フォーミュラE東京大会2日連続開催!第9戦では日産がホームレースで優勝
『ABB FIAフォーミュラE(FE)世界選手権 Tokyo E-Prix』が5月17日(土)18 日(日)に東京・有明で開催された。17日(土)の第8戦はストフェル・バンドーンの優勝により、マセラティMSGレーシングが『Tokyo E-Prix』で2年連続で勝利。18日(日)の第9戦では日産フォーミュラEチームのオリバー・ローランドが優勝。チームの“ホーム”で表彰台の頂点に立った。
第8戦は雨中のレースとなり、波乱含みの展開に。そんな中、バントーンは使用可能エネルギーを早い段階で一気に使い切ることで、義務付けられたピットブーストストップを早めに行い、その後にレースが中断されることを期待するという作戦を敢行。これは激しい雨によりレースの中断が起こり得ると読んだ作戦だった。
予想通り、昨年の『Tokyo E-Prix』の優勝者マクシミリアン・ギュンター(DS・ペンスキー)が技術的なトラブルに見舞われ、車両の回収が必要となったため、レースは中断。バンドーンのピットブーストストップは事実上“無料”となり、再開後のレースを有利に進めることに成功。2022年モナコ以来の勝利をつかむこととなった。
ストフェル・バンドーン(マセラティMSGレーシング)
「僕たちの作戦が本当にうまくいって、最高にうれしいよ! レース序盤にたくさんのエネルギーを使ってピットウィンドウを早く開くという、非常に大胆でアグレッシブな戦略だったんだ。それから、僕たちが最初にピットインして、レッドフラッグの影響で少しラッキーな展開になった。フィールドが再び密集したからね。再スタート後は、クルマを無事にゴールまで持ち帰るのがとても大変だった。エネルギーの管理をしながら、チームに無線で状況を伝え、完走に必要なエネルギーを確保することに集中していたよ。何が起きているかは完全に把握していたし、どこかの時点で自分が首位に立つと分かっていたから、あとはそのポジションを守り切るだけだった。正直言って、何度か慎重になりすぎたり、すべきでないミスを少ししてしまったけどね。それでも最終的にはしっかりフィニッシュできたし、作戦が報われて本当にうれしい」
なお、2位にはFIA世界選手権ドライバーズランキング首位に立つオリバー・ローランド(日産フォーミュラEチーム)、3位には4度目の表彰台となった20歳の新鋭・テイラー・バーナード(NEOMマクラーレン フォーミュラEチーム)が入った。
第9戦はポールポジションからスタートしたローランドが、レース終盤にアタックモードを発動したことで6位まで順位を落としながらも、最後の数秒間に残された50kWの四輪駆動ブーストを最大限に活用。シーズン10の現チャンピオンであるパスカル・ヴェアライン(タグ・ホイヤー ポルシェ フォーミュラEチーム)を鮮やかに抜き去った。ローランドは、これまで東京で開催された『フォーミュラE』の3大会おいて、ポールポジション3回、優勝を含む表彰台2回を達成した。
オリバー・ローランド(日産フォーミュラEチーム)
「言葉が出ないよ! レース前半は戦略の面でうまくいかず、自分自身にかなり失望していた。でも、みんなが僕をアンダーカットしてくるだろうと気づいて、“残り6分ある。こっちがアンダーカットしてやろう”と思ったんだ。そして、結果的にそれがうまくいった。全員が反応してくるのはわかっていたから、最初のラップでしっかり前に出る必要があった。今日はそれが功を奏したけど、少し運も良かったと思う。ずっと言ってきたけど、東京と上海では選手権リードを広げるために攻め続ける必要がある。上海でも、今年は同じ姿勢で臨むつもり。そこで結果が出たら、ようやく今のリードについて考え始めてもいいかもしれないね」
2位にはヴェアライン、3位にはダン・ティクタム(CUPRA KIRO)が入賞。ティクタムはフォーミュラE初の表彰台となった。
なお、東京での2連戦を終えて、FIAドライバーズ・ワールドチャンピオンシップにおいてローランドが161ポイントを獲得して首位をキープ。2位のヴェアライン(84ポイント)とのポイント差は、フォーミュラEのシーズン前半としては史上最大となった。
また、日産はFIAチームおよびマニュファクチャラーズ・ワールドチャンピオンシップの両部門で首位を堅守している。