冬の高校スポーツ全国大会 ラグビー 進化する大分東明が日本一を狙う 【大分県】
2年連続Bシードとして全国高校ラグビー大会に臨む大分東明。進化の速度は留まるところを知らない。新チームの象徴的な試合となったのは6月の全九州高校大会での強豪・東福岡戦。決勝の舞台で33点差をつけて圧勝し、初めて九州王者となった。その勢いは続き、7月の全国高校7人制大会で準優勝し、集大成となる全国大会では日本一を目指す。
大分東明の魅力は、チームが掲げる「エンジョイ・ラグビー」にある。大胆にボールを動かしトライを奪う。型にはまらぬ攻撃は見るものを魅了する。特に今年のチームは個々の能力が高く、器用な選手が多い。白田誠明監督は「自由な発想で華やかなプレーをする」と評す。ただ、派手な攻撃に目が行きがちだが、地道に積み上げた守備が土台となっているのは確か。「相手に勢いを出させないために、前に出る守備の姿勢を植え付けた。フィジカリティの強さを上回らなければいけなかった」(白田監督)と、フィジカル強化を辛抱強くやってきた成果が結果となった。
フィジカル強化に余念がない
全国大会の県予選が終わってからは、さらに追い込んだ。練習後のインターバル走は体力向上とともに、決勝までの5試合を想定して、試合後のリカバリー能力を上げるためだった。キャプテンの石川波潤(3年)は、「この1カ月は、どこよりも走り込んだ。苦しい練習を乗り越えたことが全国での結果につながる」と信じている。
個の強さを高めることに特化し、手応えをつかんだ。ここから3週間はチーム戦術を落とし込む。白田監督は「ベースとなる運び方はあるので、個の力をチームにつなげる形をつくる。全国で勝つための確率を上げるために彩りをつける作業に入る」と一気に全国大会仕様に切り替えるつもりだ。「最後は3年生のまとまり。勝ちたい思い、本気で優勝したい思いがチームに浸透できれば結果は出る。高校スポーツは、そこが原点となる」。日頃から精一杯やってきたことを認めつつ、最上級生のさらなる奮起を求めた。
九州、全国で結果を出したメンバーたち
(柚野真也)