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猫の命を奪う『死亡原因』年齢別トップ2 それぞれのライフステージごとの注意点も

ねこちゃんホンポ

1.子猫期の死亡原因トップ2

子猫は免疫力が低く、さまざまな病気にかかりやすくなります。成猫では問題ない病気でも、子猫の場合は重症化しやすく、命にもかかわるケースも珍しくないので、早期発見・早期治療・そして予防にも気を配るようにしましょう。

感染症

子猫の死因として多いものに、感染症があります。とくに子猫は成猫と違って免疫力が弱く、さまざまなウイルスや細菌に対して脆弱なため注意しましょう。

代表的なものとしては、猫パルボウイルス感染症があり、重度の下痢や嘔吐を引き起こし、適切な治療を受けられないと死に至ることがあります。

ほかにも猫コロナウイルスや猫カリシウイルスなども、子猫にとって致命的な感染症となり得ます。ほかの猫との接触に注意し、早期発見・治療と予防接種を心がけてください。

寄生虫

内部寄生虫である回虫や条虫は、子猫の栄養吸収不足につながり成長を妨げるだけでなく、貧血や脱水を引き起こし、放置すると死亡する危険もあります。

とくに生後間もない子猫は、母子感染している場合もあるため、定期的な駆虫が必要です。

また駆虫後も感染リスクを下げるために、完全室内で生活を心がけましょう。

また、条虫などはノミを媒介する寄生虫です。きちんと定期的な外部寄生虫の予防も含め、内部寄生虫の予防薬を投与することが大切です。

2.成猫期の死亡原因トップ2

成猫は猫の生涯のなかで、病気になりにくいステージでもありますが、病気のリスクがゼロなわけではありません。そのため「若いから大丈夫」という考えは持たずに、引き続き猫の健康状態には注意をしましょう。

泌尿器疾患

泌尿器疾患は成猫の主な死因のひとつです。とくにオス猫に多く見られる尿路結石症は、結石が尿道を詰まらせることで、尿毒症や急性腎不全を引き起こす場合があります。

また慢性腎臓病(CKD)も猫にも多く見られる病気で、若いうちから腎臓に異常があらわれる子も少なく、注意が必要です。

中には先天的な腎臓の問題を持っている個体も存在するため、出来れば定期的に健康診断を行い、異常に早期に気付けると安心です。

早期発見が望ましいですが、猫は症状を見せにくい動物のため、定期的な健康診断や日ごろの健康チェックを怠らないようにしましょう。

循環器疾患

循環器疾患のなかでも、「肥大型心筋症(HCM)」は猫の心臓病の中で非常によくみられます。

肥大型心筋症というのは心臓の筋肉が異常に肥大し、心臓の機能が低下する病気です。遺伝的要因が強く、特定の品種で多く見られますが、それ以外の品種でもみられます。

肺水腫や胸水を引き起こしたり、突然死の原因にもなりかねる怖い病気です。初期は症状があらわれないことがほとんどですので、健康診断の際に心臓の検査を受けてみてもいいかもしれません。

動物病院を苦手に感じる猫は多く、異常が現れてから受診をするケースが多いですが、循環器疾患は特に症状が現れてからの場合、死につながる危険性が高いです。

聴診をこまめに行う、家庭での呼吸の様子を日々こまめにチェックするなども大切です。

3.老猫期の死亡原因トップ2

猫も老猫期に突入すると、さまざまな病気にかかるリスクがぐんとあがります。このため飼い主は普段から猫の体調や行動の変化をよく観察し、今までに健康診断を受けていなくても、最低でも年に1回は健診を受けるようにしましょう。

泌尿器疾患

老猫の死因で多く見られる病気にも泌尿器疾患があげられますが、なかでも非常に多いのが「慢性腎臓病」です。なんと15歳以上の猫の約8割は罹患しているとされ、猫の死因第一位の病気でもあります。

初期症状として多飲多尿が見られ、進行すると食欲不振や嘔吐などの症状があらわれるように。また高血圧や貧血を併発することも多く、生活の質を著しく低下させ、最終的には死に至ります。

慢性腎不全を完治させることが難しく、現在では投薬や補液などを行い、進行や症状を緩めるといった治療が行われます。

治療はなるべく早く始めた方がいいので、飼い主は早期発見に努めましょう。症状がなくても、シニア期になったら腎臓のエコーや血液検査などをおすすめします。

悪性腫瘍

悪性腫瘍も老猫の主な死因のひとつです。加齢とともに発症リスクは上昇し、特に「リンパ腫」や「乳腺腫瘍」などが多く見られます。また「扁平上皮癌」も老猫によくみられ、進行が早く予後不良となることが多いです。

猫は特に乳腺腫瘍ができると悪性になる確率が高いとされており、乳腺腫瘍はメス猫の早期の避妊手術で高確率で予防できるとされています。

家庭にお迎えをした際に、予防のためにもメス猫であれば避妊手術を検討するようにしましょう。

腫瘍の種類や発生部位によって症状はさまざまですが、食欲不振や体重減少、活動量の低下などが共通して見られます。早期発見のためには、定期的な健康診断と日常的な観察が欠かせません。

まとめ

猫の死亡原因は年齢によって若干異なりますが、どの年齢においても適切な予防と早期発見が重要です。ぜひ今回紹介した内容を参考に、飼い主として、愛猫のライフステージに応じた適切なケアを行いましょう。

また突然の体調変化や行動の変化に気付いた場合に、すぐに相談できる、かかりつけ医を決めておくのも大切です。


(獣医師監修:葛野莉奈)

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