「アイデアは絶対に捨てちゃいけない!」謎解き×お笑いの異才・さきぽんが貫く、やりたいことを諦めない生き方
連載「肩書+(プラス)」 では、本業の幹を育てる傍らで自分らしい「枝」を伸ばし、自分らしく活躍をする人の仕事観に迫ります。
「脱出ゲームのバイトと芸人活動が相乗効果を生んでいる」と話すさきぽんさん。面接で一度落ちても諦めない姿勢が、最終的に店長からの「ラブレター」という嬉しい結果につながりました。
後編では、その情熱が結実した 「芸人マーダーミステリープロジェクト」 (以下、芸人マダミスプロジェクト)の立ち上げから第1回公演の舞台裏、そして「人生一度きり、やりたいことはやった方がいい」と語るさきぽんさんの、前向きで力強い人生哲学について伺います。
前編:謎解き好きが高じてバイトリーダーに。ピン芸人・さきぽんが明かす「感情を動かす仕事」の共通点
「芸人マダミスプロジェクト」誕生秘話
――昔から謎解きがお好きだったさきぽんさんですが、なぜ芸人マダミスプロジェクトを立ち上げようと思ったのですか?
さきぽん:実は、ずっと前から 「謎解き×お笑い」 のイベントをやりたいと思っていました。最初は、ライブハウスを丸ごと使って、お客さんが楽屋なども行き来できるリアルな脱出ゲームを考えていました。でも、お客さんが会場全体を自由に動き回ると安全管理が大変になるので、現実的に難しいなと半分諦めていたんです。
そんな中で、「マーダーミステリー」に出会いました。コロナ禍でよくマーダーミステリーの動画配信を見ていて、参加している人も楽しそうだし、見ている側も推理ドラマのように楽しめることに気づいたんです。マーダーミステリーなら、参加する人も観る人も一緒に楽しめる。これなら脱出ゲームよりも安全で、かつ芸人がキャラクターを演じることで更に面白くなるんじゃないかと思って、イベントを企画することにしました。
――そう決心されてから、実際にプロジェクトを立ち上げたのはいつ頃だったんですか?
さきぽん:2024年12月です。すぐに公演開催を目指して動きはじめ、脱出ゲーム仲間や後輩芸人に協力してもらいながら、今年7月22日に 第1回公演「光が多くあるところ」 を開催しました。
<引用元:さきぽんさんX(@sakipon_yoiko)>
――半年以上かけて制作された、第1回公演の内容を教えてください。
さきぽん:新宿の小さなライブハウスが舞台で、お笑いライブ中に出演者の1人が遺体となって発見されるという設定です。容疑者は出演者4人の芸人で、お客様は事件の目撃者として物語に参加してもらいました。選択によってエンディングが変わるマルチエンディング形式で、初回にして3時間半の大作になりました(苦笑)。
――それは準備も大変だったのではないでしょうか? さきぽんさんとしては、どの作業が一番苦労されました?
さきぽん:シナリオ制作 ですね。マーダーミステリーは全員が主役なので、4人分のキャラクターや過去、事件当日の出来事、思いを全て整合させる必要があるんです。例えば、誰か1人の過去を修正すると、残りの3人にも影響が出てしまうので、本当に大変でした。それに16通りのエンディングも作ったので、本当に何回見直したのか全然わかりません(笑)。
――そんな大変な作業を、どのようなスケジュールで進められたんですか?
さきぽん:バイト終わりに自宅で、 毎日深夜1〜2時までシナリオを書いていました 。春くらいに1度、最後まで書き上げたのですが、その後も次々に修正したいところが出てきて……。修正作業で寝不足になっている話をバイト先でしていたら、心配したスタッフが空き部屋で作業できるよう工夫してくれて、なんとか公演ギリギリで完成しました。睡眠時間も減って身体的には辛かったですが、好きなことだったのでなんだかんだ楽しかったですね。
「3時間半があっという間だった」第1回公演の手応え
<引用元:さきぽんさんX(@sakipon_yoiko)>
――ついに迎えた第1回公演、実際にやってみていかがでしたか?
さきぽん:やってる最中はめちゃくちゃ楽しかったです! 私はGM(ゲームマスター)として物語の進行を担当していたんですが、 お客様の反応を間近で見ながら物語を進められるのが本当に楽しかった ですね!
それと同時に、「終わったら達成感でいっぱいになるだろうな」と思っていたんですが、舞台袖に戻った瞬間に、すぐに頭の中で一人反省会が始まりました。自分でいうのもなんですが、めちゃくちゃポジティブなタイプなので、「もっとこうすれば良かった」と惜しかった点を色々と思い浮かべたんですが、最終的には「次回に活かそう!」ということで解決しました(笑)。
あと、SNSで「ストーリーに夢中になって、3時間半があっという間だった!」といったお褒めのポストをいくつも見つけました。参加してくださった先輩芸人や事務所スタッフからも褒めてもらえて、嬉しかったです。
――初回公演でありながら3時間半という大作、特にこだわった部分を教えてください。
さきぽん:お客様も物語に参加できるようにしたことですね。チャット機能で議論に参加してもらって、出演者と一緒にヒントを探したり、犯人を探したりする全員参加型にしました。ヒントが見つかった時には喜び、意外な事実が発覚した時は驚いたりする姿を間近で感じられたのは本当に幸せでした。
「芸人の新しい可能性」 仕事観の変化
――芸人マダミスプロジェクトがスタートして、仕事に対する価値観は変わりましたか?
さきぽん:変わりましたね。自分のやりたいことが仕事になる面白さを知りました。芸人としてネタをやり続けるのとは別に、 謎解きや脱出ゲーム、マーダーミステリーを作っていきたい という気持ちが大きくなりました。
――プロジェクトを通じて、芸人という仕事に対する見方の変化や気づきはありましたか?
さきぽん:私は元々「芸人=ネタをやる人」だけだとは思っていなくて、もっと広い意味で、 「人を笑わせたり、感動させたりする芸をする人」が「芸人」なんじゃないかという考えがありました 。芸人マダミスプロジェクトを通じて、その考えがより確信になりましたね。
今はSNSが普及している時代なので、YouTubeやTikTokで活動している芸人さんも多いですが、それも間違っていないと思います。 手段は違っても、「見る人の感情を動かしたい」という芸人としてのスタンスは同じ ですから。マーダーミステリーも、そのためのひとつのツールだと思ってます。
――今後、挑戦したいことや、これからの働き方についてはどう考えていますか?
さきぽん:「脚本家」「演出家」「プロデューサー」、全部やりたいです(笑)。 人生一度きりなんで、決められたことだけやるなんてもったいないです 。やりたいことがあるなら、素直に挑戦した方がいいと思います。
これまでに、他にやりたいことを見つけて芸人を辞めた仲間を何人も見てきたんですが、そういう人たちって、今みんな幸せそうなんですよね。だから、自分のやりたいことは絶対にやった方がいいんです。
「全部やりたい」 さきぽんが描く未来図
――第1回公演の成功を受けて、今後はどんなことを計画されていますか?
さきぽん:芸人マダミスプロジェクトとしては、今回のシナリオで出演者を変えて、第2回、第3回と続けたいですね。ありがたいことに、「東京以外でもやってほしい」という声もいただいてるので、名古屋や関西でもできたらいいなと思っています。また、新しいシナリオも書き始めたいですね。
<「芸人マダミスプロジェクト」公式X(@geininmdms)にて、第2回公演開催が発表された>
さきぽん:それに、マーダーミステリーには、本当に色々な可能性が秘められているので、今回のようにお客様が参加できるイベントの他に、子ども向けのイベントも作れればいいなと思っています。例えば、お菓子が盗まれたといった優しい事件にして、最後はハッピーエンドになるような内容にすることも可能なので。
あと、イベント後、「一緒に何かをしたい」というDMをいくつかいただいたので、 コラボを通じてマーダーミステリーを広げていけたら と思っています。
「一歩踏み出すのが怖い人へ」読者へのメッセージ
――バイトの面接で落ちても諦めない、やりたいことは全部挑戦する、というさきぽんさんの生き方に勇気をもらった読者も多いと思います。挑戦することをためらっている人に向けて、アドバイスをお願いします。
さきぽん:新しいことを始めるって本当に怖いですよね。今までできていたことを崩すことにもなるので……。
でも、絶対やった方がいいです。 自分の中で「やってみたい」という気持ちがあったら、それを無視しちゃいけないと思うんです 。誰かが言っていたんですが、「大多数の否定的な意見に流されずに、自分で考えたことに挑戦した人が成功する」って。だから、後悔しないためにも、やりたいと思ったことは素直に挑戦してほしいです。
――最後に、今のご自身を表す「自分だけの肩書」があるとしたら、どんな言葉になりますか?
さきぽん:自分の希望も乗せて 「新たな物語への案内人」 でしょうか。芸人としての活動も大切にしながら、謎解きやマーダーミステリーの世界も広げていきたい。どちらも私にとって大切な「肩書」です。
脱出ゲームバイトから始まり、芸人マダミスプロジェクトの成功へ。さきぽんさんの挑戦は、「やりたいことを仕事にする」可能性を証明していました。「新たな物語への案内人」として、驚きと感動に満ちた新しい世界へと導いてくれるでしょう。
前編:謎解き好きが高じてバイトリーダーに。ピン芸人・さきぽんが明かす「感情を動かす仕事」の共通点
プロフィール
さきぽん
1992年10月2日生まれ。福岡県出身。2017年にスクールJCA25期生としてデビュー。お笑い界屈指の謎解き・マーダーミステリー好きとして知られ、脱出ゲーム施設でアルバイトをしている。2024年には自ら「芸人マーダーミステリープロジェクト」を立ち上げ、脚本・制作を手掛ける。第2回公演は2025年12月11日を予定している。 R-1グランプリ2021(フジテレビ系)、THE W2022(日本テレビ系)で準決勝に進出するなど、実力派ピン芸人として活動
X(旧Twitter) さきぽん @sakipon_yoiko 芸人マダミスプロジェクト @geininmdms
取材・文:安倍川モチ子
撮影:川戸健治
編集:求人ボックスジャーナル編集部 内藤瑠那
【さきぽんさんの直筆サイン入りチェキプレゼント】フォロー&リポストキャンペーン 応募要項
求人ボックス公式Xアカウントフォロー&該当投稿をリポストした人の中から抽選で1名様に、さきぽんさんの直筆サイン入りチェキをプレゼント。
■キャンペーン応募期間
2025年9月10日(水)~2025年9月16日(火)
■キャンペーン参加方法
【ステップ1】X(旧:Twitter)にて求人ボックス「@kyujinbox」をフォローしてください。
▼
【ステップ2】「@kyujinbox」がキャンペーン告知をした投稿を、応募期間中にリポスト(RT)してください。
▼
【応募完了!】
締め切り後当選された方には「@kyujinbox」からDMにてご連絡を差し上げます。フォローを外さず、DMを開放してお待ちください。
以下の注意事項をよくご確認のうえご応募ください。
■注意事項
※必ずご自身のアカウントを“公開”にした状態でリポスト(RT)してください。アカウントが非公開(鍵アカウント)の場合はご応募の対象になりませんのでご注意ください。
※「いいね」はご応募の対象になりませんのでご注意ください。
※ご応募はお一人様1回限りとなります。(複数アカウントを用いた複数のご応募はご遠慮ください。なお、複数アカウントを用いた複数のご応募、その他当社が不正と判断するご応募は抽選の対象外とさせていただきます。)
※未成年の方は、親権者等の方が注意事項に同意いただいた上で本プレゼントキャンペーン(以下「本キャンペーン」といいます)へのご応募をお願いいたします。
※当選の発表は、@kyujinboxからのDMをもって代えさせていただきます。
※当落についてのお問い合わせは受けかねますので、ご了承ください。
※本プレゼント品は非売品です。譲渡・転売はご遠慮ください。
※いただいた個人情報は、本キャンペーン以外の目的には使用しません。
※当選された場合であっても、「■キャンペーン参加方法」に記載のご応募条件を充たしていないことが判明した場合、親権者等の方の同意がないことが判明した場合、不正アクセスがあったことが判明した場合、その他当社が不正と判断する行為を行ったことが判明した場合には、当選を取消・無効とさせていただく場合がございますので、ご了承ください。
※本キャンペーンの内容・期間につきましては当社の都合により予告なく変更(期間の早期終了、期間延長を含みますがこれらに限られません)、中止、終了される場合がありますのでご了承ください。
※アプリの設定、システムエラー等によって応募ができない事態が発生した場合等いかなる事情があっても、日にちを遡り、本キャンペーンの対象として適用することはいたしませんので、ご了承ください。
※本キャンペーンの応募等に関する通信費は、お客様自身のご負担となります。
※本キャンぺーンは株式会社カカクコムによる提供です。本キャンペーンについてのお問い合わせは、求人ボックスのお問い合わせフォームまでお願いいたします。