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潮干狩り上級者パパが子供にすすめた自由研究:東京湾奥『三番瀬』に住む貝を調べてみた

TSURINEWS

貝についての自由研究(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

三番瀬(さんばんぜ)と言えば、東京湾奥、主に浦安から船橋にかけて広がる干潟。ここにはアサリやハマグリはもちろん、多くの貝達が生息しています。この干潟と、ここに住む軟体動物について深く掘り下げてみると……実に興味深いですよ!

自由研究「三番瀬で採れる貝たち」

「三番瀬にはどんな貝がすんでいるの?」……今から13年前にこう聞かれたら、筆者はアサリ、ハマグリとしか答えられませんでした。しかし、実際に熊手を片手に潮干狩りをやってみると、アサリやハマグリ以外の貝が住んでいることがわかり、その貝は数種類にも及ぶことが判明。

そんな三番瀬の貝たちは、我が家族(特に筆者)の遊び相手となり、我が家の食卓を潤し。「なんでこんな形をしているの?」「なんでこんな色なの?」「なんでドブ臭いところにたくさんいるの?」「なんで塩をかけると出てくるの?」。 「なぜなぜ」はどんどん大きく成長していき、ついには7年前、我が子の自由研究のテーマになってしまいました。

三番瀬に住んでいる貝

全てではありませんが、三番瀬で採れた貝の一部を写真で紹介します。勿論、筆者と、我が家族が実際に三番瀬で採った貝たちです!

みなさん、写真だけで貝の名前を当てられますか?答えは一番下にあります!

(1)三番瀬で採れる代表的な二枚貝三種。

(1)の貝(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

(2)最近は少なくなって今いました。見つけたら超ラッキー!

(2)の貝(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

(3)北米からやってきた、食べ応え満点の二枚貝。

(3)の貝(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

(4)似ているけど、赤貝ではありません。

(4)の貝(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

(5)美味しいけど、砂を吐かないので食べづらい貝。

(5)の貝(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

(6)食べられるけど、個人的に不味いと思っている貝。

(6)の貝(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

(7)アサリを食べてしまう巻貝・その1。

(7)の貝(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

(8)アサリを食べてしまう巻貝・その2。

(8)の貝(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

(9)TSURINEWSの記事で正体を知りました。

(9)の貝(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

(10)息子が見つけた、三番瀬きっての超激レア二枚貝。

(10)の貝(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

答え

写真(1)左からアサリ、マテガイ、バカガイ
写真(2)ハマグリ
写真(3)ホンビノスガイ
写真(4)シオフキ(アサリが少し混じる)
写真(5)サルボウガイ
写真(6)オキシジミ
写真(7)アカニシガイ
写真(8)ツメタガイ
写真(9)ソトオリガイ
写真(10)オオノガイ

興味を持ったら潮干狩りへ……しかし!?

「これを夏休みの自由研究のテーマにしたい」と思い立ったらいざ潮干狩りへ! と言いたい所ですが……現実はそう甘くはありません。三番瀬はコロナ禍、海難事故の増加により、立ち入り禁止になってしまった干潟が多く、唯一自由に立ち入ることができる江戸川の河口エリアも、8月ともなるとアカクラゲやアカエイも増えてしまうことから、慣れていないと大きな海難事故につながりかねません。

というわけで、潮干狩りにあまり慣れていない子供が実際に三番瀬の貝を採るには、安全に潮干狩りが楽しめる、ふなばし三番瀬海浜公園(開催期間:4月~6月頃)、もしくは江戸川の各船宿が行っている潮干狩り渡船(4月~7月末頃)を利用し、前もって採っておくという「超前倒しプラン」が必要となります。というわけで、この自由研究課題は来年へ持ち越し。

諦めるのは早い!

「この自由研究課題は来年へ持ち越し」なんて書いてしまいましたが、諦めたらそこで試合終了。

アサリは実は愛知県産が多い(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

策を凝らせば、意外と手段はあります。第一に今は昔と違い、「超」情報化社会。冷房のきいた家にいながらある程度の調査は可能。

赤貝の缶詰は実は……(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

そして、現場は干潟だけではありません。近所のスーパーやコンビニにも貝はたくさんいます!

コンビニのおつまみコーナーで見つけました(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

干潟に行かなくても、逆にこういう変化球アプローチの方が面白かったりします(笑)

ふなばし三番瀬環境学習館に行ってみよう

環境学習館は公園内にあり(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

とはいえ自由研究をより素晴らしいものにするには、そしてより先生に「頑張った」をアピールするには、もうひと頑張りしたいところ。

写真撮影はOKとのこと(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

そんな「もうひと頑張り」の、筆者おすすめのスポットがふなばし三番瀬環境学習館。

三番瀬について(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

ここでは、三番瀬に住んでいる貝をはじめ、魚、カニ、エビ、鳥に至るまで、様々な生き物についての紹介がされています。

わかりやすい標本もあり提供:)

大人の筆者でも舌を巻いてしまう展示が多々ありました。

この展示だけで模造紙一枚分は稼げそう(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

ビーチコーミングをやってみよう

筆者が船橋海浜公園に訪れた日は8月4日。大潮で干潮時(10時半)にはソコソコ潮が引く日でした。JR京葉線二俣新町駅から「途中バスにすればよかった」と思いながらてくてく30分歩き、9時に到着(因みにバスは1時間に1本)。1時間程環境学習館でお勉強した後に海に行ってみると、予想通り、公園の目の前には広大な干潟が広がっていました。

大潮の干潮時には干潟が広がる(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

公園前の海は「三番瀬」ということで、大潮の干潮時には干潟が広がり、有料の潮干狩り場は閉鎖しているものの、沖の立ち入り禁止エリアより先に行かなければ、干潟への立ち入りは可。残念ながらアサリ等の貝をザックザック採ることは期待できないのですが、頑張れば何とかお味噌汁一杯分位は採れるかな、と思います(すいません、ちょっと無責任な発言です)。

「立ち入り禁止エリア」には入らないように(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

とはいえ、目的が「食材調達」ではなく「自由研究」ならば、貝殻をターゲットとしたビーチコーミング(海岸に打ち上げられた漂着物を収集したり観察したりすること)をやってみてはいかがでしょう? ビーサン履いて30分も干潟を歩けば、結構色々な種類の貝殻が見つかりますよ!

30分足らずで6種類の貝殻が見つかった(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

「夏休みは残りあとわずか。自由研究どうしよう……」なんていうヤンチャキッズ達のご参考になれば幸いです。因みにふなばし三番瀬海浜学習館は、8月は「無休」とのこと。

これはツメタガイに食べられた跡(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

<尾崎大祐/TSURINEWSライター>

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