焼失してしまい、2019年に同寺の進藤大寛住職などが中心となり、念願だった社や鳥居などを新築した。
念仏講の女性たちは、3月、9月のお彼岸と8月のお施餓鬼以外は毎月一度は集まる。
毎年、釈迦の生誕を祝う4月8日の「花まつり」では、家や畑、身近な場所で摘んだ草花で誕生仏をおさめた花御堂を飾り、参拝者を迎えるなど、寺行事にも協力している。