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ごんごんだご・からいだご・だご。団子を作りまくるお盆行事【長崎県壱岐市】

ローカリティ!

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長崎県の離島、壱岐島の田口家ではお盆に、”だこ”こと”団子”を3種類作ります。3種類にはそれぞれ役割や作り方が違います。1種類でも作るのが手間なのに、どうして3種類も作るのか、大阪から嫁いできた嫁目線でレポートします。

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基本のだご!

手前が基本の”だご”で、奥がカラムシの葉で包まれた”からいだご”

基本の”だご”は真ん中にあんこが入ったおまんじゅうで、カカラと呼ばれるサルトリイバラという植物の葉で包まれています。薄力粉、重曹(タンサン)に少しの砂糖と水を入れます。粉類と水がある程度混ざって耳たぶくらいの触感になったら、手のひらに広げて、丸めたあんこを入れ、丸めます。最後にカカラの葉で包んだら、蒸し器で蒸します。カカラの風味がほんのりと団子の生地に移っておいしいです。

主な用途は、仏壇にお供えしたり、墓参りに来てくれた親戚と一緒に食べたり、お土産として持たせたり、家族で食べるなどです。筆者の義実家では50個以上作ります。そして必ずといっていいほど余ります。1個食べたら満足なのですが、余ったら全て長男の家族である筆者の家族が持ち帰ります。数日間、1日に1人3個をノルマとして無心で食べることになります。ちなみに数日後の8月20日になると二十日盆といって、またまた20個程の”だご”を手渡されるのです……

また”だご”はお盆だけではなく、田植えが終わったときなどにも作ります。

墓に供える、ごんごんだご

”ごんごんだご”は米粉と水を混ぜて丸め、仕上げに米粉をふりかけるだけの団子です。大きさは十円玉くらい。砂糖が入っていないので甘くなく、おいしくはなく、食べるものではありません。

用途は墓に供えることです。砂糖が入っていると大量にアリなどが来てしまうため、米粉と水だけで作られています。

ご先祖様があの世に持ち帰る、からいだご

盆の翌日、船に”からいだご”や豆腐などを乗せて、川に流す。精霊流しのような儀式

”からいだご”は基本のだごの生地部分を丸め、カラムシという植物の葉に丸めて一つずつ包んだものです。葉だけではなく茎ごと使います。一つの茎についている5~6枚の葉に一つずつだこを包んでいきます。”からいだご”の“からい”はからうという方言からきており、背負うという意味です。つまり、お盆が終り、ご先祖さまがあの世に帰るときに、からって(背負って)帰るという意味だそう。

からいだごはお盆の最終日に作り、仏壇に供えます。

筆者が嫁いだ最初の頃には、どうして3種類も作らないといけないのか理解できませんでしたが、作り方も用途も違ってどれも必要なものだと、今は思っています。

だけど、お盆は他にもそうめんやあげ豆腐など手作りしないといけないものが山ほどあるのにもかかわらず、お義母さんは全て作っています。(すごすぎる、嫁の鏡?)

しかし基本の”だご”は1人1個で十分なので、もう少し数を減らして楽をしてくれたらと思う筆者の嫁でありました。

写真はすべて2023年8月に筆者撮影したもの

田口有香

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