大原沖のLTヒラメ釣りで肉厚本命にイナダをキャッチ【千葉・春日丸】濁り潮に苦戦
穏やかに晴れた11月30日(土)、外房大原の春日丸を娘と訪れ、LTヒラメ釣りを楽しんだ。船長の操船で沖へ向かい、潮の濁りと苦戦する中でも、肉厚ヒラメや良型イナダが登場。親子で釣果を楽しみながらも、最後はリベンジを誓う熱い釣りの模様をお伝えしたい。
春日丸でLTヒラメ釣り
早朝に港に到着。やがて船長、女将が来て受け付けが始まる。乗船料を支払い、乗船名簿を記載し、船灯が輝く船へと乗り込む。右舷トモ寄りに釣り座を構え、準備を済ませてからキャビンへ入って釣り談議。
5時、中井徹・若船長の操船で岸壁を離れる。船長は若いが20年のキャリアがあり、気さくなうえ面倒見がいいから大助かりだ。
当日の状況
まだ夜が明けていない海上をタンタンと進み、左手に太東崎の灯台の明かりが望める沖でスローダウン。活イワシが各自のオケへ5尾ずつ配られる。
投入開始時刻を迎え、横流しの態勢をとると「さあ、始めましょう。水深は8mです」との合図。
オケに入っているイワシを小ザルで掬い、手を海水に浸してから目を覆うようにして優しく握り、親バリを口の中から上アゴの中心線の硬い部分へ刺し抜き、孫バリを肛門付近に掛けて投入。オモリから離れて泳ぐイワシを確認してから、サミングをかけ優しく送り込む。
オモリが着底したらイトフケをとる。それから50cmほど底を切り、イワシが底上50cm~1mの範囲を泳ぐのをイメージしながらヒラメからのアタックを待つが、一向にアタリは訪れない。
船中第一号は良型イナダ
やがて日の出を迎え、辺りがすっかり明るくなると、水色はかなり濁っている。前々日の荒天の影響だろう。この潮色ではヒラメもエサを見つけにくいだろう。
なんとかならないだろうかと思案していると、娘の竿がいきなり大きな円弧を描いた。グィングィンと激しく引き込まれているので「これは青物だろう」思いつつ眺めていると、船長のアシストのタモに収まったのは、丸まるとしたイナダ。船中第一号となる魚を掲げる娘は、ニッコリと微笑む。
水谷さんに1kg超ヒラメ
その後もオケの中のイワシは一向に減らず、元気に泳ぎ回っている。船長は交互に横流しを繰り返しながら、ここぞと思うポイントを次々に探っていく。誰もが一心不乱に竿先を見つめ続けるが、依然ヒラメからのシグナルが届かない。
私もハリス、ステイトを短くしたり、竿先をゆっくりと上下させたり、誘いをかけてみるが変化はない。
沖上がりまで、1時間半残す時間となったころ、心なしか潮色がいくぶん澄んできたようだ。すると、左舷トモに座る水谷さん(足立区)の竿が曲がり、1kg超えの肉厚ヒラメが取り込まれた。
水谷さんは「ようやくきたアタリなので、何としてもモノにしたいとじっくり食わせたよ」と言いながら魚を掲げてくれた。
娘にナイスサイズ
右舷に戻ると、娘も湾曲した竿を抱え、懸命に巻き上げている。船長もタモを手にして飛んで来てくれ、「ゆっくり慎重に巻きなよぉ」と声援を送る。
やがてナイスサイズのヒラメがゆったりと姿を現わすと、あわてることなく竿を操作。魚の頭をタモへ向け、滑らすようにして見事にネットイン。ナイスサイズを掲げるとまたもやニッコリ。
今宮さんに肉厚ヒラメ
「私もあとに続かねば」と誘いをかけるが音沙汰なし。そのうち右舷ミヨシの川口市から来た今宮さんの長竿が見事な放物線を描く。カメラを手にして飛んで行くと、少し小ぶりだが肉厚ヒラメが取り込まれた。
「終盤になって、ようやく片目が開いたよ」と言いながら魚をカメラへ向けてくれた。
ふとトモへ目を向けると、娘が私の竿を抱え、大奮闘の真っ最中。竿の曲がり具合からすると、かなりの大物がヒットしたようだ。「無事に取り込んでくれ」と念じ、小躍りしながら釣り座へと戻る。
やがて姿を現したのは、ヒラメではなくなんとでっかいサメ。これにはガックリ。船長がタモ取りし、ハリを外してくれた。
やがて沖上がりを迎え、私だけがオデコになってしまった。船中の釣果は0.4~1.5kgのヒラメ0~1尾、ゲストはイナダ。
潮色戻れば期待十分
帰港後、船長に見通しを伺うと「濁りが入る前は順調に食っていたので、潮色さえ戻れば、また食い出すはず。それにベイトの回遊もボチボチ見られるようになってきたので期待は十分だよ。浅場のヒラメは引きも強く面白いから、ぜひ、また遊びに来てください」とのコメントに、リベンジを誓い帰路に就いた。
<週刊つりニュース関東版APC・大村 隆/TSURINEWS編>
出船場所:大原港 この記事は『週刊つりニュース関東版』2024年12月13日号に掲載された記事を再編集したものになります。