女性の更年期 ココロとカラダの揺らの原因とは?
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。
新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
TBSラジオは今週、フェムケアWEEKです。
また10月は、ピンクリボン月間ということもあり、
「国際ガールズデー」「世界メノポーズデー(更年期のこと)」「国際生理の日」など、女性の健康に関する啓発が様々な形で行われています。TBSラジオでも、いろんな番組で、女性の健康課題について取り上げています。女性の健康課題というと、生理やPMS、不妊治療、妊娠・出産、婦人科系疾患、そして更年期の症状に関することなど、症状も困りごとも人それぞれ。同性でもわからないことが多くありますが、こうした特集などを通じて、社会の理解が深まるきっかけになったり、女性自身も自分の身体について知るきっかけになればということで、『生活は踊る』でも、取り上げました。
今回、番組で取り上げるのは、女性の更年期。
そこで、去年もお世話になった、産婦人科医で、女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」の副院長、高尾美穂さんにお話を伺ってきました!
さっそく、おさらい。まず更年期とはどんなものなのか。
まず更年期っていうのがその時期であって、何か成長期とか思春期とか同じように全ての女性が経験する時期のことを指すわけですよね。その時期のことを指している言葉が、いま小倉さんが聞いてくださったように調子の悪さもイメージさせるようなそんな言葉の使われ方が長きにわたって続いてきたっていうのが今です。だから、この更年期において、調子が悪い経験をされる女性がいるっていうのはもう社会のイメージの通りで、ではどんな不調があるのかって言われたら汗やほてり、動悸、そういった何で起こるのかよくわからない。不調これらは実際のところは自律神経と呼んでいる私達の体の調子の良さ悪さをある程度維持してくれるような、調子が良い状態を維持してくれるような神経の働きがアンバランスになることによって、例えば暑い環境なわけじゃないのに汗をかくとか、だから体温が急に上がっちゃう。訴えとして一番多いのは実はね疲れやすいんでわかります。それも体感としては多くの方が感じておられますよね。なのでこのあたりは代表的な更年期の不調の種類って言えるんじゃないかとは思うんですけども。
具体的に何が起こっているのか。
私達がこれって何となく年なのかなって思うような不調の割合的にかなり多くが、ホルモンが足りなくなってきたことによる不調って言い換えることもできちゃうぐらいなんです。もう一つがそのホルモン変動によって自律神経の働きがうまくいかなくなりますよっていう揺らぎの時期の課題、ここがいわゆる更年期の不調っていうイメージです。
ですから更年期以降の女性の健康課題って言ったときにはこの「揺らぎの時期の課題」と、「それ以降ずっと続くホルモンが足りないから起こる不調」、の二つに分けて考える必要が実はあるんです。この揺らぎとはどういう意味なのかって言ったら、ホルモンがある状態からない状態にある状態からない状態どういう頻度を繰り返す。無数にこの状態のことを指していて、同じような経験を女性の人生においては何ヶ所かでしてるはずなんです。いつかって言ったら、生理前の時期もホルモンがある状態からない状態になって生理が来る。短い期間にダダダダとやってくのが更年期ってことアップダウン、アップダウン。アップはまだいいけどダウンがつらい、この落差がつらいってことなんですよ。「生理周期の変動」っていうものがまずは一番の更年期のサイン、その前後で自分の体調面とかそれこそ心の揺らぎとかがもし出てきていれば、これは更年期による不調なんじゃないかってまず考えてもらうのはもう大正解ってことになる。
なぜ心にまで影響するのか、ホルモンが心を安定させる働き持ってるからなんです。卵巣が作るホルモンの中で一つ目のエストロゲンはそもそも鬱にならないように守ってる。もう一つの相方であるプロゲステロンというホルモンが不安にならないように守ってる。それがある時とないときもう同じ物事が起こったときにそれどう捉えるかって私達全然変わってきちゃう。揺らぎの不調、汗、ほてり、動悸、それから肩が凝るとか腰が痛いといったようなフィジカル的な年齢が上がってくるような不調。もう一つのグループがメンタル。イライラが強い怒りっぽい、一方で気力がなくなるうつっぽいどちらも本当に社会の中で役割を持っている女性にとってはしんどい。
躁鬱っぽい気力がなくなるというのはあいつやる気ないって見られるし、それこそまさに管理職世代なんです。管理職お願いって言われる頃に、「いやいや、もう管理職どころの騒ぎではない」っていう状態が起こっているのが更年期世代の女性って言えるんですよね。さらにイライラしているとか怒りっぽいとかなっちゃうと周りの方たちとのコミュニケーションうまくいかなくなっちゃってドロップアウトするっていうこともよくありますよね。
最後に、更年期かなと感じたらどうすればいいのか。
まずは、婦人科の先生を頼るっていうのが一番ストレートでそうですね。特にその更年期という時期だということがわかって、その上で特にその生理周期の変動があるってなったら、1回婦人科に相談してみるのはあり。そして1回かかってみて何か違うんじゃないとか言われても半年ぐらい経ったらまたかかってみるのは全然ありです。
一番かかりやすいきっかけは多分ね、生理の変化です。出血の状態が変わったんですけどこれって更年期ですかみたいなところから、例えば、十分な検査が人間ドックや健康診断でやってやれば、もういいでしょうし、やってなければそこで検査足したらいい。そしてそれの前後で変化があるんですけどこれも更年期ですかねみたいな形で聞いてみるとすごく流れもナチュラルですよね。
婦人科、レディースクリニックでもいい。
・女性の場合は、閉経前後10年が更年期と言われているが、ホルモンのバランスが加齢によって崩れていくのは男性も。その影響でメンタルが崩れていく可能性もある。
・他人事とは思わずに、専門医に診てもらいましょう。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)