サスペンス映画とミステリー映画の<奇しい世界>にはまり込む、鎌倉市川喜多記念館の特別展と上映会
映画ファンの中にはサスペンス、ミステリーのジャンルを好む方も多いことだろう。
サスペンスの巨匠として知られる、アルフレッド・ヒッチコックが、イギリスからハリウッドに招かれ、1940年に『レベッカ』を発表したことから、映画のジャンルに「サスペンス」が定着したと言われる。50年代にいくつもの傑作をつくりあげ、〝マスター・オブ・サスペンス〟と称されたヒッチコックは、平穏な日常の中に潜む「犯罪」や「疑惑」を描いて人気を博した。
『断崖』(DVD) アイ・ヴィー・シー 提供:アイ・ヴィー・シー アルフレッド・ヒッチコック監督1941年の作品
60年代以降、登場人物の心理状態に重点を置いた作品は「サイコスリラー」と呼ばれ、映像表現に様々な工夫がされるようになった。
どんでん返しの連続で観客をのめり込ませるサスペンス映画と、謎解きの過程を楽しむミステリー映画、重なり合うことの多い二つのジャンルを、古典から近作まで取り上げ、その魅力に迫る「サスペンス・ミステリー映画の奇しい世界」を、鎌倉市川喜多映画記念館で堪能したい。
『女の中にいる他人』(35mm) 東宝 © 1966 TOHO CO.,LTD. 成瀬巳喜男監督1966年の作品
上映作品は、『アイズ ワイド シャット』(1999年)、『博士の異常な愛情』(1964年)、『三十九夜』(1935年)、『バルカン超特急』(1938年)、『断崖』(1941年)、『女の中にいる他人』(1966年)、『レイクサイド マーダーケース』(2004年)、『教皇選挙』(2024年)、『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』(2023年)、『ガタカ』(1997年)、『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』(2019年)、『キャット・ピープル』(1942年)、『マルホランド・ドライブ4Kレストア版』(2001年)、『探偵<スルース>』(1972年)、『氷の微笑 4Kレストア版』(1992年)、『聖なる鹿殺し』(2017年)
『氷の微笑』(DCP) ファインフィルムズ© 1992 STUDIOCANAL
2026年2月7日(土)には、平山夢明(ホラー作家)×小野里 徹(ポスターコレクター)のトークイベント、3月21日(土)には、『探偵<スルース>』上映後、須藤健太郎(映画評論家)×上條葉月(字幕翻訳家・文筆家)のトークイベントが予定されている。
特別展「サスペンス・ミステリー映画の奇しい世界」
会期:2025年11月30日(日)~2026年3月29日(日)
*2月3日(火)以降、一部展示替えが予定されている。
会場:鎌倉市川喜多映画記念館 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-2-12
お問い合わせ:0467-23-2500
https://kamakura-kawakita.org/