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CHIANZ『MESSY』インタビュー――バンド結成1周年を迎えたCHIANZの現在地

encore

──すでにソールドアウトしている『CHIANZ 2nd EP Release Party “MESSY”』が10日後(インタビュー時)に迫った心境から聞かせてください。

eill「つい昨日、みんなでリハをしたんですけど、今回、私はマニピュレーターもやっていて。私の力不足で、2nd EP『MESSY』のタイトル通りに本当に“ごちゃごちゃ”って感じで、私の心はアセアセしてます(笑)」

月川玲「10日後っていう実感がまだなくて…。今、10日後と聞いて、“おや、まずいぞ”っていうのが正直なところではあるんですけど、私はベースを弾くだけの人間なので、ただただ楽しみにしちゃっているところがあります。『MESSY』も見せ方によってはカッコいい『MESSY』になると思いますし、“ごちゃごちゃ”感も私たちの1つの魅力として皆さんにお届けできるよう頑張ります」

Foi「私も今、“10日後か!”って焦っています。でも、7co(ナナコ)さんをゲストにお迎えつつも、3回目の主催ライブなので、すごくブラッシュアップしたCHIANZをお届けしたいと思っています」

Chie「私はライブが久々なので、少しドキドキ感があります。でも、新しいEPを引っ提げたライブなので、“お客さんの反応が楽しみだな”ってシンプルな想いがあります。あと、今回のライブではお客さんにも『MESSY』を楽しんでもらえるような工夫をしたグッズも持っていくので、楽しんでもらいたいです」

──バンド結成1周年を迎えましたが、改めて、シンガーソングライターやユニット、女優として活躍しているお互いのことをどう見ていますか? eillさんからお願いします。

月川「忙しそうですね(笑)」

Foi「パワフルな人。高校生の時から友達ですけど、変わらずにずっとパワフルです。体が3つあるんじゃないか? みたいなスケジュール感でいつも動いていますし、人に対してもパワフルで…」

Chie「情熱的だよね」

Foi「ね! 今日もディズニー帰りらしいです」

──昨日、ライブのリハをやって、今日、ディズニー行ってから、この取材に!?

eill「はい。昨日23時までリハして、朝の9時から友達の子供と一緒にディズニーに行ってきました。あははは。パワフルです!」

月川「あと、有言実行でもあります。10代の頃から言っていることを変わらずに突き進めていて。しかも、ちゃんと形にしているので、本当に尊敬しています。人を惹きつける魅力がないと言葉通りにはならないと思うので、そこは“やっぱプロだな!”って思います」

──10代の頃はどんな話をしていたんですか?

月川「実はそんなに仲良くなかったんですけど…」

Chie&Foi「えー!? 仲良しだと思ってた」

月川「いや、まだ深くは知らなかったです。ここ(Chie&Foi)よりは後に出会ったので。でも、その頃から、イケイケゴーゴーなお姉ちゃん感はありました。初めて会った時も“踊ろっ!”って言われたんですよ(笑)。“ヤバいヤバい、ヤバいやつきた!”と思って焦ったんですけど、その頃から何年後にどういうアーティストになっているかってマイルストーンがあって。別にそれをベラベラ喋るわけではないんですけど、音源やライブで見せてくれる人なんだと思っていました」

eill「ありがとうございます! 嬉しい!」

Chie「今の話と通じるところがあるんですけど、とにかく熱くて。でも、人を思いやることにも重心を置いていて。シンプルに“しごでき(仕事ができる人)”なんです。今、何が問題で、その問題を解決するためにはどうすればいいか…事務的に誰かに連絡して、何かを手配するという作業もできて。本当に“しごでき”なので、きっと一般企業に入っても出世していたと思います。その一方で、一人一人に歩み寄って、“大丈夫?”って声をかけることもできる熱い女です」

eill「(照笑)すごいちっちゃくなっちゃった。あははは」

──バンドの中でeillさんはどんな役割ですか?

月川「船の先頭に船長がいるとしたら、後ろから見てくれいるのがeillちゃんかな?」

Foi「包容力があるよね。音楽の歴も長くて、経験した物事もたくさんあるから、すごく優しく、斜め上ぐらいから引っ張ってくれています。しかも、おっちょこちょいに見えて、実はすごく心配性な一面もあって。最終的に細かいところをチェックしてくれているのもすごいなって思います」

Chie「子供みたいなわんぱくさがありつつ、お母さんみたいな…」

月川「確かに、お母さん感あるね!」

──船長は誰なんですか?

月川「船長はFoi」

Chie「そうだね。船の一番先頭に立って、旗を振っているのはFoiかな?」

eill
Foi

──そんなFoiさんのことはメンバーからはどう見えていますか?

eill「私はずっと彼女の声のファンだったので、一緒に音楽作ってみて、一番に感じるのは、“やっぱり本当に好きな声だな”ってことかな。性格面で言うと、見た目的には“完璧な女感”があるんですけど、結構、抜けてるんですよ」

月川「あははははは」

Chie「ギャップあるよね!」

eill「それは一緒にやってみて気づいたんですけど、もっと好きになっちゃいました」

Chie「すごい人間っぽい」

eill「そう、人間なんですよ! 今までは知らなかったんです。(例えばみんなでご飯に行く時とかも)お店を探すのも上手いから、完璧な人かと思っていたら、とんでもない忘れ物したりして」

Chie「アンプから急にすごい音を出したりとか」

eill「そこも可愛いんですよね。見ていて、“アーティストっぽい“って思います」

Chie「ギャップはありつつも、裏表はないんです。Foiは常にFoi。きっと本人の中ではいろいろと浮き沈みがあるんでしょうけど、それは出さないし、現場でも人がエンジョイすることをいつも考えています。人を見ているし、人が好きなんだろうなって思います」

eill「人懐っこい。犬みたいだね」

月川「Foiちゃんは、私は“お皿みたい”だと思っていて…」

──どういうことですか?

月川「平らできれいな丸いお皿に見えます」

──その心は?

月川「まず、とってもフラットなんですよ。上に何を載せても、全部を受け入れてくれます。真っ白っていうのは、Foiちゃん自身、純粋なところがたくさんあるし、大人っぽく見せていて、意外とキッズ感もあって。無邪気な人だと思います。あとは、お肌が綺麗すぎて陶器のようだから(笑)」

Foi「お皿っていいね!」

eill「何を載せてもいいお皿なんだ」

──そんな月川玲さんはどうですか? YABI×YABIとしても活動しているChieさんが一番近い存在ですよね。

Chie「かなり、時々によって変わるというか…現場で変われるカメレオンな感じもありつつ、すごくストイックなんです。自分に対してはストイックですけど、気分屋っぽいところもあって。逆に最近思うのは、意外と人たらしなのかな?って」

月川「へ〜。なんで?」

Chie「なんだかんだ人がついていきたくなるタイプなんじゃないかな?って。玲ちゃんのことをちょっと追っかけたくなっちゃうというか…能力的には沼男に近いものがあります」

eill「わかる、わかる!」

Chie「ミステリアスな部分があるからかな? 根本は子供の部分もあって、いろんな性質がある気がする」

eill「舞台のライブイベント(『LIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」』)も見に行かせてもらったんですけど、玲ちゃんは七変化する生き物なんです。でも、それは誰かといる時であって、その中にいる自分は本当に変わらなくて、すごい芯が通っています。それが音にもステージングにも出ていて。逆に私は周りのことを考えすぎてしまって、それがステージにまで出ちゃう時があるんです。そんな自分が好きじゃなくて…。玲ちゃんは、最初から最後まで自分で責任を持ってステージをやっている感じがします。“肝が座り続けている”みたいな」

Foi「座り続けている?」

Chie「どっしりしてる。“常に重心になり続けている“っていう感じはあるかな」

eill「低音感あるよね。縁の下の力持ちというか…“人間性が音にも出ている”って思いますし、そこはすごく尊敬している部分です」

Foi「私もかぶっちゃうんですけど、芯がすごくある人だと思います。でも、謎があって読めないというか…余白が多い人でもあって。そこが魅力的っていうか、全部を話さないところが沼男なんだろうなって」

月川「なんでみんな男になってるの?(笑)」

Foi「その余白を知りたくて、みんな、玲ちゃんのことが気になってしまいます。そこがすごく魅力的に見えているような気がしていて。音楽においては職人だと思います。私たち家が近くて、よく一緒に帰るんですけど、“休日何してるの?”って聞いたら、“ビールを飲みながらベース弾いてる”って返ってきて」

月川「それは職人エピソードなのか?」

Foi「“休日にビールを飲みながらベース弾いてるのは職人じゃないですか!”って思った記憶があります」

月川玲
Chie

──(笑)最後にChieさんは?

eill「CHIANZの音楽をやる上で、実は一番肝になっている人。音楽性はChieちゃんに引っ張られています。そういう推進力を持ってる人です。今まで10年くらい一緒にいたんですけど、そういう面を見たことがなくて。半袖短パンで虫取りをしているChieちゃんしか、私は知らなかったから…」

──あはははは。小学生の夏休みなの?

eill 「Nintendo Switchして、虫取りして、キュウリをかじってるChieちゃんしか見たことがなかったので、音楽的にこんなにこの人に引っ張られるんだっていうのは、バンドを一緒にやって初めて思いました」

Foi「私はChieちゃんとよく一緒に遊ぶんですけど、ずっと一緒にいられると思います」

Chie「でかく遊びに行ったりもするし」

eill「あははは。でかい遊びって何?」

Chie「遠くの遊園地に行くとか、旅行とか、バーベキューとか…」

Foi「そう! でっかい遊びもするし、ちっちゃい遊びをいっぱいするから。コロナ禍の時は暇だったから週3で遊んでいて」

Chie「なんなら、毎日Zoomをつないでお互いに腹筋してました」

Foi「ずっと心地がいい人なんですよ。どうしてかというと、Chieちゃんは人のことも見ているし、気配りが上手だし、柔らかい空気を纏っているから。遊んでいる時からそういう雰囲気がある人だと思っていて。そこにプラス童心がある! 今でも、“キッズみ”がすごくあるんですけど、いざ一緒にバンドをやると、自分の仕事に対してすごく責任感を持ってやるし、いろんな楽器もできる。ギターのリフのセンスもあるから、CHIANZはChieちゃんのリフをベースにトラックを作ることも多くて。だから、どっちも兼ね備えているって感じがしました。ポケモンでいうと“火属性と水属性がどっちもある”みたいな」

月川「確かに。でも、逆にChieちゃんは、いい意味でドライな人だと思います。私、ドライな人が大好きなんです。だからずっといれるのかな?って。めんどくさくないですし、なんやかんや人に興味ないところもあって。それがすごく心地いいと思う瞬間がたくさんあります。全然干渉してこないし、かといって、こっちが振ったら、話も聞いてくれるし…」

──執着心がない?

Chie「好奇心はすごくあるんですけど、執着はないです」

Foi「黒い方の感情はあまりないイメージです」

Chie「寝たら忘れちゃうんです。“何でもいいよ”みたいなタイプの人間だからかもしれないです」

──バンド内では? 月川さんが船の重心だとしたら、Chieさんは?

月川「帆じゃない? そんな気がします」

──バンドの進む方向を決めている人なんですね。

Chie「でも、音楽的にいうと、この2人(eill&Foi)のやりたいことがすごくはっきりしているんです。やりたいカラーや方向性がはっきりしているから、私も出しやすいんですよ」

──ソロのシンガーソングライターでもあるeillさんとFoiさんが、幼馴染で結成したガールズバンドでやりたいことというのは?

Foi「アメリカの”The Aces”ってガールズ4人のバンドが好きで。THE 1975のような音像の曲が多いバンドなんですけど、最初はアートワークも含めて、“The Acesのようなカッコいいガールズバンドがやりたい!”っていうはっきりしたイメージがありました」

eill「私もThe Acesをずっと好きで聴いていて。最初のEP『OGYA』やビジュアルはThe Acesをリファレンスにしてやった感があったんですけど、今回の『MESSY』はみんなのカラーが加わって、本当のCHIANZになったと感じています。もちろん1st EPも素敵なんですけど、2回し目のEP感があるっていうか…“これがCHIANZっぽさだなぁ”って思うんです。まさに『MESSY』というEPが、CHIANZとしてみんなでやりたかったことになったっていうか」

──そのCHIANZっぽさって何ですか?

eill「最初は“カッコよくて、おしゃれなお姉さんたち”から始まったんですけど、2nd EP『MESSY』をリリースしたCHIANZは、それぞれの個性が本当にごちゃ混ぜになっています。でも、それがものすごくいいバランスで、正確にみんなが分かるように並んでます。誰かから借りてきたものではなくて、自分たちのCHIANZになったと思っています」

月川「私は、“春・夏・秋・冬”みたいな感じになりたいというか…それがCHIANZになればいいなと思ってて。4つの季節って巡っていくじゃないですか。CHIANZの音楽も1つ1つはバラバラなようでいて、一周すると、ごちゃ混ぜのようで筋がある。それってカッコいいよなって思いました」

Foi「それぞれで活動をしてきた4人のやってきたことが合わさったものが、CHIANZらしさであり、まさに『MESSY』だと感じています。CHIANZっていうバンドは、1人ではできない音楽や、1人じゃ作れなかったもの、1人じゃ行けなかった場所に出会えたり、経験できるバンドになればいいなって思います。自分1人の人生だけじゃなく、みんなといる人生がもっと広がったら2倍楽しいかな?って思います」

Chie「eillちゃんが言ってたのとちょっと似ていますけど、目指していた音像やサウンド感は、カッコよくてクールで強い女みたいなイメージから始まったんですけど、みんなそれぞれに芯や軸があるから、“お互いに相乗効果でやっていきたいね”って想いはありつつ、最近はサウンド面でも、バンドとしても、より相乗効果が出てきていると感じます」

──自分たちらしさが増したバンドのリリースパーティーはどんなステージになりそうですか?

eill「今までは“お客さんを楽しませるにはどうしたらいいか?”を考えていましたけど、今回はセトリ的にしょっぱなから、ガーン!って飛ばします。“CHIANZのライブ、ちょっと、これ、一回見とき”みたいな、自分たちのペースにお客さんをどんどん引き込めるようなライブにしたいです」

月川「私は破壊ですね(笑)。“1st EPからの1年間を白紙にしたいかも”っていう想いがあって。その想いがみんなどこかにあるから、2nd EPでごちゃごちゃしたかったのかな?って勝手に思っています。だから、これまでのCHIANZを破壊したいです。破壊作業と同時に建設作業もやりたいと思います」

Foi「“破壊と創造の頂点”だね」

月川「そうですね。そもそもCHIANZはそこから始まったんです。クラファンのタイトル()というか…」

Foi「当時は5秒で考えて打ってたけどね(笑)」

月川「皆さんと二人三脚で歩みたいという文章を考えたんですけど、そこのテーマが想像と破壊の頂点だったんです」

Foi「2nd EPでようやく回収して(笑)。私は、バンドとして1年半くらい経って…でも、普通のバンドに比べると、音を合わせる時間やライブをする回数とかは少ないと思うんです。でも、だからこそ、一回ずつをすごく大切にしようという想いが強くて。みんなもあると思いますし、お客さんに対してもそうです。だから、一回のライブをきちんと大切にしたいですし、回数を重ねるごとにつかめてきているものもあって。初期のライブは精一杯な時もありましたけど、今回はバンドで音を合わせる喜びみたいなのをちゃんと感じたいと思います。お客さんとの一体感も含め、楽しいライブにしたいです」

Chie「私も気持ちは同じなんですけど、心機一転の気持ちで臨むライブにしたいです。バンド結成から1年半ほど経って…最初の頃は、ちょっとマイナスな言い方をすると、CHIANZに引っ張られているところがありました。自分たちのイメージが先にあって、それを追いかけるような感じだったんですけど、1年やって各々のスタイルも分かってきて。バンドとしての立ち回りもそれぞれが馴染んできた上で、新しいEPを連れていくライブなので、新しい、ちょっとお姉さんになったCHIANZを見てもらえるライブになるといいなって思います」

 (おわり)

取材・文/永堀アツオ

RELEASE INFORMATION

2025年7月2日(水)配信

CHIANZ『MESSY』

LIVE INFORMATION

2025年8月10日(日) 東京 表参道 WALL&WALL ※SOLD OUT
出演 CHIANZ / 7co

CHIANZ 2nd EP Release Party “MESSY”

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