<嫁ブロック発動!>なぜ今!?出産を控える私に夫が……「新しい会社で心機一転!」【まんが】
私(マイ)は、30代半ばのワーママ。夫のゴウと娘のハルナ(5才・幼稚園年中)の3人で暮らしています。預かり保育のある幼稚園に娘を通わせながらの共働き夫婦で、もうすぐ2人目の赤ちゃんが産まれる予定。現在私は妊娠8ヶ月、あと少しで産休・育休に入ります。娘の幼稚園のことがあるので、今回は里帰り出産しないで自宅で夫と協力しながら2人目の赤ちゃんを迎えようとしていました。そんなある日、夫から信じられない話を聞かされたのです……!
ある晩のこと、私はPCを開いて家計簿とにらめっこをしていました。私はしばらく育休を取る予定なので、収入が少し減ることになりそうです。今後の収支のバランスを考えていると夫が話しかけてきました。「体調、どう?」
「実は……転職しようと思っていて」いきなりの夫の言葉に驚きます。しかも半年くらい前から転職活動をしていた、と……。共働きの忙しい毎日を送っていた私は、正直まったく気付いていませんでした。開いた口が塞がらないとはこのことです。
もうすぐ出産を控えたタイミングで、夫からまさかの転職宣言をされてしまいました。しかも希望の会社からはほぼ内定がもらえている状態なのだそう。今の仕事に不満を抱いていることは何となく分かっていましたが、まさか転職を考えていたとは……。 夫自身のこれからを考えて転職をすること自体は否定しません。ただこれから私が産休・育休に入ると収入が下がるし、赤ちゃんの世話で猫の手も借りたいほど大変になるのです。よりによってこのタイミングで、好んで新しい環境に飛び込もうとする気持ちは理解できませんでした。
転職で「年収200万ダウン」「義実家で同居」……正気デスカ!?
なんと義両親にはもう話をつけてあると言います。「ウチの実家の2階、使っていない部屋が3つあるだろ? そこを両親に頼んで空けてもらったんだよ。全部片付けて掃除してくれたって」得意げに話す夫に、私は絶句するばかりです。
キラキラした目で語る夫に、私はますますどこからツッこんでいいのか分かりません。赤ちゃんを迎えるこのタイミングで、義実家に引っ越し!? 同居してお金を貯めて新居を買う? 何を言っているのでしょう。頭がクラクラしてきました。
転職をしたいという夫の気持ちは尊重したいと思います。なんでこのタイミングで……? とは思いますが、仕事をするのは夫自身。私だってできることなら夫にはイキイキと働いてほしいです。 しかし収入ダウンや義実家での同居が伴うのであれば、話は別です。だいたい私は転職活動していることなんて何ひとつ聞かされていなかったのです。なのに義実家に同居することすら、まるで決定事項のように話してきて……。自分勝手に物事を進めようとしている夫に対し、私は今後どういう気持ちで接すればいいのか分からなくなっていました。
相談ではなく決定?ギリギリまで黙っていた夫「信じられない!」
ハルナからは毎日楽しく通っている大好きな場所を奪って、私には義両親に赤ちゃんを預けて転職活動をしろと……? 「じゃあ、マイも一緒に転職すればいいよ」あまりに軽く言われて私もついにブチ切れました。「バッカじゃないの!?」
そもそも私が産休に入るギリギリまで黙っているなんて……。もっと早く相談してくれたら、私だって他に動きようがあったかもしれません。いろいろ準備が必要なのに、いきなり生活が変わる話をされても受け入れられるはずがありません。
夫が考えているのは自分の転職希望をいかに叶えるかということばかり。私やハルナのことなどまるで他人事なのです。私の職場が遠くなることも、ハルナが大好きな幼稚園を退園しないといけないことも……。話せば話すほど、夫の言い分には呆れるし腹が立ちます。 夫は家族のためを想ったからこそ、お腹の赤ちゃんが育つまであえて話をしなかったのだと言います。でも私が「心配する」ということが分かっているのにやっている時点で、配慮がないし身勝手だと思うのです。とにかく夫の転職をなんとしてでも阻止しなくては。私は断固反対するつもりです。
まるで悲劇の主人公のようなセリフ「金さえ運べばいいのかよッ」
「自分の人生について考えて、でも家族に迷惑をかけたくないから親に頭下げたのに……。どうせ文句も言わずに家族に金を運んでいればそれでいいって思ってんだろ……」夫はまるで悲劇の主人公にでもなったかのように嘆きだしました。
「大切なことを勝手に決めておいて、苦労する未来しか見えないのに冷たい女呼ばわりされたくないんだけど!」「結局は一緒に頑張ろうとも思ってくれないってことだろ? 同じことだよ」夫はそのまま部屋にこもってしまいました。
私は別に転職そのものに難色を示しているわけではありません。家族の生活をガラッと一変させる出来事を、なんの相談もないまま勝手に進めていたことに不信感を抱いたのです。最初から相談してくれて一緒に考えることができていたら、私だって今回の転職に反対していなかったかもしれません。 それなのに夫は何を勘違いしたのか、転職自体を反対されていると受け取ったようです。今回が人生の転機と言うなら、むしろ冷静さが求められるタイミングのはず。こんなに感情的になってしまう人が転職して大丈夫……? 夫のあまりに子どもじみた言動に、私はため息をつくことしかできませんでした。
客観的とは?転職を後押ししたのはSNS⇒熱く語る夫にドン引き
夫はスマホのSNSの画面を見せてきました。するとそこには転職活動に関する夫のつぶやきが……。どうやら夫は「転職マン」と名乗って一連のやりとりを投稿したようです。画面上には夫に対して好意的なコメントが並んでいました。
夫によると世間には、奥さんに転職を反対される「嫁ブロック」という言葉があるそう。同じ目に遭ったという人のコメントを見せてきました。「うちも給料が下がるからって嫁ブロック」「しょせん俺は都合のいいATMでしかなかった」
昨日逆ギレして部屋にこもってしまった夫は、SNSの人々の後押しですっかり自信を取り戻したようです。顔も知らないような人々は、いくらでも無責任なことを言えるのに……。夫は仕事への「やりがい」や「マインド」が大事などと訴え、立派なことを言っているつもりなのでしょう。しかしどう考えても中身が伴っていません。 だいたい私は転職自体にはNOと言っていません。ただそれに伴う家族への影響を全く考慮していないこと、フォローができていないことが問題なのです。夫にも伝えたつもりでしたが理解できなかったのでしょう。「あほらしい……」私は心底そう思ったのでした。
【夫の気持ち】輝く父親の姿を子どもたちに見せたい!なのに妻が?
俺(ゴウ)は妻のマイと娘のハルナと暮らしていて、もうすぐ待望の2人目も産まれてくる。ますます父親として頑張らないと……。そう思いながら俺は、半年ほど前から転職活動をしていた。会社に不満を溜めながら働くよりも、もっとやりがいを求めて楽しく仕事がしたい。しかしマイは「その転職には賛成できない」と言ってきた。そりゃ年収は大幅に下がるかもしれないけれど、もっと「俺の人生」について考えてはくれないのだろうか。俺は悲しみと怒りに襲われた。
マイはつわりなど体調不良で大変そうだった。精神的にも不安定なこの時期に、転職するなんて言ったら心配をかけるだけ。無事に決まってから報告しようと考えた。しかし現実は思っていたほど甘くなく、なかなかうまくいかなかった。
あきらめずに転職活動を続けていた。そんなとき転機が訪れた。A社の説明会に行くと、ものすごく興味をそそられたのだ。俺はここで働きたい。でも給料が大幅に下がる。そこで実家に出向いて話してみると、両親は快く同居をOKしてくれた。
やりがいのある仕事を見つけて転職して、今よりも充実した毎日を過ごす父親になりたい。これからの自分のキャリアのために……子どもにそんな背中を見せるために……頑張らないと! そう思ってあきらめずに転職活動を続けていたら、A社に出会うことができたのだ。 ただ転職してすぐは慣れない仕事も多いから、マイのサポートにまで手が回らないかもしれない。そんなとき他に大人の手があればどれだけ安心するか……。そこまで考えたうえでの実家への転居だった。俺は家族と自分のために、どうすることが一番いいかを考え続けてきたつもりだった。 しかしマイは俺のすべてを否定してきた。しょせん俺の人生なんてマイにとってはどうでもいいのかもしれない。
【私の気持ち】転職じゃなくて相談ナシがNG!勝手に決めた夫「信用できない」
夫はSNSで自分の味方をしてくれる人たちのコメントを見せながら、いかに私が悪いかを説明してくる始末。「あほらしい……」私は心底そう思うのでした。
SNSのコメントに無責任な後押しをされた夫。「自分の人生を嫁のエゴでブロックされた」と思い込み、「しょせんその程度の女」と非難して私のことを傷つけました。私は別に転職そのものに難色を示しているわけではありません。
「でもね、私には子どもたちを守っていかなきゃいけない責任があるの! そりゃあなたからすれば、自由に動けないことで、もどかしさを感じることもあるかもしれない。でもそれは私だって同じなの。それが親になるってことじゃないの?」
私は言いたいことを一気にまくし立てました。転職を考えていたのならば相談してほしかった。給与が下がってもA社に転職したいなら、どうすればいいかを一緒に考えたかった。しかも義実家で同居なんて大切なことまで勝手に決めて、事後報告されたことが悲しくて……。 親である以上、もう自分の「やりたい気持ち」だけで動くわけにはいかないのです。もし私の言葉よりもSNSの中の人の言葉を信じるというのなら、こちらだって夫を信用することは難しくなります。私が告げた言葉に夫は青ざめていました。
自分ファーストの夫に喝!「ブロックは信頼関係のなさに尽きる」
「夫がどんな道を選ぼうとも地の果てまでついて行く人もいれば、拒む人もいるよね。夫婦によって事情もあれば、信頼関係もあると思う。なのに一方的に相手側が悪い、認めない人がいけないみたいな言い方しかできないのはどうかと思う」
「いつもあなたは『子どもにとって』とか『私にとって』じゃなくて、『自分が』楽な方を無意識に選んでる。それでも私は完璧な人はいないからって思って、ここまで何も言わずに黙ってやりすごしてきた。でももうハッキリ言って無理だから」
夫はSNSで「嫁ブロックされた」と騒ぎ、それを見た人も「嫁ブロックに負けるな」と煽っていました。けれどその言葉に私は疑問を抱いたのです。そもそも「ブロック」される程度の信頼関係しかなかったのでは……? と。 どんな環境の変化があっても「この人と一緒なら大丈夫」と思えるような信頼関係があれば、私だって反対しなかっただろうと思うのです。結婚をすれば転職は自分のことだけで済まず、家族を巻き込む問題になることもあります。そのときは家族と足並みをそろえて協力しなくてはいけないでしょう。その足並みを乱すような行為を平然とやってのける人と、これからの人生を歩いていけるとは到底思えないのでした。
【夫の気持ち】信頼を取り戻す=転職は諦める?俺が選んだ道は……?
俺は半年ほど前から転職活動をしていて、ようやく希望のA社から内定をもらえるめどが立った。しかしマイは「その転職には賛成できない」と言ってきた。「せっかく頑張った転職活動が嫁ブロックに遭った」とSNSでつぶやいた俺に、マイは「そもそもブロックされる程度の信頼関係しか築かれていなかっただけでしょ」と言ってきて……?
「最終面接には……」しかしそこから先の「行かない」という言葉が俺の口からなかなか出てこない。せっかく心から入社したいと思える会社に出会えたのに、簡単にあきらめることができなかったのだ。俺は言葉を絞り出すように言った。
「あなたにその覚悟はある?」「わかった。俺……最終面接で話してみる。ウチの事情も、子どもたちのことも、それでも働きたいってことも……。それで正式採用されたらラッキーだし、ダメなら仕方ないってあきらめもつくからさ」
俺はA社の最終面接で「自分が主力となって子育てする必要がある」ということを伝え、そのうえで採用してもらうことができた。マイが育休を取っている間に俺は全力で仕事を覚え、マイが復帰した春からは子どもたちの生活ペースに合わせた働き方にしている。 転職活動をはじめたばかりの頃は、本当に自分中心の考え方をしていた。今は心から反省をしているし、見捨てずにいてくれたマイにはもう頭が上がらない。これからはもっと家族のために精進をして、失った信頼を取り戻すため日々を大切に過ごしていこうと思っている。