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メイドインジャパンの魅力を世界へ発信。コーヒー器具メーカー「BEANDY」。

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メイドインジャパンの魅力を世界へ発信。コーヒー器具メーカー「BEANDY」。

自宅で美味しいコーヒーを淹れたいなら、豆はもちろん、使う器具にもこだわりたいもの。燕三条発のコーヒー器具メーカー「BEANDY(ビーンディー)」は、家庭でも安定して美味しいコーヒーを淹れられるようにと、今年3月にドリッパーを発売しました。実際に店舗でドリッパーを使用しているという新潟市の「DOORS COFFEE WORKS」にお邪魔して、「BEANDY」代表の宮嶋さんにお話を聞いてきました。

BEANDY

宮嶋 健 Ken Miyajima

1998年三条市生まれ。高校卒業後、アウトドアメーカーに勤務し営業職を経験。退職後に上京し、コーヒーショップに勤務。新潟に戻り、2021年にコーヒー器具メーカー「BEANDY」を立ち上げる。2024年3月に初のプロダクトとなる「Silk Dripper」を発売。

ものづくりのまちから生まれた、コーヒー器具メーカー。

――まずは、宮嶋さんがコーヒー器具のメーカーを立ち上げるまでの経緯を教えて下さい。昔からコーヒーがお好きだったんですか?

宮嶋さん:18歳ぐらいから趣味でコーヒーを淹れていました。でも、さらにハマったのにはきっかけがあって。東京に行ったときにコーヒーショップに入ったら、その店舗の空間がすごくよかったんです。

――空間ですか。

宮嶋さん:前職でアウトドアメーカーに勤めていた頃から、どうやって付加価値を乗せるかを気にして仕事をしていました。だから「コーヒー1杯でこんなに感動させられるんだ」って衝撃を受けて。

――コーヒーそのものだけじゃなくて、そのお店が提供する空間や体験に心を動かされたんですね。

宮嶋さん:直感的に「ここで働きたい!」と思いましたね。そのうち、コーヒーの面白さにどっぷりハマっていきました。

――コーヒーのどんなところに面白みを感じたんですか?

宮嶋さん:いちばんは味の幅広さです。あとはコーヒー1杯を提供するまでに、すごくたくさんの人が関わっていて。そういうストーリーを知ったときに面白い世界だなって感じました。

――日々いろんな技術が進んで、コーヒーの味わいがさらに豊かになってきていますよね。

宮嶋さん:コーヒーにハマってからはいろんなコーヒー屋さんに行ったし、いろんなコーヒーを飲んだんですけど、どこまでも底が見えなくって(笑)。掘れば掘っただけ知らないことがでてきて、それが面白くてどんどん知りたくなりますね。

――東京のコーヒーショップを辞めて新潟に戻ってきたのには、何かきっかけが?

宮嶋さん:東京で働いていていたとき、日本製のコーヒー器具よりも海外の器具の方が勢いがあるのを感じました。地元の三条や燕は「ものづくりのまち」といわれているけど、新しい器具の話を聞いていると話に出るのは海外の製品ばかりで。でも人に聞いたり調べたりしてみると、燕三条でもコーヒー器具を作る技術はあるんだってことが分かったんです。問題は、企画する人がいないこと。

――なるほど。

宮嶋さん:日本製の器具が世界に広まったら嬉しいなって思ったし、東京に出たときからいつかは新潟に戻って何かしたいなっていうぼんやりした思いがありました。自分がものづくりのまちに生まれたっていうバックボーンもあって、「ここで頑張ってみようかな」と地元でコーヒー器具のメーカーを立ち上げることにしたんです。

メイドイン燕三条。淹れ手をアシストするドリッパー。

――今年3月に初の製品となる「Silk Dripper」を発売されましたよね。どんな特徴のドリッパーなんでしょうか。

宮嶋さん:いちばん意識したのは、コーヒーが常に同じように流れること。ハンドドリップって面白いなって思う反面、味が変わる要素がものすごく多いから難しいともずっと思っていました。

――淹れる人が同じだったとしても、少し条件が変わるだけでコーヒーの味が大きく変わりますもんね。

宮嶋さん:あるとき家でコーヒーを淹れていたら、めちゃくちゃ美味しく淹れられたことがあって。でも翌日に同じ淹れ方をしてみたら、前日に感じた美味しさとはちょっと違っていたんです。それからドリッパーをよく観察するようになりました。

――観察してみて気づくことがあったんでしょうか。

宮嶋さん:コーヒーの流れ方が違うことに気づきました。淹れ手だけの問題じゃなくて、器具側で流れ方に違いがあると、それが味の違いにつながるんだと分かって。だからできるだけそういうムラをなくして、自分が美味しいと思う味がいつでも出せるように器具でアシストしてあげたいなと。そう思って作ったドリッパーです。

――宮嶋さん自身の気づきから生まれた製品なんですね。

宮嶋さん:それからこのドリッパーは、全部の工程を燕三条で行ったんです。着色も成形もパッケージも。それは僕自身、よかったなと思っている部分です。

――「Silk Dripper」のユーザーである「DOORS COFFEE WORKS」の斉藤さんは、実際に使っていて感じることってありますか?

斉藤さん:透過速度がちょうどいいから、こちらが気を使いすぎなくても安定して美味しいコーヒーを淹れられるなと思います。あとはドリッパーの素材によっては空調とか、温度変化の影響を受けやすいんですけど、樹脂製だとそういうこともないので気に入っています。

宮嶋さん:嬉しいですね。斉藤さんは「Silk Dripper」をすごく使いこなしてくれているので、商品が気になったらぜひ「DOORS」さんのコーヒーを味わいに来てもらいたいです。店頭でも「Silk Dripper」を販売してもらっています。

――コーヒー初心者からすると、ドリッパーを変えるだけでより美味しいコーヒーを淹れられるようになるって嬉しいです。

宮嶋さん:味の部分は甘さとかバランスのいい質感とかを意識して作ったんですけど、ホームページの口コミを見ているとそれを感じ取ってくださっている方が多くて。狙ったところが伝わって良かったなと思います。

――機能面はもちろんだと思うんですけど、見た目もキレイですよね。

宮嶋さん:コーヒーを淹れる人って、若い人というよりもちょっと上の世代の男性がボリュームゾーンなんです。だから器具の系統もそっちに寄っているなと感じていて。でも女性や若者でもコーヒーを淹れる人はいるし、それなら性別や年代に関係なく、純粋に「きれいだな」と思ってもらえるものを作ろうと思いました。

――幅広い層のコーヒー好きに受け入れられるようなドリッパーにしたかったと。

宮嶋さん:ただ、デザインから入った部分はあんまりなくて。上から見た形が花びらの形になっているんですけど、これも偶然なんです。機能を優先していって、結果として形が残ったっていう。

――へ〜、偶然生まれたにしてはキレイな花びら型ですね。

宮嶋さん:プラスチック感が抜けるようには意識しましたね。機能を優先するとプラスチック製がいいなとは思っていたんですけど、ちょっと安っぽく見えちゃうのがネックで。だからプラスチック特有の形状にならないようにこだわりました。「これってガラスですか?」って聞かれたときは「よっしゃ」って思います(笑)

なくてはならない存在になりたい。

――今後は「BEANDY」から別のプロダクトも発表していく予定なんでしょうか。

宮嶋さん:もちろんです。まだオープンにはしていないんですけど、水面下で開発をしている最中です。これからコーヒー器具のラインナップを増やしていきたいなと思っています。

――いつかはコーヒー器具一式を「BEANDY」で揃えられるかもしれないと……。

宮嶋さん:「メイドインジャパン」であることは大切に作っていきたいですね。目標は「コーヒー器具といったら『BEANDY』」「マニアはこのブランドを愛してやまない」って、そういう、なくてはならない存在になることです。あとは海外の方が「日本製の器具ってクールだよね」って認識を持ってくれたら大変幸せかなって思います。

BEANDY

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