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「ネコになる」「空を飛ぶ」「法律を変える」!? 子どもたち 17人の願望ぜんぶ演劇でかなえちゃいました

YOUよっかいち

魔法の力で空を飛ぶシーンを演じる子どもたち=近鉄百貨店四日市店11階アートホールで

 子どもたちが想像力を働かせ、ゼロから物語を創る「こども四日市えんげきワークショップin近鉄百貨店」が6月22日、近鉄百貨店四日市店11階アートホールで開かれた。小学1〜6年の子どもたち17人が3チームに分かれ、「もし、魔法が使えたら?」というお題をもとに約90分間でオリジナルの物語を創作。最後の15分間を使って、保護者らの前で発表した。

 このワークショップは、「こどもがつくるこどものまち」を掲げる「こども四日市」の活動の1つ。企画・進行を担ったのは、実行委員会で学生を中心に運営する「GOLD市民会議」の若手メンバーたち。いずれも小学生時代からこども四日市に親しみ、今はその思いを次世代へつなごうと活動している。

自由な発想で生まれた3つの空飛ぶ物語

 1つ目のチームは、「ネコになって学校をさぼりたい」「空を飛びたい」という願望をベースに、ネコの学校をさぼった2匹が空を飛んで韓国・中国・インドを訪れ、それぞれの国の料理を味わい、アメリカでは自由の女神によじ登ってしまうという冒険譚を披露。

2匹の「ネコ」が飛ぶ様子

 2つ目のチームが挑んだのは、「空を飛ぶことが禁じられた国で、魔法で飛べるようになった少年が裁判を通じて法律を変える」という社会派(?)ファンタジー。柔軟な身体を生かし、ダイナミックに登場した裁判官役の椎名楽さん(小3)は「体の柔らかさを生かせてよかった。またやりたい」と笑顔を見せた。

裁判のシーン、体の柔らかい裁判官を中心に

  最年少の1年生6人で構成された3つ目のチームは、身体表現に重点を置いた作品に挑戦。椅子に腹ばいになった1人が空を飛ぶ様子を演じ、まわりの子どもたちが流れるように後ろに動いて飛行シーンを演出するなど、シンプルながらかわいらしく印象的な作品となった。


終演後、舞台に集合した子どもたち

「またやりたい!」子どもたちの感想あれこれ

 発表後、「取材のインタビューを受けたい人は?」という記者の呼びかけに、次々と手が上がり、なんと「インタビュー待ちの列」ができるという、ほほえましい光景も。子どもたちは順番に感想を語ってくれた。

 1作目で世界を旅するネコを演じた山村初音さん(小5)は「小さなアイデアがふくらんで1つの物語にまとまった。達成感がすごかった」と振り返り、韓国で辛い料理を提供する役を演じた渡辺朱音さん(小4)は「めっちゃ緊張してセリフを一つ忘れたけど、やり直してちゃんと言えた」とにこやかに話した。

 2作目で空を飛んで雪を降らせたい少年役を演じた山路灯花里さん(小6)は、「話の内容を自分で決められたから、好きなことをたくさん詰め込めた。皆で一致団結できてよかった」と振り返り、魔法使い役の林ソフィーさん(小3)は「見てもらえて、最後に『ありがとうございました』って言ったらたくさん拍手をもらえてうれしかった」と喜びを語った。

 また、3月にすわ公園交流館で開かれた同ワークショップにも参加していた林咲羽さん(小6)は「前回は誰か1人のエピソードを使っての創作だったけど、今回はいろんな人のアイデアを合体させて作れたのが面白かった。人数が多いからこそできた」と分析力も見せた。

子どもたちの「やってみたい!」が広がる場所

 この日の様子を見守っていた「こども四日市」プロジェクトリーダーの小林渚さん(54)は、「試行錯誤の創作現場を見ているのは本当におもしろい。子どものやりたいことを形にしていくという『こども四日市』の理念そのものの現場だった」と目を細めた。

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