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大竹伸朗の集大成「網膜」展、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で8月1日開幕

イロハニアート

現代日本を代表するアーティスト・大竹伸朗(1955-)の大規模個展が、2025年8月1日から11月24日まで、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)で開催されます。12年ぶりとなる同館での個展は、半世紀にわたる活動の中でも特に重要な「網膜」シリーズを中心に、新作を含む多彩な作品で構成される圧巻の展示となります。

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大竹伸朗 《網膜/漠悸》 1989-2024年 Photo by Shimpei Yamagami

「見る」ことの本質に迫る網膜世界


新作の制作風景 Photo by Shimpei Yamagami

「網膜」シリーズは、大竹が1988年に制作拠点を宇和島に移した時期に着想され、1990年代初頭まで集中的に制作された後も継続して取り組まれてきた重要作品群です。廃棄された露光テスト用のポラロイド・フィルムに残された光の痕跡を大きく引き伸ばし、その表面に透明のウレタン樹脂を塗布するという独自の手法で制作されています。

新作の制作風景 Photo by Shimpei Yamagami

本展の最大の魅力は、分離している「写真像の色面」と「透明の塗膜層」という2つの要素が、鑑賞者の網膜を通じて脳内で統合され、「時間」と「記憶」を内包した新たな像として立ち現れる視覚体験にあります。大竹の作品には、私たちが日常見過ごしている「見る」という行為の本質が凝縮されているのです。

見どころ満載の渾身の展示


大竹伸朗《 網膜屋/記憶濾過小屋》 2014年( ヨコハマトリエンナーレ2014での展示風景)Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo / Photo by Kei Okano

本展では、新たに制作された渾身の新作「網膜」12点が公開されます。さらに、音と光を組み込んだ高さ約3mのレリーフ状の新作や、1990年代初頭に制作された未発表の大型「網膜」作品も初めて展示されます。

また、構想時のサイズに更新した大規模インスタレーション《網膜屋/記憶濾過小屋》(2024年)も必見です。2010年代半ばから続くグワッシュの連作「網膜景」や油彩のシリーズ「網膜/境」といった、「時間」や「記憶」を介して「網膜」と絶えず往還し続ける関連作品群も展示されます。

エントランスから2階・3階の展示室まで全館を使った本展は、MIMOCAの開館以来150本を超える企画展の中でも最大規模かつ最も密度の高い展覧会となります。四国・予讃線沿線に位置する丸亀市で、同じく四国の宇和島で着想された「網膜」シリーズを体験できる意義深い機会です。

オープニング・トーク


展覧会初日の翌日、8月2日(土)には、大竹伸朗本人と本展担当キュレーター・中田耕市氏によるオープニング・トークが開催されます。作家自身の言葉で語られる創作の秘密や「網膜」シリーズへの思いを直接聞ける貴重な機会となるでしょう。

◆オープニングトーク

講師:大竹伸朗(出品作家)
聞き手:中田耕市(当館副館長兼チーフ・キュレーター)

日時:2025 年8 月2 日(土) 16:00ー17:30
会場:2 階ミュージアムホール
料金:無料
定員:150 名(当日11:00より会場前にて整理券を発行します)

また展覧会に合わせて、「網膜」シリーズの新作を多数収録した展覧会カタログやオリジナルグッズも販売予定です。詳細は順次公開されるとのことですので、お見逃しなく。

大竹伸朗(おおたけしんろう)プロフィール


1955年東京都生まれ。主な個展に東京国立近代美術館/愛媛県美術館/富山県美術館(2022-23)、熊本市現代美術館/水戸芸術館現代美術ギャラリー(2019)、パラソルユニット現代美術財団(2014)、高松市美術館(2013)、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(2013)、アートソンジェセンター(2012)、広島市現代美術館/福岡市美術館 (2007)、東京都現代美術館 (2006) など。また国立国際美術館(2018)、ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート(2016)、バービカン・センター2016) などの企画展に出展。ハワイ・トリエンナーレ(2022)、アジア・パシフィック・トリエンナーレ(2018)、横浜トリエンナーレ(2014)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2013)、ドクメンタ(2012)、光州ビエンナーレ(2010)、瀬戸内国際芸術祭(2010、13、16、19、22) など多数の国際展に参加。また「アゲインスト・ネイチャー」(1989)、「キャビネット・オブ・サインズ」(1991)など歴史的に重要な展覧会にも多く参加している。なお香川県内では、直島、豊島、女木島(女木島は瀬戸内国際芸術祭会期中のみ)で作品を公開している。

展覧会詳細


◆大竹伸朗展 網膜

【会期】2025 年8月1日(金)~11月24日(月・休)
【開館時間】10:00~18:00(入館は17:30まで)
【休館日】月曜日(ただし8月11日、8月12日、9月15日、10月13日、11月3日は開館)9月16 日(火)、10月14日(火)、11月4日(火)
【主催】丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団、「瀬戸芸美術館連携」プロジェクト実行委員会(事務局:公益財団法人 福武財団)、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁

【観覧料】
一般1,500円(団体割引1,200円、市民割900円)
大学生1,000円(団体割引800円、市民割600円)
高校生以下または18 歳未満・丸亀市内に在住の65 歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方とその介護者1 名は無料
※同時開催常設展「猪熊弦一郎展(仮称)」観覧料を含みます。
※団体割引は20名以上の団体が対象です。
※市民割は丸亀市民が対象です。チケットご購入時に証明する書類(運転免許証、保険証など)のご提示が必要となります。団体割引を含み、他の割引との併用は出来ません。

お問い合わせ:0877-24-7755(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)
作家公式サイト:大竹伸朗オフィシャルサイト

「時間」と「記憶」が交差する大竹伸朗の「網膜」世界。視覚の本質を問い続ける圧倒的な作品群をぜひ体感してください。

引用元:
【PR TIMES】大竹伸朗の大規模個展を丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催。かつてない密度で展観する、大竹伸朗の〈網膜〉世界。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000142923.html

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