横浜市×資生堂 ”化粧のちから”で介護予防 健康寿命の延伸へ
スキンケアやメイクで健康寿命の延伸を目指す「いきいき美容教室」が5月15日、新山下地域ケアプラザで行われた。資生堂ジャパン(株)=東京都=の社員が講師を務め、約30人が参加した。
同社は、化粧で心身機能や生活の質の維持・向上を目指す「化粧療法」を開発し、全国で教室を開催している。教室では、身だしなみや化粧には、健康寿命を延ばす「運動」「食事」「交流」の3つの要素があると説明。参加者は身体をほぐし循環を高めるストレッチや唾液腺を刺激するスキンケアを行った。その後、腕の筋肉を使いながらメイクアップを実践し、参加者同士で口紅の色を選び合うなど交流も深まっていた。
化粧で前向きな気持ちになり、外出のきっかけや社会参加につながることも期待される。中区小港町の白井則子さん(78)は友人を誘って参加した。「この年齢になると化粧をすることも稀になる。きれいになれて嬉しい」と話した。
連携し年60回教室
教室の開催は横浜市と同社が今年3月に締結した介護予防に関する協定によるもの。
協定では、65歳以上の高齢者を対象とした「いきいき美容教室」の開催と介護・フレイル予防の普及啓発活動の推進などを取り決めた。教室は区役所や地域ケアプラザなどで行われ、年間計60回ほどの開催を予定する。
市は、2020年から40年までに要介護状態の人が約1・5倍に増加すると見込む。こうした社会課題に取り組む市に同社が提案したことで協定の締結が実現した。