メジャー1年目で2桁勝利を挙げた日本人投手 ドジャース佐々木朗希は何勝するか?
ロッテ時代は2024年の10勝が最多の佐々木朗希
MLBドジャースとマイナー契約を結んだ佐々木朗希投手(23)が22日(日本時間23日)、入団会見を行った。
ロッテ時代の2022年4月10日、オリックス戦でNPB史上16人目の完全試合を達成。13者連続を含む19奪三振をマークして以降、海の向こうから熱視線を浴び続けてきた。
日本ではシーズンを通して先発ローテーションを守り抜いたことがなく、2024年の10勝が自己最多。スタミナへの不安を指摘する声も少なくないが、それでも日本屈指のポテンシャルを持つ剛腕がメジャーでどこまで通用するのか楽しみではある。
打者のレベルが上がるだけでなく、ボールやマウンドの違いもあり、異国の地でいきなり結果を残すことは簡単ではない。メジャー1年目で2桁勝利を挙げた日本人投手は9人しかいないのだ。
ダルビッシュ有と前田健太は1年目に16勝
メジャー1年目最多の16勝を挙げたのはダルビッシュ有と前田健太の2人。ダルビッシュは日本ハムからレンジャーズに移籍した2012年、初先発した4月9日のマリナーズ戦で5.2回8安打5失点でメジャー初勝利を挙げるなど、4月に4勝をマークして月間最優秀新人を受賞した。前半戦で10勝を挙げてオールスターゲームにも選出され、最終的には16勝9敗、221奪三振、防御率3.90の成績を残した。
前田健太は広島からドジャースに移籍した2016年4月6日、パドレス戦で初先発して6回5安打無失点で初勝利をマーク。第2打席ではメジャー初安打となるソロ本塁打も放った。その後も白星を伸ばし、1年目は16勝11敗、防御率3.48の好成績を残した。
松坂大輔はポスティングシステムで西武からレッドソックスに移籍。2007年4月5日のロイヤルズ戦で初先発し、7回6安打10奪三振1失点でメジャー初勝利を挙げた。前半戦で10勝を挙げ、当時は日本選手初となるメジャー1年目で15勝(12敗)をマーク。さらにワールドシリーズでも勝利投手となり、チームの世界一に貢献した。
DeNAからポスティングシステムでカブスに移籍した今永昇太は、2024年に15勝3敗、防御率2.91をマーク。ホップする高めのストレートを武器に174三振を奪い、オールスターゲームにも出場した。
石井一久はヤクルトからドジャースに移籍した2002年4月6日のロッキーズ戦で5.2回2安打無失点の好投で初先発初勝利。4月は5勝0敗で月間最優秀新人賞を受賞し、前半戦で11勝を挙げた。しかし、9月8日のアストロズ戦で頭部に打球を受けて頭蓋骨を骨折し、14勝10敗、防御率4.27の成績で1年目を終えた。
野茂英雄と田中将大は13勝
近鉄に入団以来4年連続最多勝など「トルネード旋風」を巻き起こした野茂英雄は、自由契約となって1995年にドジャースに移籍。結果的にはその後、多くの日本人選手がメジャー挑戦する扉を開けることになった。
勝ち星こそつかなかったものの5月2日のジャイアンツ戦で初先発して5回1安打無失点の好投を見せ、6月2日のメッツ戦で初勝利。その後も日米のファンを熱狂させる好投を続けて13勝6敗、防御率2.54の好成績をマークし、236奪三振で最多奪三振に輝いた。
楽天で無傷の24連勝という驚異的な成績を残した田中将大は2014年、ポスティングシステムでヤンキースに移籍。4月4日のブルージェイズ戦で初先発し、7回6安打3失点で日米通算100勝目となるメジャー初勝利を挙げた。右肘の違和感で離脱した時期もあったものの9月に復帰。13勝5敗、防御率2.77の成績で1年目を終えた。
2023年にソフトバンクからメッツにFA移籍した千賀滉大は、4月2日のマーリンズ戦で初先発初勝利。その後も勝ち星を積み重ね12勝7敗、防御率2.98をマークした。
海外FA権を行使して巨人からメッツに移籍した高橋尚成は2010年4月7日のマーリンズ戦で延長10回に6番手として初登板し、2安打1四球1失点で敗戦投手となった。しかし、同23日のブレーブス戦で初勝利を挙げると、その後、先発で4勝、リリーフで6勝をマーク。10勝6敗8セーブ3ホールド、防御率3.61の成績を残した。
過去の日本人メジャーリーガーと比較しても、佐々木朗希のポテンシャルは遜色ない。年齢的にも23歳と若く、今後の伸びしろを考えればロッテ時代以上の活躍をしても驚けないはずだ。
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記事:SPAIA編集部